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ヘンリー四世とかパタリロとか。

2016 - 12/19 [Mon] - 01:13

またちょっとばたばたしてたんですが、一段落ついた気がするので、最近観た舞台の感想をまとめて。

新国立劇場にて上演の『ヘンリー四世』、第一部・第二部共に観ました! 第一部の座席が、端の方とはいえ最前列で死ぬかと思いました!! 何だろうこの幸運…こんなところで運を使ってしまっていいのだろうか、年末ジャンボ宝くじで10億あてるために運は取っておいた方が良いのではないだろうか、いやでも最前列とはいえセンターじゃないから大丈夫だろう、などと一緒に観に行った友人と話していたのですが、ところがこのお芝居、客席降りが頻繁だったー!! しかも、フォールスタッフが客席通路で居眠りした場所が、私の席の斜めすぐ後ろ!! それをかまいにハル王子がやってきてしまったものだから、超至近距離で浦井健治くん演じるハル王子を観てしまった…心なしかいい匂いがした気がしましたよ(笑)。その後も、私のすぐ目の前でハル王子がこちらに背を向けて座ったりするものだから、ずれたウエストラインから覗くお肌とパンツまでガン見(笑)。うん、駄目だこれ、だいぶ運を使った気がする(笑)。芝居始まってすぐは、ハル王子がフォールスタッフの陰になって全然見えなかったりして「フォールスタッフ! 今すぐ痩せろ、そしてその出っ腹を引込めろ!!」と心の中で念じていたくらいなのに…。
『ヘンリー四世』はシェークスピア作品の中でもかなり有名なものですが、実は観るのは今回が初めてでした。いや、だって、シェークスピア苦手なんですもの…。とはいえ、思いのほか面白く。特に第一部はかなり笑った覚えがあります。フォールスタッフのいい加減さと嘘つきぶり(だけど、すごく愛すべきキャラ)とか、そんなフォールスタッフやその仲間のチンピラ達と楽しそうに遊びまわるハル王子の様子とか。あと、ひと言も言葉は通じてないモーティマー夫妻のやりとりとか、大好き(笑)。「俺にはひと言もお前の言ってることがわからない…!」(←奥さんがウェールズ語しか喋れないんです)と言いつつ、すごくラブラブなモーティマー夫妻。ヘンリー四世を演じる中嶋しゅうさんは、出てくると途端に舞台が締まりますね! でも、ヘンリー四世が死ぬ間際に、ハル王子が父親がもう息を引き取ったと思い込んで切々と想いを語るシーンでは、しゅうさんが適度に首を振ったり動いたりしてくれるので、「ハル、ハル王子、あのね、あなたのパパ生きてるからまだ!」と心の中で全力で突っ込んでました私(笑)。ええと、あのシーンは、笑っても良いところだったんですか…? 浦井くんの熱演が素晴らしかったので必死に我慢したんですが。
浦井くんは、フォールスタッフと一緒に放蕩三昧の頃は馬鹿王子の雰囲気満々な不良青年なんですが、第二部で戴冠した後の変わりようがすごかったですね。髪ぼっさぼさでいかにもチンピラなお衣裳から王様の真っ白な服に着替えた途端、何もかもがシュッとして美形度が五割増アップ! 姿勢と表情と話し方の変化で、ここまで別人のようになるんだなあ…私が浦井健治という役者さんを好きな理由の一つが、演じる役によって全くの別人になるところなんですが、今回は一つの作品の中でそれが観られました。やっぱりすごかったです。でも、第二部ってハル王子の出番が思いのほか少ない気が…。
佐藤B作さんのフォールスタッフはとにかくよく喋る!! ワイン樽のように太って見せるためのお衣裳はたぶんものすごく暑かったんじゃないかと思いますが、ひょいひょいフットワーク軽く動き回ってましたね。フォールスタッフの洒落は、一部はB作さんのアドリブもあったのでしょうか? 二部の徴兵シーンで、たぶん「後妻業の女」に引っかけようとして上手くいかず、台詞を引込めてたところがあったような。あふれ出るようなフォールスタッフの台詞は聞いているだけで楽しく、このフォールスタッフというキャラクターがシェークスピア作品の中でもとりわけ愛されているというのがよくわかりました。話はよく知らなくてもこのキャラだけは前から知ってましたしね。

そして、紀伊国屋ホールにて上演の舞台『パタリロ!』も観てきました(笑)。
『パタリロ!』は子供の頃から好きで、漫画も飛び飛びでしたが結構持ってました。アニメも見てましたね、オープニングの歌は今でも漠然と覚えてます。プラズマXとかプララとかランダムとか、ロボットの話がすごく好きだったなあ…たまに入る泣ける系の話も好きでした。ノースダコタという土地の名前は、この漫画で初めて知りましたね(笑)。小学生の頃から読んでたので、いわゆるBLなシーンについては、たぶん最初の頃はよくわかってなかった気がします。
で、この作品が舞台化するという話を聞いたとき、最初に思ったのはやっぱり「いや、無理だから」でした。だってパタリロどうするのよ。子役にやらせるにはちょっとネタがどぎついし、無理でしょうこれは…と思ってたんですが、パタリロ役のキャストが加藤諒だと知ったときに、なんか全てを許せる気がしました(笑)。ああうん、その人テレビで見たことある、その人ならいける気がする! で、脚本が池田鉄洋さんだというので、ああ池田さんならいい感じに料理してくれるんじゃないかなと。こうなってくるとかなり興味がわいてきてしまいまして、駄目元でチケット申し込んでみたら運よく取れまして。観に行っちゃいましたよ舞台『パタリロ!』 2.5次元舞台としましては、『デスノート』『黒執事』に続いて3作目。たぶん、これが一番今流行の2.5次元舞台の雰囲気に近い感じなんじゃないかなという気がしました。原作漫画を愛するお客さん、そしておそらく2.5次元舞台を愛するお客さん達に若干甘えすぎてる感もありましたが、たくさん笑ったし、原作のイメージを壊されることなく素直に楽しめました。ストーリーも、原作冒頭のパタリロとバンコラン・マライヒとの出会いのお話にタマネギ21号の裏切り話やらタイムワープネタやらをからめて、さりげなく埼玉ネタもぶっこんで、さらにスーパー間者猫先生とかシバイタロカ博士とか原作ファンにはとっても懐かしい名称がんがん出しつつ上手くまとめてあって。
加藤諒くんのパタリロ殿下は、やっぱりありですね!(笑) うん、このキャスティングは正しい! へちゃむくれの地球外生物なつぶれあんまん。いや、リアルに存在してる人に向かってそこまで言っていいのかどうかはわかりませんが、今の日本でパタリロできるのは彼しかいない! ゴキブリ走法もしてくれてましたねー。あと、シバイタロカ博士の変装解いたときにうっかり脱ぎすぎちゃうのも、全裸とまではいきませんでしたがそれなりに頑張って再現してくれてました。
タマネギ部隊は、原作のあの口をどーするんだろうと思ってたら、ぱかーんと常に開けておくことでなんとか再現してましたね(笑)。ポスター段階では髪の毛でタマネギヘアーにしてましたが、舞台ではヘルメット的なカツラでタマネギ頭を再現。これ絶対、タマネギ達がメーキャップ落として寛ぐシーンを入れてあるせいですよね(笑)。21号ネタは原作でも大好きだったので、入ってて嬉しかったです。あと、タマネギ部隊結成秘話で影だけ出てきたエトランジュ様のお声が、鈴木砂羽さんでびっくりしました!
マライヒは、出てきたときは声の低さにちょっとびっくりしたんですが、宝塚的メイクが上手いことはまってて、ちゃんとマライヒに見えましたね。キラキラな効果音付きでくるるんと回る様が可愛らしかったです。原作の「駄目、石畳は冷たい」「温めてやろう」のシーンがあって、わあ懐かしいと心の中で叫びましたよ(笑)。
とはいえ、やっぱりこの舞台は、バンコランの一人勝ちというか…ビジュアル再現度が完璧だったというのもありますし、芝居もこの方が一番上手かったような。何より、バンコランの眼力の再現の仕方が(笑)! レーザー的なものを発する何らかの機器を目の前に掲げて再現してましたよ!! 超美形な男性が黒髪ロングのかつら着けて目からビームを発する様に、客席全員腹筋が崩壊してました(笑)。バンコランの過去話(なぜ彼がそっち方面の嗜好に目覚めちゃったのか)のシーンもあったんですが、大人になってからのバンコランと美少年時代のバンコランできちんと演じ分けされてて、素晴らしかったです。
あと、何度も出てくる月影先生(の立て看板)…基本、池田さんが「恐ろしい子…!」と言うだけなんですが、大変笑わせていただきました。池田さん大好きです。
パタリロ舞台は次回作も決まってるそうで、2018年にたぶん「スターダスト計画」をやるんだとか。ということは、私の大好きなプラズマXも出るということでしょうか。チケット取れる気が全くしませんが、できれば観てみたいです。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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