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十二夜!

2015 - 03/21 [Sat] - 23:35

めっきり春になってきましたね。新しい季節にあわせてというわけではありませんが、先日、スマホを買いました。…いや、ええと、実はずーっとガラケーを使ってたんです。それも、初めて携帯電話というものを持ってから一度も替えずに(まあ、私の場合、携帯持ったのがかなり遅かったんですが)。だって、一度水没させても壊れなかったもので…壊れたら替えようと思ってまして。で、先日ついに2回めの水没をやらかしまして、本体は乾かしたら大丈夫だったんですが、電池の減りがかなり早くなってしまいまして。そろそろ頃合いなのかなと。スマホの操作にもだいぶ慣れてきましたよ! とりあえず今日はストーカーのようにうちの猫の寝姿を盗撮してみましたよ! 若干迷惑がられましたよ!!

それはともかく、日生劇場で上演中の「十二夜」を観てきました。といっても、観たのは先週末なんですけどね。というのも、その日、劇場に行く途中の電車の中で貧血起こしまして、それ以来ちょっと体調が悪く…芝居観てる最中もかなりくらくらしてましたが、でも楽しかったです。何しろ演出が「レ・ミゼラブル」「ダディ・ロング・レッグズ」のジョン・ケアードさん! 生垣のセットを上手く使った舞台転換、美しい衣装、軽やかだけどどこか幻想的な演出、とても素敵な舞台でした。というわけで、感想です。ネタバレしますよー。

舞台が始まると、そこには物憂げな表情のオーシーノ公爵が楽師達の奏でる音楽に耳を傾けつつ座っている。彼の憂いの原因は勿論、恋。彼の恋の相手は、伯爵家の女主人オリヴィア。父と兄の喪に服しているオリヴィアは、オーシーノが何度使いを送っても良い返事をくれず、会ってもくれないのです。彼の憂いは尽きません。
一方、オーシーノが治めるイリリアの地の沖で、一隻の船が難破しました。船に乗っていたヴァイオラは、双子の兄のセバスチャンと海ではぐれ、船長に助けられてイリリアに辿り着きます。兄はきっと亡くなったに違いないと思ったヴァイオラは、護身のために男装してシザーリオと名乗り、オーシーノに小姓として仕えることにしました。オーシーノもシザーリオを気に入り、とても可愛がります。そしてオーシーノは、シザーリオをオリヴィアのもとへ使いにやることにしました。愛らしいシザーリオならばきっとオリヴィアも気に入って、自分に返事をくれるだろうと思ったのです。
確かにオリヴィアはシザーリオを気に入りました。けれどそれは小姓としてではなく、恋の相手として。オリヴィアは間違った相手に恋をしてしまったのです。シザーリオもすぐにそれに気づきましたが、どうすることもできません。それに、恋といえば、シザーリオにも恋する相手がいるのです。それこそ他ならぬオーシーノ公爵。シザーリオの悩みも尽きません。
そして、さらにここに、オリヴィアに恋する男が2人。1人は、オリヴィアの叔父サー・トービーの遊び仲間のサー・アンドルー。とてもお金持ちでとても優秀…らしいのですが、とてもほややんとした頭の持ち主。そしてもう1人は、オリヴィアに仕える執事マルヴォーリオ。超堅物で嫌味なマルヴォーリオは、屋敷にいるほとんどの者から嫌われている様子。オリヴィアの侍女のマライアは、サー・トービー達と組んでマルヴォーリオに悪戯を仕掛けます。また、サー・トービーはサー・アンドルーをけしかけて、シザーリオに決闘を申し込ませます。
そんな複雑な恋愛模様と悪ふざけが絡み合う中、実は生きていたセバスチャンがイリリアに現れたものだから、事態はさらに大混乱! 何しろヴァイオラが変装したシザーリオの姿は、セバスチャンと瓜二つ。誰もがセバスチャンのことをシザーリオと思い込み、愛を語ったり決闘したりと大変なことに! はたして彼らの恋の行方は、そしてマライア達に弄ばれまくるマルヴォーリオは、一体どうなるのでしょう…――?

シェークスピアの有名な喜劇ですが、観るのは今回が初めて。ヴァイオラとセバスチャンを、音月桂さんが一人二役で演じていました。宝塚時代の彼女のことはよく知らないのですが、ドラマで何度かお見かけしたことのある女優さん。「ST」の最初のスペシャルドラマとか、「MOZU」とか、ヅラ…じゃなくて「警部補 矢部謙三」にも出てましたよね。舞台だと、「ブラック・メリーポピンズ」を先日DVDで観ました。今回の舞台では、一人二役といいつつ、シザーリオも含めれば2.5役といいますか、お疲れ様です本当に! ヴァイオラのときは本当に可愛らしい少女で、シザーリオのときは少女と少年の中間で、セバスチャンのときは元宝塚の本領発揮という感じで。シザーリオの姿のまま、ヴァイオラとして客席に「ねえ、一体どう思う?」と話しかけるシーンの彼女がとても可憐に見えて、ちょっとどきっとしました。ラスト、ヴァイオラとセバスチャンが再会するシーンの演出は、上手かったですね! シザーリオが舞台にいるのにセバスチャンが奥から歩いてきたときはびっくりしました! いつの間にか音月さんが別の女優さんと入れ替わってて、そのシーンだけは一人二役じゃなくて二人で演じてて。でも長い台詞を言うときなんかは、小道具を入れ替えることで役自体を入れ替えて音月さんがこなすという。面白かったです。
オーシーノ役の小西遼生くんは、舞台で観るのは今回が初めてでした。彼も「ブラック・メリーポピンズ」に出てましたね。それにしても、ものすごい美形さんですよね! 冒頭、彼が物憂げな表情で椅子に座ってる様がもうとにかく「貴族!」という感じで、素晴らしかったです。着てるガウン(マント?)をベンチに敷いてシザーリオを座らせたりするんですが、そのガウンが思いのほかぞんざいな扱われ方だった気が…最終的にくしゃくしゃになってベンチの下に落ちてた気がしますが、あれはあれで良かったのでしょうか…。それにしてもオーシーノ、思いのほか出番が少なかった気がするんですが! 偉い貴族なので自分の屋敷からほとんど動かないからでしょうか、彼の屋敷以外のシーンになると本当に出番がない(笑)。ラストくらいじゃないですか、彼がお出かけしたのって。もっと出てくれてもよかったのにー、と美形大好きな客としてはしみじみ思いましたですよ。
サー・トービー役の壌晴彦さんは、どこかで聴いた声だなと思ったらよく洋画の吹き替えをされてる方でしたね。さすが、素晴らしいお声! 色々とろくでなしな演技も素晴らしかったです(笑)。そんなサー・トービーに振り回されるサー・アンドルー役の石川禅さんは、とにかく可愛かったですね! ロングヘアで、始終きょときょとして落ち着きがなくて、何か喋れば常にほわんほわんしてて、お馬鹿さんで(笑)。サー・アンドルーがシザーリオと決闘するシーンの可愛らしさときたらもう!! サー・アンドルーもシザーリオも剣なんて使えないから、お互いシューシュー言いながら剣振って飛び跳ねてるだけという(笑)。「シュー!」「シュー!?」「シュー!!(泣)」って、情けなさすぎる決闘シーン!! ああ禅さん大好き!!
そしてもう1人大好きな、橋本さとしさん!! 皆からいじめられるマルヴォーリオ役だったんですが、私がさとしさん大好きなのがいけないのか、「ちょっとーさとしさんをいじめないでよー!!」という感じだったんですけど、他の方はどうだったのでしょう…いや、笑わせてもらったんですけどね、あのいじめのシーン。オリヴィアと全く同じ筆跡で書けるマライアが、オリヴィアを装ってラブレターを書き、マルヴォーリオはそこに書かれていた「常に微笑んでいて」だの「他の者には横暴な口をきいて」だの「黄色い靴下を履いて」だの「靴下留めは十字に締めて」だのといった言葉をいちいち実行してしまい、周りの者から頭がおかしくなったと思われて牢に放り込まれてしまうという…はい、面白かったですよ、さとしさんの黄色い靴下と十字な上にリボンまでついた黄色い靴下止め! 客席に向かって手紙を見せつつ話しかけるシーンとかも、とても笑いましたよ! でも、やっぱりマルヴォーリオが可哀想で…だって、さとしさんの演じるマルヴォーリオって、なんかちょっと愛らしいんですもの。オリヴィアに用事を頼まれて走ってくときの走り方とか、シザーリオに指輪を投げつけるときの仕草とか、何なの一体と思うくらい愛らしかったですよ(笑)。ラスト、牢から出てきたマルヴォーリオは、レミゼのバルジャンかと思うような姿になってましたけど、あの後彼はどうなったのでしょうねえ…「復讐してやるー!」と叫んで、道化が歌い始めてもしばらく舞台奥に佇んでましたが。うーん、やっぱり可哀想。結構ブラックな笑いのシーンでしたよね、マルヴォーリオがらみのところって。
そしてそして、この人を忘れてはいけません。オリヴィアの屋敷に仕える道化のフェステ役、成河くん!! 舞台で観るのは「ビッグ・フェラー」以来だったんですが、本当にこの人もお芝居の上手い方ですよねえ。そして歌も上手い。「ビッグ・フェラー」では調子はずれなココナッツの歌を歌ってましたけど、今回は素晴らしい美声で何曲も歌ってくれて。道化は、物語をちょっと脇から眺めてるような感じもする役所だったんですが、飄々とした感じも成河くんに似合ってましたね。牢に閉じ込められたマルヴォーリオを、神父のふりをしてからかうシーンでは、牢の上を軽やかに転がっては道化と神父を演じ分けてましたね(笑)。運動神経いいんだろうなあこの人! 台詞回しも上手くて歌も上手くてお顔も綺麗で、素敵な役者さんですよね。ラストの歌が、とても良かったです。カーテンコールでは全員で歌ってくれましたね。その全員の声の中から必死にさとしさんの声だけを聴き分けようと努力していたのは私です。大好きなんですさとしさんの声!! 「シャーロック・ホームズ2」が今から待ち遠しい…。

観てる最中の体調は最悪だったんですが、それでも舞台がとても面白かったのでどうにかなった気がいたします。こんがらがった恋愛模様が綺麗に片付いて騒ぎが落着した後に、道化が歌って終わるのが、不思議な余韻を残しますね。音月さんのファンの方も、さとしさんのファンの方も、そして禅さんのファンの方もぜひ観ると良いと思いますこのお芝居。しかしそれにしても疑問なのは、山口馬木也さんが演じてたアントーニオの、セバスチャンに対する崇拝ぶり…セバスチャンを演じてたのが女性の音月さんなので観てる間はさほど違和感はないんですが、観終わってから「アントーニオは何でまたあんなにセバスチャンを愛してたの?」と…だって、看病して身の回りの世話して身辺警護して自分の財布丸ごと渡しちゃうくらいですよ?? また山口さんがとってもいい男なものだから、なんかもう、BL的な何かとしか思えなかったんですけど!(笑) シェークスピアさん、どうなんですかその辺り!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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