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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ!!

2016 - 09/22 [Thu] - 00:53

お薬がよく効いてるのか、猫は元気になりました。もりもりとご飯を食べ、もりもりとう○ちをしてくれます(笑)。毛艶もだいぶよくなって、着々と太ってきてるみたいなので、ちょっと安心。週末にもう一度血液検査して、良好なようなら今のお薬を続けることになりそうです。
それはともかく、ミュージカル「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」を観てきました。紀伊國屋サザンシアターにて。もともとは韓国のオリジナルミュージカルで、今回がその日本初演だそうです。二人芝居のミュージカルで、プロジェクションマッピングを目一杯使ってゴッホの絵の世界をそのまま舞台上に広げる手法は斬新で素晴らしくて、なんかもう「うわああいいもん観たあああ!」と観終わった後に大声で叫びたくなるくらいの出来。いやこれ、本当にすごく良かった! ラストなんてもうべしょべしょに泣いてましたよ私! 再演してほしいなー、でなけりゃせめてCD欲しいなー。楽曲もすごくいいんですよ。劇場出てからもずっと、頭の中で「愛するテオヘ~From Vincent Van Gogh」のサビのフレーズが回ってました。ていうかDVD欲しいなー…役者さんもすごく良いんですよ。
ちなみにこの芝居、二人芝居ですが全てトリプルキャストになってまして、私が観た回は、ヴィンセント:橋本さとしさん、テオ:岸祐二さんの回でした。MonSTARコンビでどーしても観たかったんですよ!
というわけで、感想です。ネタバレしますよー!

1891年のユトレヒトから、舞台は始まります。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが画家として評価されるのはまだ先のこと、けれどヴィンセントの弟テオは、麻痺性の痴呆で死を目前にしながらも、美術館の館長の了承を得て兄の回顧展を行おうとしていました。ヴィンセントとテオとの間で交わされた手紙は700通以上、テオは回顧展の準備をしながら、その手紙を読み返します。ヴィンセントは自ら命を絶って死んでしまったけれど、でも、彼が残した手紙にも絵にもまだ彼は生きている。テオの記憶と命が消えてしまうその前に、世の人々に伝えなければ。美術館での回顧展が取り止めになってしまったなら、テオ自身のアパートでやればいい。ヴィンセントがどのように生きたか、彼が何を見て何を描いたかを、余すことなく伝えよう……――。

プロジェクションマッピングは近頃舞台でよく使われるようになってきましたが、今回は本当にこれでもかこれでもかと使ってきましたねー。まるでゴッホが描いた絵の中にそのまま入っていくかのような冒頭の使い方、すごく良かった…ちょっと眩暈しましたけど(笑)。肖像画が手を振ったり微笑みかけたりするのも、どきっとするけど微笑ましい演出で。キャンバスの中で絵がざあっと砂に変わって消えていく様とかも、はっとしました。この芝居において、絵も主役の一人なんですね。
ていうかもう今回は、さとしさんが!! 橋本さとしさん演じるゴッホが、愛しすぎてですね!! もともと大好きな役者さんなんですけど、なんか今回は本当にもう…どうすればいいのというくらい愛しすぎて。冒頭、テオが美術館の館長に回顧展の説明をしている途中で、ゴッホが奥の扉を開けて姿を現した途端、涙出た! 私この芝居観るの初めてなのに! 私どれだけさとしさんのこと好きなんだろう!(笑) 「アルジャーノンに花束を」の浦井健治くん以来だなあ、役者さんが出てきただけで涙出たのって。またこの、兄のことを語るテオの声がすごく誠実で思いやりと愛に満ちてて、そのせいで余計泣ける泣ける。MonSTARコンビすごすぎる。いっそアントン先生役でカズさん出せばMonSTAR三人でできて良かったんじゃないかな!(笑)。

学歴もなく、何をやっても上手くいかず、伝道師になったりもしたけど教会と揉めて結局やめる羽目になったヴィンセントは、それでも人々に光を伝えるために、絵描きになることを決心する。とはいえ絵はとんと売れず、ろくに稼ぎのない彼は弟からの仕送りでなんとか生活を続けていく。この兄弟の関係って、一体何なんでしょうね。テオだけは兄の絵が素晴らしいことを知っていて、だから兄と共に夢を見続けたのかもしれない。でもテオにだって自分の生活はあったわけだし、そのうち兄貴はどんどん気がおかしくなっていくし、やっぱり絵は売れないままだし…なのに、決してテオはヴィンセントを見捨てない。彼の望むままに、できる限りのことをしようとする。そして、ヴィンセントを失った瞬間に彼自身も生きる力を失ったかのように、半年後にはテオも死んでしまう。ある意味共依存の関係だったんだろうし、でもそんな言葉で片付けてはいけないくらいのものすごい何かが2人の間にはあったような気がします。そう思わせるくらいに、舞台上のテオとヴィンセントは深く結びついてるように見えたんですよ。楽しげに二人で絵のことを語るシーンも、お父さんの葬式で子供みたいに泣くヴィンセントを支えるテオの姿も、全てを悟ったように晴れやかな顔で死に向かうヴィンセントが最後にテオに語りかける声も、何もかもが本当に素晴らしかった!!

今回、ヴィンセントがおかしくなってしまってからのさとしさんの演技が、とにかくすごかったんですよ。椅子をひたすら壁際に片づけるときの仕草とか、目つきとか、やばかった…宇宙の蝶を捕まえようとするシーンも完全にイッっちゃってる人の顔してたし、ゴーギャンにナイフを向けた後、錯乱して自分の耳を切り落とすところも、見ててとにかく怖くて怖くて…耳切り落とすっていったって、そうそうすぱーんとはいかないわけで。最初ものすごく痛そうな顔でちょっと切って、その後に本格的に切り落としにかかるときのさとしさんの瞳が真っ黒すぎて、見てるのが怖いのに目を離せなかったです。上手いなあ、本当に。歌声もやっぱり大好きです、聴いてると涙が出る。私幸せだなあ、このお芝居観られて。
ゴッホの人生なわけだから、ラストに近づくにつれて「ああそろそろ自殺しちゃうんだな」ってわかるわけですよ。でも、麦畑の絵を描きながら「完璧だ!」と笑うさとしさんの笑顔があまりに晴れやかで、歌声も幸せそうで、もう死んじゃうんだってわかってるから観てると泣けてくるのにちょっとこっちもつられて幸せな気分になりかけて。なのに、拳銃を取り出した瞬間のヴィンセントの瞳はどこまでも静かで決然としてて、どきっとしました。彼が舞台奥へと歩き出すと、壁が開いて、これまでずっと映像しか使ってなかった風景に、本物の(いや勿論作り物ですけど、映像じゃなくて本当にそこにあるものという意味で)麦畑が現れて。ヴィンセントがその中に消えてしまうと壁が閉じて、銃声だけががーんと長く響く。その瞬間、「うわあああんさとしさーん!!」と号泣したい気分でしたよもう!! ヴィンセントなんだけどさとしさんなんですよ、役と役者さんが頭の中で完全に一体化しちゃってどっちの人のために泣けばいいのかわからなくなるくらいだったんですよー!

それにしても二人芝居のミュージカルって、いいですね。「ダディ・ロング・レッグズ」のときも思いましたけど、何がいいって、大好きな役者さんの歌声をひたすら聴いてられるんですよ! さとしさんの声も岸さんの声も大好きなので、丸々二時間が至福の時でした。まあでも役者さんは大変ですよね、二時間休憩なしでほぼ出ずっぱりで歌うわけですから。ヴィンセントは勿論大変な役だし、でもテオはテオでものすごく難しい役で、しかもテオ役はお父さんやら美術学校のアントン先生やらゴーギャンやらと複数の役までこなさなきゃいけない。そもそもテオは、過去の自分自身と、死を目前にした現在とで、すでにかなり役の色が違いますしねえ。岸さん、大変だったろうなあ…でも、色々な岸さんの声が聴けて、それはそれでまた幸せでした。お父さんのときの低くて深い声も素敵だったし、アントン先生のちょっとコミカルな歌も面白かったです。でもやっぱり、ヴィンセントとテオがきゃっきゃと楽しげに話してるシーンが一番好きかなあ、すごくほっとする感じがして。
あ、あと、岸さんといえば、今回、素敵な絵をたくさん描かれてて! 公演プログラムに載ってるゴッホ風のキャストさんの肖像画、岸さんが描いたんだそうです。すごい! 似てるんですよこれがまたすごく。本当に多才な人ですよね。今回の公演プログラムは、歌詞もほとんど載ってるし、ゴッホの画集みたいになってるし、キャストインタビューや対談も充実してて、とってもお得な感じでした。

私が観た回はちょうどトリプルキャスト全員そろってのトークショー付きの回になってまして。終演後は、さとしさんと岸さんに泉見洋平さん、野島直人さん、上山竜治くん、入野自由くんが加わって、とても豪華な対談が行われました。こうやって全キャスト並ばれると、他の組み合わせも観たくなりますねー。岸さんの司会で和やかにトークショーは進みまして、「今回の舞台は八百屋舞台になってるから、うっかり舞台奥に足を向けて床に座ると立てない」とか、「おじさん(さとしさんと岸さん)はプログラムの対談のときとかも基本隔離されてたから、こうして並ぶのは初めて」とか、「普段は複数キャストのときは他の人の芝居を観ないようにするけど、今回はとにかく常に芝居の世界に入ってないと不安なくらい大変な舞台だから、休みの日にも稽古場に行ってた」とか、そんな話をしてましたね。さとしさんがオフの日に稽古場に行ったときの服装がアロハにサングラスに短パンでヤクザ屋さんにしか見えなくて、そのとき稽古してた入野くんが「あれっ、あの人勝手に入ってきちゃったけど、何で誰も注意しないんだろう…」と思ったとか(笑)。
舞台上でやらかしちゃった失敗の話もちらとありました。私が観た回では、岸さんが、小道具? 衣装のネクタイ? か何かを、うっかり椅子の上に置きっぱなしにしてしまったそうです(笑)。さとしさんがその椅子に座ろうとして気が付き、「これは何かの罠だろうか…」と思いつつ、そっと絵具箱の中に移動させておいたようです。あと、大爆笑だったのが、お稽古中の野島さんのお話。小道具のナイフが箱の中に入っていなかったときが何度かあったそうで、一度目は絵筆をナイフを持っている風にゴーギャンに突きつけてごまかしたとか。で、二度目はついに絵筆ですらなく、ペットボトルをナイフ代わりにしたそうで! しかもそのナイフは最終的にはヴィンセントが己の耳を切り落とすのに使うもんだから、野島さんはペットボトルで耳を切ったと(笑)。そのときテオだった入野くんは、もう必死に笑いをこらえながら、「ば、馬鹿なことはやめろー!」という台詞を言ったらしいです(笑)。
あとは、泉見さんの汗の話! 汗っかきで有名な泉見さんですが、今回も衣装のズボンが汗でずぶぬれになってツートンカラーの服みたいになってたそうで。汗かきすぎて脱水症状になったりもするようです。でもヴィンセントは割と出ずっぱりなので水分補給する暇があまりなく、カーテンコールの歌の前にちょっと舞台裏に引っ込むところがあるから、そこで一気にスポーツドリンク二本をものすごい勢いであけるそうです。「あの一気飲みはすごい」とスタッフさんの間でも話題になってると、さとしさんが言ってました(笑)。さとしさんや野島さんは、ウエスト周りに汗をかくみたいですね。

本当にこのお芝居、都合さえつけば何回でも観たかった! 大好きだなあ、再演しないかなあ。再演したら、またさとしさんと岸さんで観たい…でも、他の組み合わせも観てみたい…うん、次こそ全組み合わせコンプリートする! だからどうか再演よろしくお願いします!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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