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ナイスガイ in ニューヨーク!

2017 - 01/09 [Mon] - 18:31

年末に観た「ナイスガイ in ニューヨーク」と「プリシラ」の感想を書けていなかったので、順番に書いていこうかなと思います。2016年もたくさん舞台を観に行くことができました。今年も観ますよー、とりあえず今月は「フランケンシュタイン」と「ロミオ&ジュリエット」と「お気に召すまま」を観るのです! 
舞台を観るときは、どうしても演目よりも役者さんで選んでしまうことが多いです。どんな内容かよくわからないものでも、大好きな役者さんが出てるなら、やっぱり観に行きたい。あとは、この人の作品なら面白いだろうなーと思える演出家や脚本家。三谷幸喜さんの舞台とかは、役者さんよりもまず「三谷さん舞台だ! 観たい!」という気持ちでチケット争奪戦に挑みます。新感線もそうですね。反対に、気になる役者さんが出てても「この演出家さんの作品は、あんまり合わないんだよなあ」と思って、見送ってしまうものもあります。あとはまあ、劇場でたくさんもらえるチラシとかで気になったやつですね。チラシは持って帰って一通り目を通す派です。
それはともかく、「ナイスガイ in ニューヨーク」の感想です。この芝居は、やっぱり井上芳雄くんの名前でまず「観よう」と思った作品です。で、演出が福田監督で共演が間宮祥太朗くんだというのを見て、「これ絶対観たい」となって。福田監督のコメディは、舞台では「タイトル・オブ・ショウ」しか観てないんですが、WOWOWの「トライベッカ」でいい感じに井上くんが料理されてるのを観てましたし、絶対面白いだろうなと。間宮くんは同じく福田監督の「ニーチェ先生」でその美形ぶりと面白さを知って大好きになったので、ぜひ一度生で観たいなーと思ってた人でした。で、実際に観てみたらば、ものすごく面白かったこの舞台!! こういうコメディ大好き、再演してほしいなあ! 
というわけで感想です。ネタバレしますよー。

舞台は1960年代のアメリカです。父親が経営する会社の営業マンとして働くアランは、仕事そっちのけで女の子とスキーに行ってしまうようなプレイボーイ。ニューヨークで気ままな一人暮らしを送っています。一方、アランとは12歳離れた弟のバディは、真面目で内気な青年で、実家暮らし。そんなバディが、ある日アランのアパートメントにやってきます。厳格な父親に反発し、自由奔放な兄に憧れたバディは、とうとう家出してきたのです。が、アランのアパートメントには、上の階に住む女優の卵のペギーや、アランが唯一本気で恋をしている売れないミュージカル女優のコニー、そしてアランとバディの両親までもが次々やってきて、大混乱!  そのせいでアランが手掛けていた商談は駄目になり、アランはコニーにふられ、アランとバディは父親から勘当されてしまうのでした。
そして三か月後。兄弟の様子は完全に逆転した状態になっていました。真面目で内気だったはずのバディは、以前のアランそのものといった様子で女の子と遊びまくっています。一方、あんなにお洒落でプレイボーイだったはずのアランは、まったく遊ぶ気配もなく、毎日ため息ばかり。そんな2人のもとへ、今度は母親が転がり込んできました。母親の手には大きなスーツケース、なんと母親までもが家出してきたというのです。戸惑う兄弟、そこへ父親が現れ、「工場を売って、夫婦で世界旅行に出るんだ」と発言。はたして家族はどうなるのでしょう!?

舞台になる場所は、アランの部屋だけ。そこに様々な人が出入りして、嘘や行き違いや勘違いが積み重なった結果どんどん話が混乱していく、シチュエーションコメディの典型ですね。原作がニール・サイモンなので、それだけでもう面白さは保証されているようなものですが、それを福田監督が現代の日本人にもわかりやすいように上手いこと仕立て上げてありました。
アラン役の井上芳雄くんは、やっぱり華がありますねー。姿が良い。勿論声も良い。公演パンフのグラビアがそれはもうかっこよくて、パンフ買ってよかったと心底思いましたよ! このお芝居はミュージカルではないのですが、何曲か歌唱部分があるという作り。なので、コメディなのに井上くんの歌も聴けるというお得感が素晴らしい。途中、コニーが精肉業界の人々向けのミュージカルで豚肉の役をやったというくだりで、豚肉の歌を歌うシーンがあるんです。「ブヒブヒ♪」って。「豚だから全身食べられるよ、でも食べるときにはよく焼いてね(豚肉だからね!)」というような内容の、まあとにかく馬鹿馬鹿しい感じの歌なんです。コニーが歌うと痛々しいくらいお馬鹿な歌なのに、これを井上芳雄が歌うと、それはもう素晴らしい歌になるというのがものすごく笑えて! 一流ミュージカル俳優がちょっと本気出して歌うと、どんな歌でも一流に聴こえるんですね! 歌い出しは「ブヒブヒ♪」なのに!!(笑) 歌い出した瞬間、全身から発せられる「一流ミュージカル俳優オーラ」がすごい。空気が変わるんですよ!
歌以外の芝居部分でも、アラン役は井上くんによく似合ってましたね。自由奔放なプレイボーイを軽やかにお洒落に演じてて。御本人も、舞台を楽しんでる感じがありました。特に、冒頭のペギーとのからみのシーンは明らかに楽しんでたと思います、絶対色々わざとやってた!(笑) 

バディ役の間宮祥太朗くんは、出てきた瞬間、一瞬誰かわからなかった(笑)。何しろ私の中の間宮くんは「ニーチェ先生」の顔をしてるわけですよ。「ニーチェ先生」のときに、なんて美形なんだろう、そしてなんていい声をしてるんだろう、と惚れ惚れしたもので。なのに今回のバディ役ときたら、ほっぺた赤く塗って、ダサダサな髪型と服装で、喋り方も情けなくて「兄さあ~ん~無理だよ~う~」って! 福田監督、間宮くんに何やらせてんだ!(笑) こんなに美形なのに、美形とわからないこの役作り(笑)。しかも、歌まで歌わせて! アランがいきなり歌い出したときに「え? 何で歌うの? しかも英語? ああ、ここニューヨークだからね」とバディがツッコミの立場で合いの手をいれてたので、そのままのスタンスでいくのかと思いきや、2番からはバディにバトンタッチ! ああ、やっぱりお得感満載の舞台ですね(笑)。
というか、間宮くんがここまで面白い俳優さんだったとは思いませんでしたよ! アランがバディをハリウッドのお偉いさんに仕立ててペギーを騙そうとするシーンのバディ、ものすごく面白かった!! 二幕でプレイボーイと化したバディの変貌っぷりも、絶妙にうざくて笑い死にそうになりました。うん、大好き(笑)。テレビドラマとかでは絶対こんな間宮くんは観られないはず(いや、福田監督作品ならテレビでもありえるかもしれませんが)。舞台の何がいいって、普段映画やドラマではまず観られなさそうな役で役者さんが観られることですよね。
あ、あと、私が観た回、バディが時を超えた回でした(笑)。父親がいかに厳しいかを語るシーンで、「僕の電話は盗み聞きしてるし」と言うところを、「携帯は盗み聞きしてるし」と間宮くんが言ってしまいまして。舞台は1960年代なので、携帯電話ないから!! すかさず井上くんがフォローついでに色々突っ込んでました。ここで時を超えてしまったので、後の方の台詞で「ベッカム」とかも出てきたのかな? それともベッカムは毎回あったのでしょうか。舞台上のハプニングは、役者さんにはどきどきな出来事でしょうが、観客からすると実に美味しい(笑)。面白かったです。 

コニー役の吉岡里帆ちゃんは、とにかく可愛かったです。「ブヒブヒ♪」もそうですが、なんかもう全部の芝居が体当たりな感じで、それがまた本当に可愛くて。女の子と遊びまくりのアランが唯一本気なのがこういうタイプの女の子というのが、すごく腑に落ちました。家に帰ってから里帆ちゃんの出てるCM見て、「あ、コニーだ!」と思ってしまいましたよ(笑)。開演前や休憩時間中のアナウンスも里帆ちゃんが担当してましたね。
アランとバディの母親ミセス・ベーカー役の石野真子さんは、テレビでよくお見かけする方ですが、生で観たの初めて! 面白かったです! 今時間ないって言ってるのにひたすらマイペースにスローモーに話し続けるシーンが、母親あるある的な感じでしたね(笑)。アランの部屋で留守番することになって、各方面からかかってくる電話を受け続けるシーンもものすごく笑えました。覚えられないからメモをとりたいんだけど、メモ用紙も鉛筆も見つからなくて、そのうちに全然違うことを始めちゃって、はたと電話がつながったままに気づくとか。何本も電話がかかってくるものだからすっかりわけがわからなくなって電話恐怖症っぽくなるところとかも、石野さんがやるととてもキュートでした。

とはいえ、このお芝居、ある意味ペギーとミスター・ベーカーのインパクトが核爆弾並みと言いますか(笑)。なんかもうね、この2人が色々すごすぎて、あらためて頭の中で舞台の内容を振り返ると「アランかっこよかったな」とか「バディ面白かった」とかいう感想が吹っ飛んで、「ペギー面白すぎた!」とか「ミスター・ベーカー、あれもう卑怯なくらい面白い!」とかいう感想にすり替わっちゃうんですよ! 大好きこの2人!!
まずはペギー役、愛原実花ちゃんから。「ラ・カージュ・オ・フォール」のアンヌ役で観たことがあったので、その印象が残ってたんですが…冒頭からその印象ががらがらと崩れ去りました(笑)。アランに抱き上げられてくるくる回った後にスカートを押さえて「見えちゃう! ミエチャウ! ミエチャウ!!」と奇声を上げた辺りからおや?とは思ったのですが、その後もアランが(たぶんわざと)なみなみと注いできたシャンペンを一気飲みするシーンで何度となく逆流させたり、炭酸一気飲みしたせいで声がとんでもないことになったりと、何だろうこの面白さは!! もともとお馬鹿キャラなペギーですが、とにかくもうはじけてた! ハリウッドのお偉いさんのふりをしたバディに迫るシーンも、一挙手一投足が面白すぎて!! あの瞬間、舞台の他のキャスト全てを食ってましたよペギー! 恐ろしい子!(笑)
そして、アランとバディの父親ミスター・ベーカー役の高橋克実さん…この方が滅茶苦茶芝居上手くて面白いのは勿論百も承知なんですが、なんと今回カツラキャラだったんですよ(笑)。なんか某トランプ氏みたいなカツラで…しかもそれが、しょっちゅう脱げる(笑)。脱げる度にかぶり直すんですが、急いでかぶるので、後ろ前だったり激しくずれてたり。途中、バディが「本来の業務を全然まっとうできてないあのカツラが不憫でならない。全然隠せてない」と漏らすのに、激しく同意(笑)。高橋さん、そんなカツラずれた状態のまま、厳格な父親の芝居を続けないで!(笑) もう本当に、目を閉じてこの舞台を振り返ると、まず出てくるのが高橋さんのずれたカツラって、どういうことでしょう(笑)。笑い死ぬかと思いました!

ああやっぱり、コメディって良いですね。本当に、再演してもらいたい舞台。もしくはWOWOWででも流してほしい。大好きです。観に行って良かった!

ヘンリー四世とかパタリロとか。

2016 - 12/19 [Mon] - 01:13

またちょっとばたばたしてたんですが、一段落ついた気がするので、最近観た舞台の感想をまとめて。

新国立劇場にて上演の『ヘンリー四世』、第一部・第二部共に観ました! 第一部の座席が、端の方とはいえ最前列で死ぬかと思いました!! 何だろうこの幸運…こんなところで運を使ってしまっていいのだろうか、年末ジャンボ宝くじで10億あてるために運は取っておいた方が良いのではないだろうか、いやでも最前列とはいえセンターじゃないから大丈夫だろう、などと一緒に観に行った友人と話していたのですが、ところがこのお芝居、客席降りが頻繁だったー!! しかも、フォールスタッフが客席通路で居眠りした場所が、私の席の斜めすぐ後ろ!! それをかまいにハル王子がやってきてしまったものだから、超至近距離で浦井健治くん演じるハル王子を観てしまった…心なしかいい匂いがした気がしましたよ(笑)。その後も、私のすぐ目の前でハル王子がこちらに背を向けて座ったりするものだから、ずれたウエストラインから覗くお肌とパンツまでガン見(笑)。うん、駄目だこれ、だいぶ運を使った気がする(笑)。芝居始まってすぐは、ハル王子がフォールスタッフの陰になって全然見えなかったりして「フォールスタッフ! 今すぐ痩せろ、そしてその出っ腹を引込めろ!!」と心の中で念じていたくらいなのに…。
『ヘンリー四世』はシェークスピア作品の中でもかなり有名なものですが、実は観るのは今回が初めてでした。いや、だって、シェークスピア苦手なんですもの…。とはいえ、思いのほか面白く。特に第一部はかなり笑った覚えがあります。フォールスタッフのいい加減さと嘘つきぶり(だけど、すごく愛すべきキャラ)とか、そんなフォールスタッフやその仲間のチンピラ達と楽しそうに遊びまわるハル王子の様子とか。あと、ひと言も言葉は通じてないモーティマー夫妻のやりとりとか、大好き(笑)。「俺にはひと言もお前の言ってることがわからない…!」(←奥さんがウェールズ語しか喋れないんです)と言いつつ、すごくラブラブなモーティマー夫妻。ヘンリー四世を演じる中嶋しゅうさんは、出てくると途端に舞台が締まりますね! でも、ヘンリー四世が死ぬ間際に、ハル王子が父親がもう息を引き取ったと思い込んで切々と想いを語るシーンでは、しゅうさんが適度に首を振ったり動いたりしてくれるので、「ハル、ハル王子、あのね、あなたのパパ生きてるからまだ!」と心の中で全力で突っ込んでました私(笑)。ええと、あのシーンは、笑っても良いところだったんですか…? 浦井くんの熱演が素晴らしかったので必死に我慢したんですが。
浦井くんは、フォールスタッフと一緒に放蕩三昧の頃は馬鹿王子の雰囲気満々な不良青年なんですが、第二部で戴冠した後の変わりようがすごかったですね。髪ぼっさぼさでいかにもチンピラなお衣裳から王様の真っ白な服に着替えた途端、何もかもがシュッとして美形度が五割増アップ! 姿勢と表情と話し方の変化で、ここまで別人のようになるんだなあ…私が浦井健治という役者さんを好きな理由の一つが、演じる役によって全くの別人になるところなんですが、今回は一つの作品の中でそれが観られました。やっぱりすごかったです。でも、第二部ってハル王子の出番が思いのほか少ない気が…。
佐藤B作さんのフォールスタッフはとにかくよく喋る!! ワイン樽のように太って見せるためのお衣裳はたぶんものすごく暑かったんじゃないかと思いますが、ひょいひょいフットワーク軽く動き回ってましたね。フォールスタッフの洒落は、一部はB作さんのアドリブもあったのでしょうか? 二部の徴兵シーンで、たぶん「後妻業の女」に引っかけようとして上手くいかず、台詞を引込めてたところがあったような。あふれ出るようなフォールスタッフの台詞は聞いているだけで楽しく、このフォールスタッフというキャラクターがシェークスピア作品の中でもとりわけ愛されているというのがよくわかりました。話はよく知らなくてもこのキャラだけは前から知ってましたしね。

そして、紀伊国屋ホールにて上演の舞台『パタリロ!』も観てきました(笑)。
『パタリロ!』は子供の頃から好きで、漫画も飛び飛びでしたが結構持ってました。アニメも見てましたね、オープニングの歌は今でも漠然と覚えてます。プラズマXとかプララとかランダムとか、ロボットの話がすごく好きだったなあ…たまに入る泣ける系の話も好きでした。ノースダコタという土地の名前は、この漫画で初めて知りましたね(笑)。小学生の頃から読んでたので、いわゆるBLなシーンについては、たぶん最初の頃はよくわかってなかった気がします。
で、この作品が舞台化するという話を聞いたとき、最初に思ったのはやっぱり「いや、無理だから」でした。だってパタリロどうするのよ。子役にやらせるにはちょっとネタがどぎついし、無理でしょうこれは…と思ってたんですが、パタリロ役のキャストが加藤諒だと知ったときに、なんか全てを許せる気がしました(笑)。ああうん、その人テレビで見たことある、その人ならいける気がする! で、脚本が池田鉄洋さんだというので、ああ池田さんならいい感じに料理してくれるんじゃないかなと。こうなってくるとかなり興味がわいてきてしまいまして、駄目元でチケット申し込んでみたら運よく取れまして。観に行っちゃいましたよ舞台『パタリロ!』 2.5次元舞台としましては、『デスノート』『黒執事』に続いて3作目。たぶん、これが一番今流行の2.5次元舞台の雰囲気に近い感じなんじゃないかなという気がしました。原作漫画を愛するお客さん、そしておそらく2.5次元舞台を愛するお客さん達に若干甘えすぎてる感もありましたが、たくさん笑ったし、原作のイメージを壊されることなく素直に楽しめました。ストーリーも、原作冒頭のパタリロとバンコラン・マライヒとの出会いのお話にタマネギ21号の裏切り話やらタイムワープネタやらをからめて、さりげなく埼玉ネタもぶっこんで、さらにスーパー間者猫先生とかシバイタロカ博士とか原作ファンにはとっても懐かしい名称がんがん出しつつ上手くまとめてあって。
加藤諒くんのパタリロ殿下は、やっぱりありですね!(笑) うん、このキャスティングは正しい! へちゃむくれの地球外生物なつぶれあんまん。いや、リアルに存在してる人に向かってそこまで言っていいのかどうかはわかりませんが、今の日本でパタリロできるのは彼しかいない! ゴキブリ走法もしてくれてましたねー。あと、シバイタロカ博士の変装解いたときにうっかり脱ぎすぎちゃうのも、全裸とまではいきませんでしたがそれなりに頑張って再現してくれてました。
タマネギ部隊は、原作のあの口をどーするんだろうと思ってたら、ぱかーんと常に開けておくことでなんとか再現してましたね(笑)。ポスター段階では髪の毛でタマネギヘアーにしてましたが、舞台ではヘルメット的なカツラでタマネギ頭を再現。これ絶対、タマネギ達がメーキャップ落として寛ぐシーンを入れてあるせいですよね(笑)。21号ネタは原作でも大好きだったので、入ってて嬉しかったです。あと、タマネギ部隊結成秘話で影だけ出てきたエトランジュ様のお声が、鈴木砂羽さんでびっくりしました!
マライヒは、出てきたときは声の低さにちょっとびっくりしたんですが、宝塚的メイクが上手いことはまってて、ちゃんとマライヒに見えましたね。キラキラな効果音付きでくるるんと回る様が可愛らしかったです。原作の「駄目、石畳は冷たい」「温めてやろう」のシーンがあって、わあ懐かしいと心の中で叫びましたよ(笑)。
とはいえ、やっぱりこの舞台は、バンコランの一人勝ちというか…ビジュアル再現度が完璧だったというのもありますし、芝居もこの方が一番上手かったような。何より、バンコランの眼力の再現の仕方が(笑)! レーザー的なものを発する何らかの機器を目の前に掲げて再現してましたよ!! 超美形な男性が黒髪ロングのかつら着けて目からビームを発する様に、客席全員腹筋が崩壊してました(笑)。バンコランの過去話(なぜ彼がそっち方面の嗜好に目覚めちゃったのか)のシーンもあったんですが、大人になってからのバンコランと美少年時代のバンコランできちんと演じ分けされてて、素晴らしかったです。
あと、何度も出てくる月影先生(の立て看板)…基本、池田さんが「恐ろしい子…!」と言うだけなんですが、大変笑わせていただきました。池田さん大好きです。
パタリロ舞台は次回作も決まってるそうで、2018年にたぶん「スターダスト計画」をやるんだとか。ということは、私の大好きなプラズマXも出るということでしょうか。チケット取れる気が全くしませんが、できれば観てみたいです。

生執事!

2016 - 11/29 [Tue] - 01:28

ミュージカル「黒執事-NOAH'S ARK CIRCUS-」を観てきました。TOKYO DOME CITY HALLにて。ミーツポートの下に劇場なんてあったんですね、今回初めて知りました。
「黒執事」は原作が大好きで、アニメも見てました。特に2期が素晴らしくて、途中から完全オリジナルになってしまった1期のラストから見事に続ける形で新たな物語を構築していて、思わずDVD買ってしまったくらい。実写版映画も一応観ましたが…ええと、うん、水嶋ヒロくんは素敵でしたよね! あと、剛力彩芽ちゃんには何の罪もないと思うので、責めないであげてほしい…あれは役をふった人が悪いと思うのです…。で、舞台ミュージカルになってるのも知ってたんですが、ストーリーがオリジナルだと聞いたので、とりあえず見送りまして。だけどすごく評判良いなーと思ってたら、そのうちキャストが変わって、帝劇でもよくお見かけする古川雄大くんがセバスチャン役になったそうで! で、ちょうど「1789」のロベスピエール役で古川雄大くんがますます好きになっていた私は、アマゾンで古川くん版の「黒執事」DVDを買いまして。黒執事は、舞台版は生執事と呼ばれるのですねえ…うん、確かに生だ(笑)。で、このDVDがまた、びっくりするくらい出来が良かったのです。オリジナルではなく原作エピソードを使っていて、しかもキャストのビジュアルが原作そのまま! 歌唱力は役者さんによってかなりの差がありましたが、楽曲も良いし、舞台ならではの笑いの要素も入れていて、大変気に入りまして。また新作をやるぞと聞いて、頑張ってチケット取りました! もともと原作の中でも大好きなエピソードだったんですが、不覚にもぼろ泣きしてしまいましたよ…やっぱり役者さんがすぐそこで演じてるって、ものすごいことですね。もー胸に迫る迫る。
というわけで感想です。ネタバレしますよー。

舞台は19世紀のイギリス。シエル・ファントムハイブ伯爵は、まだ少年でありながら、女王の憂いを晴らすべく英国社会の裏社会で起こる陰惨な事件を闇に葬る役目を追っている。そんな彼の傍らに常に在るのは黒衣の執事、セバスチャン・ミカエリス。家事全般から調査、戦闘、ありとあらゆることを完璧にやってのける彼の正体は、実は悪魔。かつて全てを奪われたシエルが己の復讐のために契約した相手である。今回、シエルのもとに下された女王の命は、とあるサーカスを調べること。どうやらそのサーカスは、近頃英国内で頻発している子供の失踪事件に関わっているらしい。シエルはセバスチャンと共にサーカスに潜入し、やがてとてつもなく悲惨で救いがたい真実へとたどり着いてしまう…。

この舞台、本当にキャストのビジュアルが完璧ですね! 公演パンフを読むと、メイクまでキャラごとによく考えられているのがわかって、作り手側の愛と本気がうかがえます。あと、今回サーカス編ということで、サーカスのシーンが何度も出てくるんですが、これがかなり本気のサーカスでびっくり! ピーターとウェンディが登場シーンで180度開脚して布にぶら下がってるのを見て目を剥きました私。え、本物…!? 後でパンフで確かめたら、本物でしたこの方たち。女性アクロバット・ダンスカンパニーに所属されている方たちでした。ダガーもずーっと一輪車乗ってて、ちゃんと芸もしてて。すごすぎる…やっぱり作り手側の本気度がものすごい舞台なんだなあと、しみじみ思いました。だからこんなに愛されてるんでしょうね、生執事。
セバスチャン役の古川くんは、もうどこから見てもセバスチャン。本当にこの人かっこいいですよね…背は高いわ手足は長いわ顔小っちゃいわ綺麗だわ、神様は一体何物を与えたんでしょうこの人に! しかも歌も上手いときてますからね、大好きなんですよ古川くんの歌声! そして、セバスチャン口調も大変はまってて(笑)。何だろう、この胡散臭さ…優しく丁寧に喋ってるのに、とにかく胡散臭く聞こえる(笑)。今回、風邪をひいたシエルを彼が甘やかすシーンがあるんですが、リゾットを冷ましてあげるときの「ふう、ふう」がもう笑えた笑えた! ハプスブルク家の王子様だのスペインの王子様だのニューヨークのゲイだのフランスの革命家だのと色々な役で彼を観てきましたが、私、このセバスチャン役やってるときの彼が一番好きかも…いや、フェリペ役の悪魔的美しさも捨てがたいですが、出番の多さでやっぱりセバスチャンですね!! 本当にはまり役。コメディシーンでは面白く(ウィルとのサーカス競演シーン、面白かった…ウィル役の輝馬さんもウィルそのものでした)、シリアスシーンでは恐ろしくも美しく、そして時々悪魔の本性を剥き出しにしたような動き方と表情でシエルに迫る様がたまらない。前回の「地に燃えるリコリス」で彼がシエルに頬擦りしたとき鳥肌立ちましたもの! いい役者さんだなー。ロミジュリも勿論観に行きますよー。
シエル役の内川連生くんも、ビジュアル完璧! 大きさ的にも、このくらいの子役さんがシエルにはぴったりな気がします。出てきただけで素直に「あ、シエルだ」と思えました。それにしても、いやー可愛かった…サーカスに潜入して笑顔を求められたときの「にこっ」が殺人的に可愛かった(笑)。あと、今回シエルの寝間着姿があって大満足! 前回の舞台のDVDで唯一不満だったのが、セバスチャンがシエルを朝起こしにきたときにベッドの中のシエルが寝間着じゃなかったことなんですが、今回は風邪っぴきのシーンで寝間着着てたー! 冒頭でセバスチャンがシエル起こしに来たときにまたしても普通に服着てて「ちっ」と思ってたんですが、よかったー!(笑) いや、わかるんですよ、いちいち寝間着から着替えさせてたら段取りが追い付かなくなるってことは。でもね、シャツにズボンでベッドに寝てるのはやっぱり違和感あるんですよ…仕方ないですけどね、お芝居だし。
ジョーカー役は三浦涼介くん。私の中では「カルト」のNEO様役が一番印象深い(笑)。彼もジョーカー役はまってましたね! 歌も上手い。結構ミュージカル作品にも出てる方なんですね。サーカスの口上を述べるシーンがすごく似合ってて、華のある役者さんだなと思いました。
そのほかの役者さん達もとにかく原作どおりで。葬儀屋さんの完成度の高さと彼が笑いを求めるシーンの面白さは言うに及ばずですが、フィニ役の河原田巧也くんの完成度も素晴らしいと思うです。お馬鹿なシーンもだけど、サーカス団が屋敷に潜入してきたときに本性が出ちゃうときの台詞の言い方が本当に良かった…フィニがいました、本物でした、はい。
そして、前回の舞台のDVDを観て以来愛してやまないアバーラインとハンクスの2人(笑)。もうね、大好きこの2人! まさに舞台ならではの笑いを作ってくれる2人! ハンクスなんて原作にいないのに! アバーラインもだいぶ原作から遠ざかってるのに! 大好き!! 開演直前にはピエロに扮して客席を楽しませ、お話が始まってからもあちこちで笑わせてくれて! 私の観た回でちょうど生執事100公演目を迎えた役者さんが何人もいたそうで、カーテンコールのときにご挨拶があったんですが、アバ・ハンの2人も100公演目だったそうで。そのときに確かアバーライン役の高木俊さんが仰ってたんですが、アバ・ハンのシーンはほとんどがアドリブなんだそうです。脚本には「いい感じに」とか書いてあるそうで。おかげで演技とは違う部分で技術が発達していくそうですが、ということは今回葬儀屋のシーンでセバスやシエルをいじってたあれもアドリブですか…? 古川くんも連生くんも笑いをこらえきれずに何度か観客に背を向けてましたよ(笑)。シエルとアバーラインのからみのシーンでは、アバーラインの名前を覚えられないシエルが高木さんの顎に手をのばし、「A…G…O…」と言ってたのがとても面白かったです。「誰がAGOラインだ! 誰がアゴラインだ!」というやつ(笑)。高木さん、顎が長いというのが定番のネタなんですね。ぜひアバーラインもハンクスも、今後もずっと生執事に出続けていただきたいです。あとハンクスはいつか原作に出るといいと思います(笑)。世界観壊れそうだけど。

あちこち笑い所もありつつ、しかしお話は後半になるにつれてとんでもない鬱展開へ。身よりもなく体も不自由だった幼い頃のジョーカー達を拾ってくれたのは、裕福な貴族ケルヴィン男爵。けれど、男爵がある欲に取り憑かれたことにより、サーカス団の彼らは人さらいの集団とならざるをえなくなってしまって。このジョーカー達のエピソードが、とにかく泣けるんですよ…男爵がやってることがどれだけ恐ろしくどれだけ間違ったことなのかなんて、ジョーカー達だってとっくにわかってたんです。でも、一生かけても返せないほどの恩がある男爵には逆らえない。しかも、男爵が持っている孤児院には、まだまだ年下の子供たちがいるのです。彼らのためにも、「お父様」である男爵に従わないといけない。シエル達と対決した後にジョーカーが漏らす「どうすれば良かったのかな、俺達」という呟きが、本当に切ない…何度か出てくる回想シーンのジョーカーやビーストやダガーがまたやるせなくて、この辺でもう私泣きそうになってました。でも我慢したんです! だけど駄目だった、その後のドールの回想シーンが辛すぎて、気付いたらぼろ泣きしてたー!! もう皆死んじゃったんだと、残ってるのは自分だけなんだとドールが気づいてしまった瞬間の、あの回想シーン!! 皆で芸名をつけあったときのことを思いだしながら、ドールが思い出の中のジョーカー達に呼びかけたあの瞬間の、ドール役の設楽銀河くんの表情見ちゃったらもう涙腺崩壊するしかない!! うわあああなんて可哀想なんだあああ…そしてそれを何の慈悲もなく切り捨てるセバスチャンの冷酷さといったら。ああ、この情け容赦のなさが黒執事の醍醐味。ジョーカー達があんなに守ろうとしてた孤児院の子らもとっくに死んでたっていうあのオチ含めて、とことん容赦なくどん底に叩き落としてくれるよなあ…大好きです。

今回の舞台もDVDになるそうですね。勿論買いますよ! 2.5次元舞台はDVDになるからいいよなあ…東宝ミュージカルももうちょっとDVD化に積極的になってほしいんだけどなー。 「1789」とかDVDにしましょうよー、「レディ・ベス」とか「シスター・アクト」とか「ダンス・オブ・ヴァンパイア」もぜひー。

マーダーバラッド!

2016 - 11/20 [Sun] - 02:35

ミュージカル「マーダー・バラッド」を観てきました。天王洲銀河劇場にて。中川晃教、平野綾、橋本さとし、濱田めぐみという、歌が素晴らしく上手い4人による全編歌のミュージカル。全員大好きな役者さん! 宣伝段階から観たくてたまらなかった舞台でした。ニューヨークでの初演が2012年とのことですが、全体的な印象は「若い」舞台だなという感じでしょうか。若くて勢いがある、勢いでぐいぐい押していく、ロックなミュージカル。その日本初演にこれだけのキャストをそろえてきたというのも、作り手側の勢いを感じました。本当によくそろえたなー。
というわけで感想です。ネタバレしますよー思いっきり!!

これはとある殺人についての歌物語。舞台はニューヨーク。歌手を夢見るサラは俳優を目指すトムと情熱的な恋をして、全身で愛し合った。けれど、2人の恋は長くは続かない。やがて失恋したサラはしたたかに酔っ払い、とある街角でまた別の男と出会う。それは情熱的で自由奔放なトムとは正反対な男、堅実で誠実な詩人のマイケル。サラはマイケルと結婚し、やがてフランキーという娘が生まれた。マイケルは優しく、子育てにも熱心。アッパーイーストに家を建て、家族のために経営学を学ぶマイケル。サラにとって、それはかつての暮らしとは全く違う幸せな生活だ。優しい夫がいて、可愛い娘がいて、何もかも満ち足りた――でも同じことの繰り返しでしかない暮らし。育児と家事に疲れ始めたサラは、かつての恋人トムを思い出す。トムは、今ではダウンタウンに「キングズ・クラブ」というバーを持っているという。サラは彼の店を訪れ、再び関係を持ってしまう。が、やがて2人の関係はマイケルにばれてしまい、幸せな結婚生活は一瞬で崩壊。妻を奪われ激怒したマイケル、全てを失って絶望したサラ、サラを取り戻したいトム、三人が「キングズ・クラブ」で顔を合わせたとき、ついに事件が起こる。さあ果たして誰が殺し、誰が死んだのか――……。

ステージ上には、バーと思しきお店のセットがありました。棚に並ぶ無数のお酒、長いカウンターとあちこちに置かれたテーブル。役者さん達はテーブルの上を歩きながら歌ったり芝居したりするので、観てる側はちょっとハラハラ。いや、いつか誰かが落ちるんじゃないかと…そうそう足元ばかりも見てられないだろうし、結構大股でずかずか歩くシーンも多いので、大丈夫かしらと。勿論、どなたも落っこちませんでしたけどね!
そしてこのミュージカル、舞台上にも客席が設けられてまして。舞台の上手下手両方に、二列並んだステージシートが設置されてました。役者さん達はちょいちょいそこに座ったお客さんとからんだりするので、うらやましかったですね(笑)。さとしさんに後ろから肩を叩かれて顔覗きこまれてる人もいましたよ! 本当にうらやましい!
でも、なんか音響が悪かったのが気になりましたねー…たまたま私の観た回がおかしかっただけかもしれませんが、特に前半、歌詞が聞き取りづらくて。結構前の方の席だったのでスピーカーとの位置の問題もあるかもしれませんが、全編歌なので歌詞がよくわからないと結構致命的。後半にいくにつれてましになっていきましたが、もうちょっとなんとかならなかったかなー…前半は集中するのが難しくて大変でしたよ。
とはいえ、役者さん達はやっぱり皆様素晴らしかったです! …だからこそ、もっとクリアな音で聴きたかったんですけどねー…。

トム役の中川晃教くんは、とにかく「悪い」男な感じ。なんとなく中川くんの素のお顔見てるととても良い人そうなので意外だったんですが、悪い男も似合ってましたねー。情熱的でぎらぎらしてて、常に奥底で何かが燻ってる感じ。トムの歌は低音が多かったんですが、中川くんの低音もいいなあ! 中川くんというとやっぱり綺麗に通る高音のイメージがありますが、ぐっと低く歌う声もとても素敵。一緒に観に行った友人は、今回ので完全にアッキーファンになったようでしたよ(笑)。華のある役者さんなんですよね、本当に。背が高いわけでもなく、とびきり顔が整ってるわけでもないのに、舞台にいるとどうしようもなく目がいく。ああこれが才能というやつなんだろうな、と自然と思わせてくれる。「フランケンシュタイン」も勿論観に行きますよー、とても楽しみです!
サラ役の平野綾ちゃんは、やっぱり可愛かったです!! 黒でレースでショートパンツで大変ロックな感じのお衣裳でしたが、なんかもう本当にお人形みたいな体してるなあ! 細い! 腰もお腹も脚も腕も本当に細い!! そんな綾ちゃんがテーブルの上に横になって脚を大開きしてアッキーとからんでいたわけですが、全然下品にならないのがすごい。綾ちゃんの歌声も素晴らしいですね、張りがあって厚みもあってよくのびる。感情表現も素晴らしいです、舞台上で綾ちゃんが泣いてるとこっちも哀しくなる。綾ちゃん大好きです!
マイケル役の橋本さとしさんは、珍しく「普通の」男性の役(笑)。エキセントリックでもなければ怖い人でもない、堅実な役。さとしさんが大好きな私は、さとしさんが舞台にいるだけでなんだかもう嬉しくてたまらないんですが、今回は綾ちゃんとさとしさんの大きさの違いに大変萌えました(笑)。さとしさんはすごく大きいので、ちびっちゃい綾ちゃんと抱き合うと、大人と子供…何だろう、このにわかに漂う犯罪臭(笑)。とはいえ、マイケルの役所からすると、「大人」な部分がより強調されて良い気もしますね。さとしさんが自分の娘とからんでるシーン(いや、娘役がいるわけではないのでパントマイムですけど)は妙に微笑ましかったです。そしてやっぱりさとしさんの歌声が好き!! サラの裏切りを知って叩きつけるように歌うシーンが大変ロックテイストで良かったなあ。うう、日本人キャスト版でCDが欲しいですよ。
そして濱田めぐみさん。ナレーター兼「キングズ・クラブ」のバーテンダー役。ナレーターなのでたくさん歌ってくれるんですが、濱田さんの歌も本当に好き! 音響残念だったのが本当に悔しい…濱田さんの歌い方で聞き取れないってどーゆーことですかまったく。しかしまあ、この役、トリッキーというかなんというか…ナレーターなので完全に第三者的立場の人なんだと思ってたら、そうじゃなかった! サラの浮気がマイケルにばれた後、サラ、マイケル、トムがキングズ・バーに集まって、さあ一体誰が殺して誰が死ぬんだという段になったとき、私はてっきりマイケルがトムを殺そうとして返り討ちにあうんだろうと思ってました。…いや、なんとなく、さとしさん死ぬんじゃないかなーと…で、なんならその後、サラがトムを殺しちゃうんじゃないかなーと…そんな想像をめぐらしていたんです。で、実際、マイケルがトムに襲いかかり、見事に返り討ちにされてぼこぼこに殴られだしたので、「おお、想像通りか」と思ってたんですが、なんとここでサラが店にあった野球のバットを振りかぶる! よりにもよってバット! ナイフでもなく銃でもなくバットですよ! が、そこでいきなりナレーターが身を呈してトムをかばおうとする!! えええ、いきなりお話に入ってきたよこのナレーター!! いや、確かに思い返してみれば、トムがバーにいるシーンでちょいちょいからんでたけど! そして、結局バットを振り下ろせなかったサラからマイケルがバットを受け取り、そのまま放り出して店を後にして。サラがそれを追いかけて、2人はスポットライトを浴びながら抱き合い――まさかのハッピーエンドか!? いやでも、誰か死ぬんでしょこの話!? と思ったら、再びバーの中に話は戻り、トムを気遣うナレーターのシーンへ。しかしトムはナレーターの手を払い、ふられたナレーターは床のバットに手をのばして、トムの頭を殴打! そしてまた殴打! トムが死ぬまで殴打ー!! って、ちょっとー!! ナレーターが殺人者かよー!! これはあれだ、ミステリー小説読んでたら語り手が犯人だったやつだー!! しかもナレーター、この後立派に逃亡を決め込んだらしく、翌朝サラがネットを立ち上げてニュースサイトを見たら未解決殺人事件の記事があるという。このときの「未解決殺人事件♪」と歌ってキャンドルを吹き消したときの濱田さんのにんまり笑顔の怖いこと怖いこと(笑)。

音響の良い舞台でぜひもう一度観たいミュージカルですね。曲調は好みだし、役者さんは全員素晴らしいし、90分でがーっと勢いよく攻め込んでくる作り自体も悪くない。…そう、音響だけがとにかく残念!! もう一度、別の劇場で再演しないかなー…そのときはぜひキャストはこのままでお願いいたします!

わんだーらんど!

2016 - 10/04 [Tue] - 01:44

浦井健治デビュー15周年記念コンサート「Wonderland」に行ってきました。今までずっと「自分は役者だから」と歌手活動をしてこなかった彼が、今年初めてソロアルバムをリリースし、そしてついにソロコンサートですよ! しかも東京国際フォーラムAで! お知らせが出たときからもう待ち遠しくて待ち遠しくて、「もう幾つ寝ると」状態で心待ちにしておりましたー! 楽しかったー! 
というわけで感想です。これぜひ映像化してほしいんですが…無理なんだろうなあ…。

何しろ5千人入るホールです。私が会場に着いたときにはもう開場時刻を過ぎていたんですが、それでも入口にたどり着くまでがもう長蛇の列。ぐるっとまわっていっぺん建物の外に出ちゃうくらいの列! 当然グッズ売り場もすごい列で、それでも公演パンフだけはどうしても欲しかったので並んだんですが、もうほとんどのグッズが売り切れになっていました。先日参加した福山雅治さんの東京ドームでのファンクラブイベントでもグッズ売り切れ続出でしたが、皆様買うんですねえ…いやまあ、気持ちはわかりますが。でも結構いいお値段してましたよオルゴールとか!
今回の席は、一階の真ん中くらいの場所。このくらいの位置だと、肉眼でもどうにかご本人の表情を確認できるので、スクリーンと御本人とどちらを見ればいいのか悩みますね(笑)。やっぱりスクリーンで歌ってるときの表情をがっつり見たい気もするけど、スクリーンには映しきれない体全体の動作や他のメンバーの方も見たかったりして。結局、どちらも見る方向で頑張りました! スクリーンにも目をやりつつ、ステージにも逐次目を向け、余すことなく浦井健治という人を楽しんできましたよ!(笑)

コンサート一曲目は、オリジナルソングの「彼方へ」。伊礼彼方くんへ捧げられた歌では全くないのに、ついつい聴いていると伊礼君の顔が浮かぶ(笑)。「彼方へ」はとてもいい歌なんですが、、「健治へ」も名曲でしたものね(笑)。
しかしまあ、歌ってるときはこうも素敵でかっこいいのに、素で喋り出すと本当に面白い人なんですよね浦井くんて! とても35歳には見えない…近頃復活した頬袋のせいか、笑顔がもう本当に可愛くて! この人の笑顔を見てると幸せになれます。そして、5千人のお客さんを前に、「5千人! いえーい!!」とハイテンションな浦井くんが面白い(笑)。自分で「あれ、俺本当にテンションおかしい!」と呟いてましたが、うん、StarSのときとそんなに変わらない気もするよ!!(笑)。「僕、いつもは三人なんです。でも、今日は一人…芳雄さーん…育ー…いや、いないんですけど」と若干心許なげに言ったりもしてましたが、それでもとても楽しそうでしたね。
歌手活動をしてこなかった浦井くんがこうしてソロコンサートをしてみようと思ったきっかけは、井上芳雄くんなのだそうで。「たった一人でステージで面白いことをしてお客様に気持ちを届けてる姿に感銘を受けて」的なことを言ってましたが、ええと、「面白いこと」って…今ここに井上くんがいたら絶対ツッコまれてますよ、「面白いことって何!?」って。「素晴らしい」とか「素敵」じゃなくて「面白い」なんだ…いやまあ、井上くんのトークは確かに面白いですけど、コンサートの話なんだからそこは歌の方に言及しましょうよ! 相変わらず言葉のセンスが独特な人です。
言葉のセンスといえば、StarSライブでお客さんが持ってるペンライトをホタルイカにたとえた記憶はいまだ消えませんが、今回は「米粒」にたとえてましたよ! 公演パンフのおまけについてたペンライト、白でしたからね(笑)。そして、「米粒っておかしいな、ええと…チンアナゴ?」とさらにおかしなたとえに突入する浦井くん。コンサート終盤でも再びペンライトを米粒にたとえ、「でもきっと炊き立てですよ!? 炊き立ての米粒ってすごいですよ!」と奇妙なフォローを自分でしてました。おーい、誰かStarSの残り2人呼んできてー!!(笑)

曲目は、これまでの浦井くんの活動を振り返るように、過去作品からたくさんの楽曲が。いつも「芝居歌」を心がけてるだけあって、歌ごとに浦井くんの表情ががらりと変わるのがすごい! 『デスノート』のときには急に凄味と色気が出たり、『シャルルメドレー』では「もうちょっと落ち着こうか!」と突っ込みたくなるくらいわーっとなってたり、さすが役者さん! ミュージカル俳優のコンサートはこれだから楽しいのです。歌だけじゃなくて、芝居まで楽しめて。
浦井くんのファンになったのは新感線の「薔薇とサムライ」からなもので(というか、このお芝居で初めてこの人を知ったんですが)、披露された歌の中には知らないものもたくさんありました。『シラノ』の「完璧な恋人」が面白かったですね、シラノ役の照井裕隆さんの歌にまるで合いの手のように「この美貌」「この美貌!」「このびぼう!!」と浦井くんが言いまくるという(笑)。『蜘蛛女のキス』は、観てないのが本当に悔しい。『CHESS THE MUSICAL』も、海外版のDVDでしか観てないので、ぜひ浦井くんにもう一度演じてほしい!
観たことのある作品の歌では、『タイトル・オブ・ショウ』の「9人のお気に入り」がすごく良かったです。だって、なんか涙出た! 歌自体もすごく好きなんですけど、このとき浦井くんが声帯出血して歌えなくなったことを思い出したりしたせいか、聴いてて泣けてきちゃいましたよ。当時お医者さんに「もう歌えなくなるよ」と言われたって、『ボンベイ・ドリームス』の挨拶のときに言ってたなあとか…でも、喉が治った後の浦井くんの歌は前にもまして低音も高音も素晴らしくなっていたので、きっとすごく努力したんだろうなあとか。そんなことを考えながら聴いてました。『タイトル・オブ・ショウ』、再演しないかなあ…あの舞台自体、すごく好きなんですよ。馬鹿馬鹿しいノリなのにシビアな現実もきっちり描いてて、楽曲も良かったし。福田監督お願いします!
あとはやっぱり『二都物語』の「いまは子どものままで」! 『二都物語』、あのキャストでぜひ再演してほしい…誰も替えないでほしい…私あれ大好きなんです。『アルジャーノンに花束を』の「ぼくわかしこくなりたい」も歌聴くだけでやっぱり泣けますが、こちらはキャストを新たにして再演が決まっていますね。『王家の紋章』にも出ていた矢田くんがチャーリーだそうですが、浦井くんが矢田くんをすごく可愛がってるのがものすごく伝わってきました。矢田くんは浦井くんのこと「浦井さん」って呼ぶんですね! 今まで、結構年下のはずの三浦春馬くんとかでも「健ちゃん」って呼んでるのを聞いていたので、「ああ、浦井くんが先輩扱いされてる!」となんだか微笑ましくなってしまいました(笑)。まあ、年齢的には確かにもう若手ではなく中堅なんでしょうけど、どこにいっても彼は「健ちゃん」な気がしていたので。そっかー、「浦井さん」なんだー…。
あと、デュエット曲のコーナーで、「デュエット曲を並べようと思って過去作品を振り返ったけど、僕、今まで『アホな役』とか『苦悩する役』とか…『友達を支える役』とかが多かったから、意外とデュエット曲少なかった!」と言ってたのも面白かったです。

デュエットやダンスで参加されてた方々と浦井くんのやりとりも楽しかったです。AKANE LIVさんは、ミュージカル版『黒執事』のDVDのマダム・レッド役で観たことのある方でした。AKANEさんのマダムすごかった、原作そのもので! しかも素晴らしく歌が上手い方なんですよね、高音も低音も綺麗に出る。声楽的な歌い方もできる方なんだなあと思ってたら、普段はヘビメタも歌ってるそうで(笑)。すごい方ですね!! 
照井さんは、「クウガメドレー」の熱唱がすごかったです! 「闇が広がる」を、トートとルドルフを交互に入れ替える形で浦井くんと歌ってましたが、StarSの時とは違って2人なので、「お前は誰だ」な人は発生しなかった(笑)。加賀谷真聡くんはダンサーのはずですが、結構歌ってましたねー。ダンスもかなり激しかったので途中ちょっと辛そうでしたが、でもすごかった! 人ってあんなに空中でくるって回れるんだ! 加賀谷くんは、『王家の紋章』の裏話も色々披露してくれました。特にウナスがらみ(笑)。

浦井くんご本人も「今後もコンスタントにコンサートをやっていきたい」と仰ってたので、この先もこんな感じのコンサートがあると信じてます! 本当に幸せな時間を過ごせました。ああ、この人のファンで良かったな。あのとき『薔薇とサムライ』を観に行って本当に良かった。これからもずっと応援してます!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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