瀬を渡り水の向こうへのナビゲーター   topページ > スポンサー広告> 観劇 > レディ・ベス!  

スポンサーサイト

-- - --/-- [--] - --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

レディ・ベス!

2014 - 05/04 [Sun] - 02:53

やっと観てきました。帝国劇場で上演中の「レディ・ベス」! 
あの「エリザベート」を作ったミヒャエル・クンツェさんとシルヴェスター・リーヴァイさんによる世界初演のミュージカルでございます。外国の方が作ったミュージカルが日本で初演を迎えるというのもすごい話だと思います。素晴らしい衣装、素晴らしいセット、素晴らしい役者さん、そして素晴らしい歌!! とても贅沢な時間を過ごすことができました。観に行って良かったです。
ちなみに私が観た回のキャストは、レディ・ベス:平野 綾、ロビン・ブレイク:山崎育三郎、メアリー・チューダー:未来優希、フェリペ:古川雄大、ロジャー・アスカム:山口祐一郎。皆様素敵でした!
というわけで、感想です。例によってネタバレしますよー。

イギリス女王エリザベス1世についての物語です。といっても、これは彼女の少女時代の物語。母親のアン・ブーリンが処刑された後、ベスは姉のメアリの治世下で、養育係のキャット・アシュリーと家庭教師のロジャー・アスカムに見守られながらひっそりと暮らしていました。彼女にあるのはただ王女としての矜持だけ、他には何も持ってはいないベス。けれどそんな矜持さえ、姉のメアリは踏みにじろうとするのです。ベスを宮廷に呼びつけ、「お前の母親は淫売、お前は淫売の母親が楽師と浮気して作った子供。私の妹なんかじゃない。王の娘なんかじゃない」となじるメアリ。メアリにとって、ベスは邪魔なだけの存在なのです。厳格なカトリック教徒として弾圧を続けるメアリを民衆は見限り、ベスを女王にせよと声を上げている。おまけにベスはプロテスタント。メアリはガーディナー司教やスペイン大使ルナールと手を組み、ベスを亡きものにしようと考えます。幾度となく苦境に立たされるベス。そんなベスが恋をした相手こそ、流れ者のロビン・ブレイク。自由に生きる彼に憧れ、彼を愛し、一人の女としての幸せを夢見つつも、天の星は、彼女に女王として生きる道を示すのでした…。

一人の少女が、運命に翻弄された末についに女王として立ち上がるまでを描いたこのミュージカル。平野綾ちゃんのベスは本当に可愛かったです! 小柄な体に幼さの残る顔立ち、メアリにいじめられて半べそをかくときの表情がたまらない…唇が横にのびて本当にへの字口になって、「うえええええん…」という感じになる(笑)。歌も上手いですね、声の伸びと張りが素晴らしい! レミゼのエポニーヌで観たときよりもさらに素晴らしくなってた! ロビンと出会って、全然王女扱いしてくれないロビンにちょっと怒りつつも、彼が語る自由に憧れ、彼に恋をしていくその様のなんてみずみずしいこと! 男装させられて酒場に連れて行かれるシーンでは、「おんどりゃー!」と足を振り上げる様がもう本当に可愛くて。でもそんな子が、ラストシーンでは威厳あふれる本物の女王になって。迎えに来たロビンに対して、「私には幸せよりも責任の方が重いの」と告げるときのベスが切ない…ああこの子は王女の矜持だけを頼りにずっと生きてきて、それをよってたかって踏みにじられても決して失うことはなく、恋さえも彼女を変えることはなかったんだなと。「もう恋なんてしない、誰とも結婚はしない」とロビンと抱き合いながら歌うシーンが悲しかった…恋よりも女王としての責任を、国をとるしかないベス。先日観た「アナと雪の女王」のぶっとびプリンセスとは全然違いますね、これぞ王女!!(笑) いや、アナ雪も面白かったですけどね! ラストシーンの綾ちゃんの女王様オーラ、すごかったです。あんなに幼い感じだった女の子が、こんなに立派な女王様に…と、教育係でもないのに感無量な気分になってしまいましたよ(笑)。

育三郎くんのロビンは、きらきらしてました(笑)。青いお衣裳にややロングの金髪のかつらが大変お似合いで。きらきらしすぎて、なんか流れ者というよりプリンスっぽかったですよ! ベスが投獄された後、やさぐれて酒ばっか飲んでるシーンでも、なぜだかあまりやさぐれて見えないくらいのきらきらぶり(笑)。そして甘ーい歌声。本当に、聴いていて心地良くなる声ですよね。でもロビン、思いのほか活躍しない…まあ、しょうがないんですけどね。何しろロビンは架空の人物なわけで、そんな架空の人物がベスの危機を助けちゃったら歴史が変わってしまうわけで。流れ者のロビンが持っているのは自由と愛だけ、他には何も持っていない。そう、彼には力がない(笑)。どっちかというと彼のせいでベスは窮地に立たされてしまったり。ロビンの無力さは王族と民衆の間にある越えられない壁の象徴なのでしょうね。でもその壁をある意味乗り越え、彼女と愛し合うロビン。ロビンはロビンでベスを助けようと必死に頑張るし、彼女に自由を教え、民衆の姿を見せ、喧嘩した後には「何でこんなに彼女のことが好きなんだろう」なんて悩んで歌っちゃったりする。しかも彼女に会うために、蔦にぶらさがってターザンまでする!(笑) 庭園から帰るシーンで、蔦の振りがちょっと弱かったらしく、一度見送った後に「よっしゃ、来ーい! …っしゃあ!」とあおった末にぶらさがるロビンが妙に面白かったですよ。そして、ターザンはこれで終わりかと思いきや、幽閉されたベスに会いに行くときもターザン! しかもロミジュリな演出までありましたね! うん、ロビンはロビンで頑張ってたよ!! ていうかこのお話、ロビンいなかったらベスが可哀想すぎるよ!! ロビンとの別れを決意することで女王としての彼女が出来上がるというのもそれはそれで切ないですけどね。メアリ崩御の知らせがベスのもとにきて、ベスが次の女王だってことになったとき、ロビンもまた彼女に跪くのが本当に切なかった…そしてそれを見下ろすベスの表情が辛かった…。

そして、古川くんのフェリペ。メアリの旦那様になるスペイン王子。今回私が一番惚れたのが彼(笑)。古川くんを観るのは「エリザベート」のルドルフ役以来なんですが、歌がすごく上手くなったなと!! また古川くんのフェリペが似合いすぎで! 何しろ古川くんは実に見目麗しい方なので! ロングのかつらが似合ってましたねー、浮世離れした感じが大変王族っぽい。極楽鳥みたいな衣装(しかもかぼちゃパンツ)でしたが、それを普通に着こなせる古川くんすごい…しかも初登場シーンは片胸剥き出しでしたよ、女物の赤いドレスを衣装の上から着てましたよ! 何かというと「クールヘッド!」って踊ったり、スペインだからフラメンコっぽかったり、何ですかこの美味しすぎる役! 頭脳明晰な色男で、奔放で、女好きで、テクニシャン(自分で言ってた!)で、そして何より力を持っているフェリペ。窮地に立ったベスを助けるのは常に彼。毒を盛られそうになったベスを助けるシーンのフェリペ、本当にかっこよかった…何だろうこの王子様。あまりにも美味しすぎる! ロビンが無力な分、フェリペが美味しいところを全部持って行ってしまうわけですね。うーん、惚れた…フェリペいいですよ、好きですよこういうキャラ。そういえばメアリのところに届くフェリペの肖像画、きちんと古川くんの顔になってましたね! あまりにも綺麗に描いてあるので、ちょっと欲しくなってしまいましたよ(笑)。

ベスを亡きものにしようとする悪者コンビ、ガーディナー司教とルナールは、なぜだか妙に面白かった…ガーディナー役の石川禅さんのせいですね、たぶん(笑)。ガーディナー、悪者なのに面白すぎて憎めなかった! 心臓悪いのにルナールと一緒に「ベスを消せ―!」って熱唱しちゃって、その後で「…し、しんどい…」とあえぐ姿が可愛らしい(笑)。というか…あのー、ガーディナーさん、ルナールさんのこと好きなんですか…? 何ですかあのルナールさんの体に後ろから回す腕、ルナールさんの手をとる仕草、そしてルナールさんに邪険に払われては「俺、口臭い?」と口臭を気にする様(笑)。ああ禅さん大好き。ルナール役の吉野圭吾さんの、誰のことも信じてなさそうな冷たい視線も良かったです。
メアリ役の未来さんは、私の中ではロミジュリの乳母のイメージが強かったんですが、今回のメアリは表情も声もすごい迫力! この方も本当に歌が上手くて、しかも曲調がロックテイストで激しいものだから、とにかくパワフル! ラスト近く、メアリがベスを憎む理由が明かされる辺りは切なかったですね…。
アン・ブーリン役の和音美桜さんやキャット役の涼風真世さんの歌声も素晴らしかったです。そして山口祐一郎さんのアスカム! あの深くて優しい声! ゆったりとお話しになる様が、なんかもう人間じゃなくて神様か運命そのものの声のようで、だからこそそんな彼がベスとロビンの関係を危惧して「そんなことあってはならない!」と声を荒げる様がすごく胸にきました。ああでも、山口さん、なんかいつも両手を胸の前で握ってて、その様が妙に可愛らしかった…お手手が!

舞台セットも素晴らしかったです。十二宮の星座が描かれた巨大なリング、背景に映し出される星空、まるでプラネタリウムみたい。斜めになったり持ち上がったりする回り盆には、時計の文字盤のようなのが映し出されていたのでしょうか…一階席だったのでちょっとよく見えなかったんですが、とても綺麗でした。そして帝劇はいつ観てもアンサンブルの方々まで素晴らしい! 何もかもが贅沢でした。
このミュージカル、主要キャストのほとんどがWキャストで、しかも全然タイプの違う役者さんが演じてたりするので、他の回も気になるところ。というわけで、もう一回観に行く予定です(諸々あって結局タダで…いや、プレイガイドの方でちょっとした手違いがありましてねー…)。今回は「いっくんロビン」で「古川フェリペ」でしたが、次回は「かーくんロビン」で「ゲンペ」です。ベスは次回も平野綾ちゃん。とても楽しみです。

 | ホーム | 

プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カウンター

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。