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1789!

2016 - 05/14 [Sat] - 01:54

帝国劇場で上演中の「1789 バスティーユの恋人たち」を観てきました。フレンチ・ロック・ミュージカルです。楽曲がすごく良かった! それにダンスがすごい! ドラマティックでアクロバティック! そしてなんてゴージャスな衣装! 幸せでしたー。CD欲しいなあ、もしくはDVD! 東宝さんはもっと自分のところのミュージカルを積極的に映像ソフトにして売るべきだと思うんですけど駄目なんですかー!? 
主役のロナン役が小池徹平くんと加藤和樹くんのWキャストだったので、どうしても両方観たくて2回観てきました。自分の予定とロナンキャストで都合つけたら、他Wキャストが全て同じになってしまいまして、2回ともオランプは神田沙也加ちゃん、マリー・アントワネットは花總まりさんでした。
というわけで感想です。ネタバレしますよー。

フランス革命直前の1788年。干ばつが続いたために税金を払えず、農地を取り上げられた上に父親まで殺されたロナンは、パリに出てきました。そこで出会ったのは代議士のロベスピエール、革命家でジャーナリストのデムーラン、そして弁護士のダントン。全ての人民は自由であり平等であるとの思想を持つ彼らと意気投合したロナンは、印刷所での職も得て、彼らの活動を手伝うようになります。
一方その頃、王宮では、王妃マリー・アントワネットが贅沢の限りを尽くしていました。豪華なドレスに舞踏会に賭博、けれどどれだけお金を湯水のように使ったところで、彼女の心は満たされません。なぜなら彼女には愛する人がいました。スウェーデン貴族のフェルゼンです。アントワネットは、王太子の養育係であるオランプの手引きでフェルゼンとパレ・ロワイアルで密会を果たしますが、そこに偶然居合わせてしまったのがロナンでした。アントワネットをつけてきていた秘密警察のラマールに見つかってしまい、騒ぎが大きくなるのを恐れたオランプはとっさに嘘をつき、そのせいでロナンはバスティーユに投獄されてしまいます。バスティーユでロナンを拷問したのは、かつてロナンの父を殺したペイロール伯爵。ペイロール伯はロナンに言います。「平等だなどと口では言っていても、所詮農民のお前とプチ・ブルジョワの奴らとは違うのだ」と。――オランプに助けられてバスティーユから逃げ出したロナンの胸に、その言葉は重くのしかかったままでした。ロベスピエールやデムーランが暖炉に当たりながら夜食を食べつつ勉強していた頃、ロナン達は飢えていたし凍えていたのです。自分も革命に参加するべきなのか悩むロナン。革命の気運が高まる中、ロナンは、オランプは、そしてアントワネットは、自分の進むべき道をやがて選択していくことになるのでした……――。

Wキャストって、本当に面白いですね。ロナン役の小池徹平くんと加藤和樹くんは、役者さんとしては真逆に近いと思うんです。小柄で少年っぽさの強い徹平ロナンと、長身の青年な和樹ロナン。演技もこれまた全然違いまして、徹平ロナンの方が顔は可愛らしいのにどこか尖った感じがあって。和樹ロナンはかっこいいのに朴訥で色々不器用そう(笑)。2人を比べると、徹平ロナンはどっちかというとアニメキャラみたいなんですよね。長身ぞろいの革命家メンバーの中で一人小柄で、とてつもない可愛らしさが本当に少年主人公っぽくて、その勢いで革命に向かっていく感じ。同じくアニメキャラっぽい沙也加ちゃんのオランプとはとても並びがいいんですが、実は私、徹平ロナンがなぜオランプを好きになったのかがよくわからなかったんですよ…そもそもロナンとオランプって一目惚れでもないですしね。オランプのせいで投獄されてひどい目に遭って、まあ助けに来てくれたとはいえ、なぜこの2人が恋に落ちるのかがよくわからず…オランプが転んだりしたときに何度か物理的に距離が近くなって、「あっ」みたいな瞬間はありましたが、それでもねえ…「俺のこと心配してくれてるのか?」と言うときの徹平ロナンの言い方も、尖った感じがあったからか、「何でお前が?」的ニュアンスに聴こえちゃいまして。それに比べて和樹ロナンのときは、2人が恋に落ちた瞬間がわかりやすかった気がします。「俺のこと心配してくれるのか?」の台詞の言い方が、徹平ロナンよりはるかに素直でどぎまぎした感じがあったんですよ!! というか加藤和樹くんはいつ観てもなぜか恋愛に不器用そうな男ばかり演じてる気が! 「ロミオ&ジュリエット」といい、「ボンベイ・ドリームス」といい、「レディ・ベス」といい、なんかいつも「あんたそんなにかっこいいのに、何でそんなに恋愛苦手そうなのよ!」と突っ込みたくなる不器用ぶり(笑)。うん、大好きです(笑)。そのせいもあってか、徹平ロナンのアニメキャラ的な感じは和樹ロナンにはなく、生身の男性という感じがしましたね。とはいえ、革命に参加すべきかどうか悩む様や、貴族の横暴の前についに平民たちが一つになるダンスシーンなど、どちらもロナンもとても素敵でした。

オランプ役の神田沙也加ちゃんは、やっぱり可愛かったなあ! しかも面白い(笑)。ロナンに襲われたと嘘をつくシーンで、ラマールの前で気絶しかかるふりをするときの、「きゃーっ…彼ハ嘘ヲツイテイル…」がすごく面白かったです! そしてやっぱり歌が上手い! 愛らしくて、気が強くて、王妃様への忠誠心はとても強いけれど間違ったことをするのは嫌で、行動力もあって、これぞ正しいヒロイン!! 素晴らしかったです。
花總まりさんのアントワネットは、もう「さすが!」という言葉しか出ませんね! 美しいし可愛い! 王妃様というよりお姫様。花總さんを観る度思うんですが、ええとこの方お幾つでしたっけ…いつ観ても本当に美しく可愛らしい。初登場シーンの大輪のお花みたいなお衣裳がすごかったですねー。どのドレスもゴージャスでした。スカートがものすごいふくらみようなので、歩くときには花總さんが「さ、歩くわよ!」とちょっと気合を入れているように見えたくらい(笑)。アントワネットとフェルゼンの悲恋もすごく良かったんですが、革命直前にフェルゼンがアントワネットを迎えに来たときに、それをすぐ近くで聞いてたルイ16世がなにげに胸にきましたよ…錠前ばっか作ってるお馬鹿な王様かと思いきや、フェルゼンを帰したアントワネットに向かって「いいのか? 一番会いたかった人だろうに」なんてしんみりした口調で! 何だよ王様美味しい役だな!!
もう1人すごく目をひいたのが、ソニンちゃん演じるロナンの妹、ソレーヌ。ソニンちゃんは本当に歌が上手いですね! 力強く情感あふれる歌声!! そしてソレーヌの劇中での変わりっぷりにも目を瞠るものが(笑)。冒頭ではいかにも素朴な農村の娘さんという感じだったのに、パリに出てきて娼婦になったらそりゃもう色気ムンムンで! そりゃあお兄ちゃんもびっくりするよ! ソニンちゃんのお胸はいつ見ても素晴らしい…拝みたくなりますよ。で、カフェでのお仕事始めたら慎ましやかな町娘スタイルに変身して、でも女達がパンを屋を襲いに行くシーンでは棒切れを手に勇ましく先頭切っていくという…このパン屋騒動のシーン、斧持ってる女性が何人もいて怖かったですよ(笑)。パン屋さんに罪はないんだ、小麦ないから作れないだけなんだよー!
あと、ラマールが! 坂本健児さん演じるラマールがすごく好き!(笑) あんなに素晴らしい声なのに、あんなに歌上手いのに、彼が出てくると急に帝劇が新感線の舞台みたいな雰囲気に変わるってどういうことですか!(笑) 1回目観たときにラマールが大好きになったので、2回めに観に行ったときにはラマールに大注目していたのですが、おかげでラマールがオランプに恋する瞬間を目撃することができました(笑)。舞台上に進み出てきたオランプを見てぽーっとするラマール…しかし悲しいかな、そのとき彼はばっちりお化粧してテントウムシちゃんの格好していたという…(笑)。いや、ラマールいい人じゃないですか。身を呈してオランプをかばって代わりに媚薬飲んじゃったりするんですよ、なんだかんだでいつもオランプを守ろうとしてましたよ彼! オランプ、もうちょっとでいいからラマールさんに優しくしてあげてと、何度か心の中で語りかけました私(笑)。

しかし今回、誰より私の目と心を奪ったのは、実は古川雄大くん演じるロベスピエール…美しかったー! ロングの金髪も、茶と青のバイカラーのお衣裳(コートとベストが揃いで、しかもコートの裏地が地図で滅茶苦茶お洒落! あの服欲しい!)も、素晴らしくよく似合ってましたね! 舞台上にロベスピエールが出てる間は、私の目は常に彼を自動追尾してましたよ。もう少し声量がつくといいなあと思わなくもないですが、彼の声が好きです。ダンスも綺麗ですね、長身で手足が長くて、動きがすっとしてる。もう見てるだけで惚れ惚れしちゃう美形ぶり。「ファースト・デート」のオカマちゃんと同一人物とは思えない!(いや、レジーも大好きでしたよ、可愛くて面白くて) 岡幸二郎さん演じるペイロール伯がロベスピエールを蹴ったり踏んだりしたとき、「顔は、顔はやめて岡さま!!」と心の中で叫んでいたのは私です。うん、やっぱりこの美しいロベスピエールを映像に残そうよ東宝さん!! 
で、ある種お人形めいた美しさのロベスピエールをガン見しつつ、ふっと視線を脇に移すと上原理生くん演じるダントンがいまして、これまた実に対照的な野性味あふれる男の色気がムンムンで、ちょっとくらっとなるという(笑)。何だろう、太腿がむちっとしてるからか、上原くんてば滅茶苦茶生々しい色気が…しかも、ダントンはソニンちゃん演じるソレーヌの恋人なわけで。なんてセクシーなカップル! 上原くんも本当に歌が上手いですよねえ。力強い歌声が大好きです。
革命家三人は、全員長身でとてもかっこよかったですね。人形めいた美形のロベスピエール、野性味あふれるダントン、正統派のハンサムな渡辺大輔くん演じるデムーラン。目の保養でした(笑)。
目の保養といえば、フェルゼン役の広瀬友祐くんもハンサムですよね! 前回の「エリザベート」のときに初めて彼を観たんですが、一緒に観に行った友人と一緒に「革命家の中にとんでもない美形がいる!」と盛り上がった覚えがあります。うん、美形は良い(笑)。見てるだけで幸せになれます。

楽曲は本当にどれも良かったですが、特に「サ・イラ・モナムール」が情熱的ですごく盛り上がりました! CD欲しいー! フランス語わからないからフランス版CD買うのは諦めたんですが、やっぱり買おうかなあ…友達に教えてもらってフランス版のこの歌のPVを見たんですが、もうとにかくかっこよくて。ロミジュリといい、ノートルダムといい、フレンチロックミュージカルは楽曲がいいですね。耳残りがよくて気持ちが盛り上がる。ソレーヌがパン屋を襲うときに歌う「世界をわが手に」も大好きです。
あとダンス! 本当にアクロバティック! 人間って空中であんなに回れるんですね! びっくりした! 帝劇アンサンブルはいつ観ても素晴らしくレベルが高いですね。

吉野圭吾さんのアルトワ伯もすごくはまってたし(この方の衣装もすごかった! 催眠術シーンはギャグかと思ったら本当に催眠術使える人という…芸達者な王族だなあ)、岡さまのペイロール伯も素晴らしい迫力だったし(岡さまは色んな声が出ますよねえ…高音も綺麗に出るのに、迫力ある低音もすごい…)、またぜひ再演してほしいです。できればこのキャストのままで! 

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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