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ラ・カージュ・オ・フォール!!

2015 - 02/23 [Mon] - 01:20

観てきました、ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」!! 日生劇場にて。
2012年に観たときにあらすじは書いてるので、今回は感想のみにしておきますが、やっぱり面白かったー!! 観ると幸せになれるミュージカルとはまさにこのこと。大好きです。歌も名曲ぞろいで、前回観たときに日本版とブロードウェイ版の両方のCDを買ってしまったくらいです。

市村正親さん演じるアルバンは、今回もとても可愛らしかったです(笑)。クネクネした動きも、常に立っちゃう小指も、甲高い声も、もうすべてが愛しい! アルバンが舞台上で歌いながらメイクするシーンは、何度見てもすごいですね。メイクを終えてかつらをつけて衣装をまとった瞬間、クラブの花形スター「ザザ」に変身する。ザザの格好をした市村さんがとにかく輝いて見えて、「ああこの人は本当にスターなんだな」と実感します。
鹿賀丈史さん演じるジョルジュも、ショーの司会をする様がとても華があって素敵。でも今回ちょっとびっくりするくらい滑舌が悪くて、どこか具合でも悪いのかと心配になりました。歌はとても素晴らしかったんですけどね。 
アルバンとジョルジュのラブラブぶりがこの舞台の見所の一つだと思うんですが、もうこれはこのお二人だから作れる空気感という気がいたします。自分が年を取ったことを自覚していて若干落ち込み気味なアルバンを、ひたすら持ち上げ笑わせ愛を語るジョルジュ。なんだかんだいって結局ジョルジュに乗せられてしまうアルバン。「散歩に行こう」とジョルジュに誘われ、「アタシ、もう一歩だって歩けやしないわ!」と断ったアルバンが、「大丈夫、僕を見て!」と言ってステップを踏み出したジョルジュにつられて結局腕を組んで歌い出す「君と腕を」の歌のシーンが大好きなんです。うじうじいじいじしていたアルバンが、ぱっと笑顔に変わる瞬間がすごく可愛くて。
「ゲイに否定的な議員を父に持つアンヌと結婚したいから、彼女の両親が来てる間はアルバンを追い出して!」と息子ジャン・ミッシェルに言われ、それをジョルジュがアルバンに告げるシーンは、やっぱりすごく泣けました。着替え途中のアルバンに向かって衝立越しに話しかけ、これは一晩だけのジョークみたいなもんなんだ、上手いことやって騙してやるんだよ、という感じに話しかけるジョルジュ。「笑っちゃうよね、だって一晩だけ、僕は外務省の外交官で、シビルは僕の妻で、君は…」とジョルジュが声を詰まらせた瞬間、涙がこみ上げてきました。自分がどれだけ残酷なことをしようとしているのかジョルジュにはとてもよくわかっていて、でも息子のためにそれをアルバンに強いなければならない辛さが、手に取るようにわかって。このシーンに至るまでの間にも何度もジョルジュがそんな気持ちを覗かせた目をしていたのですが、それがこのシーンに来てぐわっとふくらんで、観ている側の涙腺が崩壊するという。鹿賀さん上手いなあ…そして、衝立から出てきたアルバンがそのまま舞台上に出ていき、ショーの最中に泣き出してしまう様が本当に可哀想で。そこから続く名曲「ありのままの私」は、何度聞いても胸にきますね。市村さんだからこその魂の叫びのような歌。何を言われようと私は私だと己の誇りを高らかに歌い上げるザザの姿は、本当に強く悲しく美しく、そして愛おしい。そうですよ、アナ雪が出てくるまでは「ありのままの~♪」といえばエルサではなくザザだったんですよ!

「ダンドン夫妻との食事会に出たいなら男らしくしなくちゃ」と言われて、アルバンが男らしい振る舞いを練習をするシーンは、とにかく可愛かったですね。そして、結局おじさんではなく母親としてダンドン夫妻と対面するシーン(笑)。森公美子さん演じるアンヌのママが、もうとんでもなく面白い!(笑) 森さんの体型を100パーセント活かした演出がまたなんというか…森さんがソファに腰掛けると、同じソファに座ってる人達がもれなく跳ねるとか(笑)。それにしても2幕の市村さんは1幕よりさらに自由度がアップしてましたね! 市村さんがあまりにおかしなことをするものだから森さんの笑いが止まらなくなってしまい、舞台奥を向いてごまかそうとするのを市村さんが「くい」と片手で客席側に向かせるというのは今回もありました。でもあれ、演出じゃなくて絶対に森さん素で笑ってると思う…ダンドン議員役の今井清隆さんも、何度か吹きだしかけてましたしね(笑)。そしてついには市村さんに「ぱちーん!」とものすごいいい音で額を叩かれ、素で笑い出してしまって森さんと2人で舞台奥を向いたまましばらく振り返れなくなるキーヨさん(笑)。
レストランでアルバンが披露する「今この時」は、私がこのミュージカルの中で一番好きな歌。私の鼻歌ランキング一位かもしれない(笑)。ものすごく耳に残るいい歌なんですよ、歌詞も素敵で。「今この時が何よりも素晴らしい、今この時をしっかり生きて愛して、いついつまでも大事にして今を」という歌なんですけど、歌が盛り上がるにつれてレストランの客たちが皆立ち上がって抱き合ったりダンスを踊ったりし始める様が、本当にあたたかくて幸せな眺めなんです。大好き。まあ、盛り上がった末にアルバンがつい舞台の癖でかつらを取っちゃうものだから、食事会はえらいことになるんですけどね(笑)。

他キャストの皆様も、素晴らしかったです。今回のジャン・ミッシェル役は、相葉裕樹くん。「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」で観て以来だったんですが、歌がすごく上手くなって! 声に厚みが出て! 「アンヌと腕を」を見事に歌い上げてました。手脚長くて顔小っちゃくて笑顔が華やかで、存在自体がきらきらしてましたね! いかにも甘やかされて育ちましたという感じのジャン・ミッシェルですが、我が儘ぶりも調子のいいところもなんかこの笑顔を見てるとほだされてしまいそう(笑)。
アンヌ役は前回と同じく愛原実花ちゃん。くるくる回る様が可愛い! お人形さんみたいですよね。アルバンとハグするときの「はん♡はん♡」がたまらない(笑)。この方が森さんの横に座ってるだけでなんだか笑えてしまうのはなぜなのでしょう…というか、この両親からこの娘生まれないと思う!
ハンナ役の真島茂樹さんは、日本初演の時からもう30年もこの役をやり続けているそうで、すごいですよね! 普通に男の格好で舞台に出てきたときに、その30年の重みがわかるというか(笑)。でも、ハンナの格好してると全然そんなことないのがすごい! ショーのシーンで、市村さんが出てくるとつい市村さんばかり見てしまうので、「いけないわ、周りのカジェル達も見なくちゃ!」と思って視線をずらした瞬間ハンナの目力につかまり、しばらく目が離せなくなりました(笑)。目力すごすぎるからハンナ! そして「い、いけないわ、他のカジェルも見なくちゃっ」とどうにかハンナから目をそらしたら今度はフェードラのぼやーんとした顔のインパクトにつかまり、また目をそらせなくなる罠(笑)。キャラが濃すぎるよカジェル達!!
そしてこの方もキャラの濃すぎるカジェルの一人、シャンタル役新納慎也さん!! ものすごい美脚!! ハイレグレオタード姿にどきどきしてしまいましたよ! それに素晴らしい美声。高音から低音まであんな一気に変えるのって結構大変だと思うんですけど! 舞台上でちょいちょいハンナとからむ様も笑えました。それにしてもカジェル達、さすが美脚の方が多かったですねー。アンジェリク役の方も素敵な脚だった気が。この舞台、クラブのショーの部分がかなりの比重を占めてるんですが、それがちゃんとショーとして成立してて見応えがあるんですよね。こんなクラブがあったら私だって行ってみたい! あ、あと、フランシス役の日比野啓一さんの、脱いだらすごい筋肉にも惚れ惚れしました! フランシス、ハンナとの関係が深まるにつれて怪我が多くなっていくのが笑えました。彼が舞台上のハンナをぽやーっとした目で見てる様も大好きです。

作り手側もお客さんも、その場にいる全員がこの作品を心から愛しているのがわかる、そんなミュージカルでした。役者さんのスケジュールと体力が許すなら毎年でも再演していただきたいと思うくらい、本当に大好きな舞台です。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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