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へどうぃぐー。

2012 - 09/09 [Sun] - 17:16

といっても、ハリー・ポッターに出てくる白フクロウではありません。

舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を観てきました。
もともとはオフ・ブロードウェイのミュージカルで、映画にもなってるやつです。映画が公開になったときにブランチの特集で見て「面白そうだな」と思いつつも結局見ず、舞台もやってるなあと思いつつ行かず、今回初めて観に行きました。なぜって、今回の主演が森山未來くんだというから。日本版ヘドウィグは、これまで三上博史さん、山本耕史さんが演じてきたそうで、それはそれですごい俳優さんばかりなのですが、未來くんのヘドウィグはすごく観たい。ものすごく観たい。
というわけで、感想です。例によってネタバレいたします。あと、まあ、原発ネタやら下ネタやらもあるので、その辺が大丈夫な方のみお読みいただければとー。

今回、舞台設定がオリジナルと大きく変わっているのだそうです。今の日本を意識したのだそうで、もとは東ドイツで生まれたことになっているヘドウィグが、3.11の原発事故により立ち入り禁止区域になった場所で生まれたことになっています。ベルリンの壁は立ち入り禁止区域の壁に設定変更となり、このお話の中では壁の中は世界中の犯罪者が集まってきたスラムとなっているようで。(ちょっとこの辺の設定はどうかなあと思いつつ…最初にバンドメンバーが登場してくるときも、防護服にマスク姿だったりしますし)
友達もなくさびしく過ごしていた少年ヘドウィグは、ある日壊れかけのラジオを拾います。そこから聞こえてくる音楽に魅せられたヘドウィグに、父親は「それはロックミュージックだよ」と教えてくれる。父親と一緒に楽しくロックを聴くヘドウィグ。しかし父親はヘドウィグに性的ないたずらをするようになり(「ロックと変態、それがあたしのトラウマでアイデンティティ」とヘドウィグは言います)、やがてそれが母親にばれて、父親は出ていきます。その後、ヘドウィグは、教会のルーサー神父と恋仲になり、彼の妻として一緒に壁の外に出るため、性転換手術を受けることに。が、何しろ麻酔もなしのやぶ医者なので、手術は失敗。ヘドウィグの股間には「怒りの1インチ」が残されてしまうのです。それでもルーサー神父と共に壁の外に出たヘドウィグ。愛と自由の日々があるかと思いきや、神父はほかの男を作ってあっさりヘドウィグを捨ててしまう。神父は、ヘドウィグが心の底から求め続けてきた己の半身ではなかったのです。傷ついたヘドウィグは、それでもどこかにいるはずの己の半身を求め、ついにそれに出会います。彼の名はトミー・ノーシス。けれどトミーは、ヘドウィグの手術痕に気付くと、ヘドウィグから離れていってしまう。その上、ヘドウィグの音楽まで奪い、自分の曲として発表して、大ヒットを飛ばすのです…。

森山未來くん。生で観るのは、新感線の『髑髏城の七人』に続き2回目。あとは、新感線の過去作品のDVDを2作品観てます。この人は、なんというか、ものすごい俳優さんだと思います。ああこれが才能ってやつなんだなと。『髑髏城~』のときは、主要なキャストに小栗旬、早乙女太一、森山未來と素晴らしいメンツをそろえていたんですが、そのときもしみじみ思いました。小栗旬くんは、やっぱり背が高いし華があるので、出てくるとすごくかっこいいんです。でも、殺陣のシーンになるとどうしても早乙女太一くんの美しさに目が行く。そして、演技力では森山未來くんがダントツ。オーラが半端ない。
今回も、未來くんはすさまじかったです。初登場シーンは、舞台奥の高み。金髪ロングで盛りまくりのかつらと長いつけまつげ、ド派手な衣装にまずは目を奪われ、直後に彼がくいっと顎を上げた瞬間、心を奪われました。本当に、その顎の「くいっ」だけで。惚れた。頭の中がヘドウィグ一色になりました。
今回の舞台は、ミュージカルというよりはライブ形式。ヘドウィグのライブに行き、MCでヘドウィグの半生を聴かされたという感じ。残念ながら私はスタンディング席じゃなく椅子席だったんですが、スタンディングだったらもっと楽しかっただろうなあ。何度もダイブしてたしなあ。
未來くんのドラッグクイーン姿は、かなりはまってました。超ミニのワンピ(で、パンツは蛍光黄緑…がばっと大股開きで何度も見せてくれましたよー)で、滅茶苦茶高いヒール履いて。で、語りも面白い。劇場が道玄坂にあったのでラブホネタのトークから始まり、「~なのよ、ヤバクナイ!?」とオネエ言葉連発。バンドメンバーの紹介も面白かったです。毎回未來くんがお題を出して、バンドメンバーがそれぞれの楽器で即興音楽で答えていき、それでセッションするそうなんですが、私が観た回のお題は「目覚めると、立てたベッドに直立状態で両手両足を縛られていた。そして目の前には、裸にネクタイに赤フンの小沢〇郎が!そしてそのまま一時間ほど愛撫される」というものでした(笑)。ちゃちゃっ!というギターが面白かったです。「七三が迫ってくる! たるんだ七三が迫ってくる! …そうね、そうなったらもう頭の後ろの方に逃げるしかないわよね」というキーボードも。
それにしても未來くんは歌が上手い。あれなら、普通にロックミュージシャンとして食べていけます。ぜひ今回の舞台版のCDが欲しいです。がんがんにハードに歌い上げるナンバーから切ないバラードまで、素晴らしい歌声。あと、身体能力が本当に高い人なんだなと。階段の結構高い位置からぽーんと飛んだりする。二の腕の筋肉がすごくて惚れ惚れしちゃいましたよ。

かなり笑って観てたんですが、お話の内容的には相当重いものなんですよね…。その重さをギャグに変えてしまえるのがヘドウィグのオネエキャラなんですが。
いいことなんてほとんどなさそうな人生を、それでもユーモラスに語るヘドウィグは、愛を求め、自由を求め、半身を求めては裏切られ、ぼろぼろになっていく。「これだけ神に焼かれたのに、灰にもなりきれない。…中途半端な神様よねえ!」というヘドウィグの台詞は、胸をえぐるようでした。
ラスト、ヘドウィグを捨てて彼女の音楽でスターになったトミーのライブシーンが舞台の背景に映し出されます。トミーは言います。「僕の人生に、ずっと寄り添ってくれてた人が、一人だけいました」と。それを聞いたヘドウィグは、思わずトミーの方に駆け寄り、手を差し伸べる。そしてトミーは、こう続ける。「それは…僕自身でした」と。それを聞いた途端、ヘドウィグは泣き崩れる。そして、激しい音楽の中、衣装をひきむしるように脱ぎ捨て、かつらも捨て、裸の体に血のように塗料を塗ったくり、狂乱状態で舞台から姿を消してしまいます。その後、再び舞台に戻ってきたときには、ヘドウィグではなくトミーの姿になっている。ここ、すごく解釈が難しくて、どう捉えればいいのかまだわからないんですが。トミーの台詞は、ヘドウィグを「自分の半身」と認めたがゆえのものだったのか、それともヘドウィグの存在を全否定したものだったのか。ともかくヘドウィグはいなくなり、トミーだけが舞台に残る。これ、映画版だとどういう形になってるんでしょうねえ…気になるので、今度観てみようかと思います。

そして、帰ってきてからついつい『百万回生きたねこ』のチケットをポチってしまった私…観に行かないって決めてたのに! あの絵本、あまりに大好きすぎて、舞台でイメージ壊されたくないって思ってたのに!! 森山未來という才能にもう一回触れたくて、つい…うう。ミュージカルになった百万回生きたねこってどんななんだろう。想像もつかないけど、でもまあ、未來くんならきっとすごいはず…楽しみにしておきます。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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