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趣味の部屋!!

2015 - 03/13 [Fri] - 01:12

「趣味の部屋」を観てきました。パルコ劇場にて。脚本が「キサラギ」「ゴンゾウ」「リーガルハイ」「幻蝶」の古沢良太さん、演出は行定勲さん、出演は中井貴一さん、白井晃さん、川平慈英さん、戸次重幸さん、原幹恵さん。初演時にものすごく観に行きたかったんですが、チケットがとれず、今回の再演でやっと観ることができました。やっぱりものすごく面白かったー!! もうこれ、観なきゃ損ですよ絶対!! ジャンルとしてはサスペンスコメディに当たるんだと思うんですが、もう何もかも完成度が高すぎる! とにかく笑えて、何度もびっくりして、ちょっとしんみりもして、でもオチに「ええっ」となり、さらに大オチで「うぎゃっ」となる! エンターテイメントとしてこれ以上のものはないかもしれないというくらいの作品でした。しかも今回、なんと前から2列め(Y列だったのできっとものすごく後ろだろうと思ってたら、そういえばパルコ劇場って最前列がX列でしたね。X,Y,ZときてA列になるという)だったので、役者さんの表情もばっちり! 下手の端の席で、舞台セットの安楽椅子の目の前! 中井さんの例の殺陣のシーンも、川平さんががじがじ爪を噛む様も、それはもうよく見えました。すごかった!
いつもならネタバレしながら感想を書くんですが、この芝居は本当に一切のネタバレなしで観た方がよいと思うのですよ。再演とはいえ、まだこれから観る方も多いでしょうし、極力ネタバレしない方向で書いてみようかと思います。

とあるマンションの一室に、それはある。幼い頃作った秘密基地と同じ、彼らだけの楽園。彼らはそこにお気に入りのものを持ち込み、好きなことに熱中する。ある者は料理にいそしみ、ある者は古書を読み耽り、ある者は連邦軍の衣装をまとってガンダムのプラモデルを作り、ある者はジグソーパズルに挑んでいる。そこは「趣味の部屋」。男達が、自分の趣味に没頭するために共同で借りた部屋。部屋の掟は二つ。「部屋の存在を秘密にすること」「女を連れ込まないこと」――彼らはそこで今日も己の趣味に没頭している。
けれどそんな楽園に、ある日事件が起こる。二週間前から行方不明になっている男について、巡査を名乗る女が聞き込みに来たのだ。その男もまた、この部屋の一員だった。部屋の中をあちこち嗅ぎ回った末に、女は、厳重に鍵のかけられた巨大な冷凍庫と冷蔵庫に目をつける。その所有者である男は、頑なにその中を見せようとしない。「まさか、行方不明になった男は、殺されてこの中にいるのでは?」「いや、殺したのはあいつじゃないか?」「いいや、あいつだ。だってあいつには、殺す理由がある!」次々と湧き上がる疑念、次々と暴かれていく男達の思惑、行方不明になった男が残した亀の甲羅に刻まれた二つのアルファベットはダイイングメッセージならぬカメイングメッセージなのか! やがて明らかになるとある女性の不審死の真相は!? はたして「趣味の部屋」とは何なのか……――。

やっぱり古沢さんの脚本は面白いですね! そして役者さんが全員芸達者! 構造的には「キサラギ」と似ていて、とある不審死の真相をめぐって一つの疑いが生まれては一つの真実が明らかになり、というのを繰り返しながらどんどんテンションをあげていく感じなのですが、二転三転する話に思いっきり振り回されてきました。それがまたとてつもなく気持ちいいという(笑)。
中井貴一さんはやっぱりものすごい役者さんですねえ…ドラマで映画で何度も見てるのでそんなことはとっくに知っていたんですが、舞台で間近で演技を観るともう本当にすごすぎて! 温厚で料理好きで真面目なお医者さんという役なんですが、中井さんってコメディ俳優としても本当に素晴らしい方ですよね(笑)。かと思えばものすごく恐ろしい笑い方をしてみせたり、若い女の子の真似を全力で(しかも結構長く)やってみせたり。頬をふくらませて斜めに見上げる可愛い子ちゃん演技が死ぬほど面白かったです! 伏線となる台詞のひっかかりも、「ん?」と観客に思わせつつ、わざとらしくない範囲でおさめてて、うわあ上手いなあと。力の抜けた感じの話し方から狂気に走った笑い、しんみりと泣かせる語りにぞっとするような独白と、もう中井さんの演技力をこれでもかと味わえる舞台でした。すごかった!!
白井晃さんはいつ観てもチャーミングで素敵な方ですよね。演技にも台詞にも説得力があって、この方も素晴らしい役者さん。今回はガンダムオタクという設定だったので、ことあるごとにガンダムの名台詞を吐くのが面白くて面白くて(笑)。ブライトさんの物真似がたまらなかったです(笑)。部屋の一角に並べられたガンプラは彼の作ったものということになっているんですが、このガンプラもいい仕事してましたね! 人物関係の説明の際に必ずのように使用され、皆がガンダムだのザクだのズコックだのガンタンクだのを手に取って歩き回る度に白井さんがはらはらした顔でそれを追ったり、「いや、ガンタンクの機動力ではガンダムにはついていけない!」とかどうでもいいツッコミをいれたりするという(笑)。亡くなった女性の化身であるかのように、何かというと白く淡い照明で浮かび上がるガンダムの姿が忘れられません(笑)。全般的に照明さんが素晴らしく良いお仕事してる舞台でもありましたね!
川平慈英さんは、古書好きでちょっと嫌味な感じの男性役。川平さんというとなんとなく「ひたすら陽気な人」というイメージだったんですが、陰湿な男の演技がびっくりするくらいはまってて怖かった! あと、踊る人だからでしょうか、やっぱりこの方はちょっとした立ち姿がとてもかっこいいですね。今回はスキップくらいで踊らないんですが、身のこなしがさすが軽やか! そして彼がガンダムを握りしめて涙ながらに自分の想いを語るシーンがとても面白かったです(笑)。
戸次さんもドラマでよく見る方ですが、生で観たのは今回が初めて。おおお、テレビで見るよりずっとイケメン! 唯一これといった趣味がない男の役で、ありとあらゆる趣味にチャレンジしてははまれなかったという設定でしたが、あの鼻リコーダーは実際に吹いていたのでしょうか…鼻の穴に一本ずつリコーダー突っ込んでハレルヤとか吹いてましたけど、本当にやってたならちょっとすごくないですか? 戸次さんは役どころが「お馬鹿さん」だったんですが、この方も本当に面白かった…三歩前の場所でものすごいシリアス展開が起きてるのに状況に全然ついていけなくて一人首をひねってたりするんです(笑)。ガンプラを握りしめて説明を始めてもやっぱり混乱しちゃうんです(笑)。でも、彼がジグソーパズルを完成させるシーンはなかなか感動的でしたね。それまでの展開を忘れて割と本気でしんみりしましたよ私。
原幹恵さんは、魂ラジ国民としては荘口さんが毎年やってた「今年はこの娘を抱け」のグラビアカレンダーコーナーでよく紹介されてた方だなという意識がどうしても最初にきてしまいまして(笑)。うん、素晴らしい胸でした!! 美人さんですよね、そんな方が巡査の格好して拳銃片手に片膝上げてポーズとかとってくれるんですよ、その後はだいぶ開放的な格好になって、最終的にはセイラさんのコスプレですよ!! 何かこうお芝居の本筋とはやや違う方向で眼福でしたが、この方の役所がこのお芝居における肝心要の部分でもありました。原さんが携帯取り出して電話し始めた瞬間、「ええっ!?」って本気で驚きましたよ私。

本当に、まだ3月だというのに、今年観たストレートプレイの中では一位かもしれません。脚本もいい、役者もいい、舞台セットも照明も素敵、音楽もお洒落、何より舞台として本当に面白い! 舞台の面白さってやっぱり映画やドラマとは違ってて、舞台だからこそ許されるある程度のハチャメチャ感ってあると思うんです。そのハチャメチャ感を存分に使って、観客を思う様振り回して、笑わせて、泣かせて、ぞっとさせて、驚かせて、極上の時間を過ごさせてくれる。ああ、本当に大好き。また再演してくれるなら絶対観に行きます!! まだ観てない方はぜひ!! ぜひ観てください!!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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