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シャーロック・ホームズ!

2014 - 01/27 [Mon] - 01:40

最近、うちの猫がよく喋ります。
先日は上機嫌で走り寄ってきたかと思うと「ぶーにゃんふーにゃんうーにゃん、みゃはっ!」と言って私を見上げました。
…「みゃはっ!」って。「みゃはっ!」って何なのアナタ。
動画にして適当な字幕つけてネットにあげたら面白映像ランキングに入れるかしら、と猫をなでつつ思う今日この頃です。ええい可愛い奴め。

それはともかく、ミュージカル「シャーロック・ホームズ」を観てきました。東京芸術劇場にて。
もとは韓国のオリジナルミュージカルだそうで、日本初演。ダウニーさんの素敵エキセントリックホームズやベネ様のスタイリッシュ現代版ホームズやら、近頃シャーロック・ホームズは大人気ですね。今回のミュージカル版では、時代設定は原作通りですが、一つだけ設定に大きな変更が。なんとワトソンが女性なのです。ジョン・ワトソンではなく、ジェーン・ワトソン。これがまた、私が大好きなタイプの素敵男女コンビものに仕上がってて、とっても面白かったです!
というわけで、感想です。一応ミステリーなので事件の真相はふせますが、ある程度のネタバレはしますよー。

19世紀末のロンドンでのお話です。名門アンダーソン家でクリスマスイブの夜に響いた2発の銃声が事件のはじまり。そのとき屋敷にいたのは、若くしてアンダーソングループの会長であるアダムと、その双子の弟のエリック。そして、かつてはエリックの恋人だった、今はアダムの婚約者となったルーシー。そしてさらにもう1人、アダムの浮気相手の女優キャサリン。外からの来訪者はルーシーとキャサリンの2人、けれど銃声の後に屋敷から出て行った馬車は一台だけ。それにはキャサリンが乗っていたらしい。ではルーシーは? そう、彼女はどこかに消えてしまったようなのです。失踪事件です。というわけで、我らが名探偵ホームズに依頼がきます。しかも同時に3人から。
1人はアンダーソングループの副会長、アダムとエリックの叔父にあたるポビー。どう見てもカタギに見えないボディガードを連れてホームズの家を訪れ、「ルーシーを探してほしい。彼女が死んでいたならば、その死の証拠を持ってくるように」と言います。次に訪れたのはエリック。いかにも内気そうな彼もまたルーシーを探してほしいと依頼します。エリックと話している最中に電話が鳴り、出てみるとそれはアダムの秘書から。エリックとは正反対に傲慢そうなアダムもまたルーシーを探してほしいと言う。しかも、エリックとアダムが語るクリスマスイブの事件の話には食い違う点が多数。ホームズはひと言、「面白い!」
どうやらこれは単なる失踪事件ではない様子。アンダーソン家にかかわる人々が次々と殺されていく中、ホームズがたどり着いた事件の真相とは……――。

「この世で最も凶悪な凶器は、愛だ」というのがこのお芝居のキャッチコピー。かっこいい! そして悲しい。
ホームズを演じたのは橋本さとしさん。うわああかっこいい、いいお声、そして面白い!(笑) 私、この方大好きなんです。テレビや映画だとなぜだか悪い役ばかりの気がするんですが、舞台で観ると本当に華があって素敵な方ですよね。しかもそこはかとなくセクシーさが漂う…ああ惚れる(笑)。黒のスーツ姿も素敵でしたが、だらしなく前を開けたシャツの上にガウンひっかけただけの駄目な格好も素敵でした。ホームズといえば推理以外は色々駄目な人という感じですが、さとしさんのホームズの駄目っぷりがもう可愛くて可愛くて! 事件がないと部屋の中で銃ばんばんぶっ放すのかあんたは! しかも客席に向かって!!(笑) 今回私割と前の方の席だったんですが、最後にまんまと狙いをつけられて、「ぎゃー!」と思った瞬間に弾切れの音がして、割と本気でホッとしましたよ(笑)。でもその直後、「ええいこんちくしょうめ」という顔でホームズがガウンのポケットに手を突っ込み、弾を補充し始めるという(笑)。外から帰ってきたワトソンにお水注いであげたり、暇にまかせて手品を披露したり、もう何なのこの可愛い人! でも一番可愛かったのは、恋について語り始めたとき…ワトソンに「えっ、ちょっと、あなた恋なんてしたことあるの!? …ああ、なんだ、妄想ね、そうよね、妄想の中でなら恋もできるわよね」と言われて、泣いちゃうホームズ(笑)。手で涙を拭い、すっかり涙声になるホームズ…ちょっともう本当に何なのこの可愛すぎる人!! でも推理し始めるとかっこいいんですよねえ。これはもう惚れるしかないです。仕方ないです。真実を暴いても不幸な結果を招くこともあると苦悩する姿も素敵で。でも「面白い!」の口癖はどうしても某ガリレオ先生を思い出して仕方なかったです(笑)。実におもしろーい。
そしてワトソン役は一路真輝さん。このワトソンがまたキュートな上に面白いんですよ! お金に無頓着なホームズに代わって守銭奴精神を発揮するワトソン(笑)。真紅のロングスカート姿も素敵でしたが、乗馬服スタイルも素敵でした。そしてワトソン、意外と強い! 犯人に人質にとられそうになっても自力で格闘! ホームズ曰く「この人が女らしいのは外見だけだ」(笑)。クライマックスでも、すごく冷静に犯人の脚を銃で撃ち抜くという。背筋をのばしてタイプライターを打つ姿も凛々しく美しかったです。
日本版ではホームズとワトソンの関係にそこはかとない「男女の感情」をブレンドしたとのことですが、これもまたいい。危険な目に遭ったワトソンの両腕に手を添えて「大丈夫か?」とホームズが尋ね、ワトソンが少しぽっとなって「え、ええ、大丈夫…」と言った途端、ぽーんと手を離されてしまい、「んーもう」と口を尖らせるワトソンの可愛らしさったらもう! ホームズはどこまでも朴念仁な感じで、でももしかしたらワトソンのことを好きかもしれなくて、ワトソンはワトソンでちょっとホームズにそういう感情を期待していて。ああ本当に可愛いこの2人! 2人で嬉々とした様子で歌いながら推理するシーンなんて、見ていてすごくわくわくしました。韓国ではこのミュージカルの続編が作られてるそうなので、ぜひそれもまた日本でやってほしい! またこのコンビを観たいです!!

そして、事件の中心人物であるアダムとエリックの双子役は、浦井健治くん。正反対の双子の演じ分けが本当にすごかったです! 一人二役なので、出たり入ったりして演じ分けるのかなと思ってたら、なんとこのお芝居、双子の会話シーンがあるんですよ。立ち位置を右に左にずらすだけで、瞬時に切り替わるアダムとエリック!! 傲岸不遜なアダムは強く低い声で、内気で優しいエリックは儚く高い声でと、声も見事に変えてある! 表情に至ってはもう別人!! 素晴らしい演技力だと思います。それに、なんというか、浦井くんがこの役でよかったなと…エリックのどうしようもない優しさ、切なさが、綺麗に透き通った浦井くんの声で歌われると本当に胸にくる…。アダムの荒々しい声や表情も、その裏に潜む寂しさや悲しさやネタバレになってしまうので言えない諸々なんかが背景にほの見えて、もーこの双子が悲しい悲しい。ああでも、今回のお芝居を観て、滅茶苦茶悪役な浦井くんも観てみたいなと思いました。「待っていろ」という歌のシーンで、キャストが全員舞台に出てくるんですが、ホームズの陰でエリックが見せた冷たい笑みに痺れました! ぞくっとした!! 最初私ホームズに目が行ってたんですが、ふっとエリックに目をやった瞬間、鳥肌が立ちました。すごかったです。つい先日StarS武道館ライブのムック本が届いたんですが、その中で満面の笑みでふんどしだった人と同一人物とはとても思えない!(笑)
でも、エリックがホームズのもとへ依頼をしに現れたときに、兄のアダムについて「(アダムは)ボクシングのチャンピオンにもなりましたし!」と説明するシーンは、えらい勢いで可愛かったですよ(笑) 何ですか、そのほにゃんとした拳の突き出し方は! そしてそれをホームズにいじられるエリック(笑)。「チャンピオンになりましたし☆」とほにゃほにゃパンチをしつこく真似するホームズ…カーテンコールでも、さとしさんが「僕、この芝居を始めて身につけた特技があります! 浦井健治の物真似! 『チャンピオンにもなりましたし☆』」といじられまくり(笑)。(ちなみにこの後、さとしさんに物真似をふられて、浦井くんは武道館でも披露した美輪様ジブリシリーズをやってました)「あなたもいい体してますよね」とべたべたとホームズとワトソンに体を触られまくるシーンでは、浦井くん、割と素に戻って笑ってたような気が。

エリックとアダムの両方から愛されたルーシー役の昆夏美ちゃんはとことん可愛かったし、ポビーのボディガードのスレニー役の石井一彰くんはいつ見ても端正なお顔立ちに惚れ惚れしますし(でもカーテンコールで、まるで貞淑な妻のように竹下さんと腕組んで現れたときはどうしようかと思いました)、レストレード警部のコング桑田さんはなんだかとっても可愛いし、劇場主のマックス役の竹下宏太郎さんとホームズのコントシーンは無茶苦茶笑ったし、宇野まり絵さんの七変化(そして死にまくり)も面白かったし、ポビー役の大澄賢也さんは渋いしセクシーだし、もう本当にどのキャストも素晴らしかったです! 来週もう一度観に行くので、もう一回感想書いちゃいそうなくらい私この芝居大好きです。推理物なので、全部わかった上でもう一度観ると違った見方ができそうでいいですよね。
音楽も素敵でした。アコーディオンがバンドに入ってて、それがとても耳に心地いい。歌は、エリックの「追憶」が大好きなんですが、「待っていろ」もすごく耳に残っていて、気づいたら口ずさんでしまいそうな自分がいます。
あと、映像効果が上手い! ホームズが推理を始めたとき、ホームズの影がまるで黒い羽が飛び散るみたいにざわっとはじけて文字の群れに変わるシーン、すごくかっこよかった! 暗号を背景パネルに映して図解しながら解いてくれたりするのも親切設計で良いですね。

推理物としても楽しめるし、ラブストーリーでもあるし、キャラものとしてもよくできてるし、とっても楽しかったです。橋本さとしファンも一路真輝ファンも浦井健治ファンも皆楽しめる、全員のファンならもはや天国に違いない素晴らしいミュージカル! 観に行けて良かったです。本当に。DVDにもなるそうなので、絶対買います!

そして、終演後は、そのまま浦井くんのトークイベントに参加してきました。ファンクラブイベントなのでネタバレ厳禁だそうです。なので内容は書きませんが、浦井健治という人はお芝居に対して本当に誠実な人なんだなと。そうしみじみ思って帰ってきました。あ、でも、素で喋ってるときはやっぱりどこまでもほわんほわんしてて可愛いですよね(笑)。
「アルジャーノンに花束を」の再演も決まったそうで、とても楽しみです。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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