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もう一人のヴォルフガング。

2014 - 12/15 [Mon] - 01:04

というわけで、観てきました。帝劇上演中の「モーツァルト!」、山崎育三郎Ver.ヴォルフガング。他のWキャストは、コンスタンツェ:ソニン、男爵夫人:春野寿美礼。そういえばアマデ役は前回今回ともに柿原りんかちゃんでした。

やっぱり同じ役でも役者さんが違うと全然違うんですよねえ。先に井上芳雄くんのヴォルフガングを観てしまっているので、どうしても比べながら観てしまったんですが、やっぱり育三郎くんのヴォルフガングの方がやんちゃな感じが強い気が。若さゆえなのか、それとも役へのアプローチの違いなのかはわかりませんけど、なんだか可愛らしい感じがありました。育三郎くんのお顔がちょっと中性的なので、髪の長いかつらをつけると女の子みたいに見える瞬間があったりもして。腕とかちゃんと筋肉あるんですけどねー。
あと、井上くんのヴォルフガングに比べると、もう少しちゃんとものを考えてるような雰囲気がありましたね。井上くんの方は『天才と馬鹿は紙一重』という言葉通りというか、何をしでかすかわからない危なっかしさがより強くて。それが一番感じられたのが、コンスタンツェとの結婚の誓約書をセシリアが持ってくるシーンなんですけど。誓約書にサインせざるをえなくなったヴォルフガングが、コンスタンツェを連れて行こうとするセシリアに向かって「待って。サインする」と言い出すところ。井上くんのヴォルフガングは、本当に急に「待って」と言い出して、真顔のままサインしてた気がするんですが、育三郎くんの方はこのときはっきりと怒ってた気がするんです。セシリアの横暴に怒って、でもどうしようもなくて、追い詰められた末に「あーもう!」という感じでサインする。井上くんの方は、あまりそうした葛藤がなくて、「え、困ったな…そっか、サインすればいいんだ」という感じに思考がぽーんと飛躍してて。でも、天才ってそんな生き物のような気もする…基本、天才って色々駄目な人だと思うのですよ。自分にとって大事なただ一つのこと以外はなーんも考えてないというか。
でも、育三郎くんのヴォルフガングの方が、アマデとちゃんとコミュニケーションとってたような気もします。アマデにぐいぐい手を引っ張られて、だけどヴォルフガング自身は家族を振り返りたいときは、アマデを説得するようにしゃがんで目を合わせて何か話してて。だからこそなのか、父親の死を知った後にヴォルフガングがアマデを罵るシーンの育三郎くんはすごかったですね! アマデに向かって「許さない許さない許さないこの悪魔悪魔悪魔お前が家族を引き裂いたんだ!」って彼が叫ぶシーンがあまりにも鬼気迫ってて、痛くて辛くてなんかもう観ててぼろぼろ涙が出て。その後のレクイエム作曲のシーンも、育三郎くんの目が完全にイッちゃっててすごかった…書いては紙をぐしゃぐしゃし、時々彼の栄光の象徴のような「モーツァルト」と書かれた垂れ幕を引き寄せて頬を寄せ、また書いてはぐしゃぐしゃする。アマデに心臓を刺されて死ぬ直前に「僕こそ音楽」を口ずさむ彼の腕がぶるぶる震えてるのがすごく痛々しかった! 
井上くんのヴォルフガングも、育三郎くんのヴォルフガングも、やっぱりどちらもとても愛おしい人ですね。大好きです。そういえば、プラター公園でヴォルフガングが胴切りの箱に開脚して両足を突っ込むシーン、私が観た回はどうも育三郎くん、足が何かにつっかえちゃったのか、台詞言いながら三回くらいやり直してて面白かったです(笑)。「よっ、(あれ?)よっ、(…あれれ?)よっ!(できたー!)」という感じで。しかしどっちのヴォルフガングも体柔らかいなあ!

そしてソニンちゃんのコンスタンツェ。すごく評判が良かったのでこちらも期待してたんですが、確かに素晴らしかった! 声もいいし歌も上手いし声量もあるし、その上芝居がとても素晴らしい。ソニンちゃんのコンスタンツェ、すごく「生きるのが不器用な女」という感じに見えました。特に、「ダンスはやめられない」の歌が…情念があふれてるというか、もう本当にすごかった! 聴いてて涙出た! CD欲しいなあ! 今回、2005年版のハイライトCDを買って帰ったんですが、やっぱりキャストが違うとイメージが違ってて…DVDだけじゃなくてCDも今回版で作り直しませんか東宝さん! ちなみにDVDは劇場で予約済です、ええ、両方のバージョンを…いや、どっちも好きなんですもの、ヴォルフガング役2人ももコンスタンツェ役2人も、全員愛しい!
男爵夫人は前回今回とも春野さんで観ましたが、美しい人ですね! ドレスが素晴らしくお似合いで! 前回観たときは「星から降る金」を歌ってる最中に一か所だけ盛大に噛んでしまって、「んぎゃっ!」と思ったんですが、今回は歌も素晴らしかったです。前回よりも声の伸びも良くて。しかし、役者さんが歌の最中にミスると、ご本人も「ぎゃあ!」と思ってるに違いないですけど、観てるこちらも「ぎゃあ!」と思ってしまいますね(笑)。2幕冒頭の「ここはウィーン」のシーンの男爵夫人がまた素晴らしく美しい…サリエリに手に口づけさせるシーン(サリエリいましたねここに! 公演パンフ読んでて気づきました)の勝ち誇った様がすごくいい! あの完璧な美しさですっと手をのばし、嫌がるサリエリにキスを強要! かっこいい! でもこのシーンは、アンサンブルの方々のお衣裳もすごいですよね。頭に帆船乗せてる貴婦人とか、お家乗せてる貴婦人とか、すごく気になっちゃって(笑)。昔の貴族の女性は大変ですね本当に。
柿原りんかちゃんのアマデも素晴らしかったです。アマデはこのお芝居においてものすごく重要な役どころですが、それを完璧にこなしてた! ヴォルフガング以外の目には映らない彼の才能の化身。喋らないし基本無表情なんですけど、ヴォルフガングが男爵夫人にウィーンに誘われるシーンで、アマデがレオポルトを見るときの目がものすごい期待に満ちててすさまじかった。そしてこのとき井上くんもアマデと全く同じ顔をしてたのが本当にすごかった!!(育三郎くんの方は座席位置の関係で見えなかったんです、見たかった!) シカネーダーに「魔笛」の台本を渡されたときのアマデの顔も良かったですね、普段あれだけ無表情なアマデがあのときだけははっきりと興奮した目をしてて。今回のカーテンコールで、育三郎くんが自分のマイクをりんかちゃんに寄せて挨拶をさせたので、やっと声を聴けました。声も可愛かったです!

山口さんの大司教は相変わらず絶好調でしたし、市村さんのレオポルトも切々と胸にきましたし、やっぱりこのお芝居素晴らしいですね。…実はもう一回だけ、井上くんのヴォルフガングを観る予定です。DVDが届くまで、せいぜい記憶の中に何重にも刷り込んで脳内再生可能を完璧にしておかなければなのです。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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