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お友達というよりは従者な感じの。

2013 - 12/24 [Tue] - 00:42

ミュージカル「モンテ・クリスト伯」を観てきました。日生劇場にて。
実は原作を読んだことがないもので、なんとなーく「無実の罪で投獄された人が脱獄してお金を手に入れて復讐する話」というくらいのイメージしかなかったのですが…あれっ、このお芝居、復讐が主眼じゃなかったー! 
というわけで、感想です。ネタバレしますよー。

19世紀初頭のフランス。ナポレオンがエルバ島に流された直後くらいのお話です。流刑にされたというのにナポレオンはまだ復活する気満々。なので、ナポレオン支持者は即刻捕らえられて投獄されてしまうご時世です。
そんなご時世だというのに、航海士のエドモン・ダンテスくんは、船長にお願いされてエルバ島に上陸し、ナポレオンから一通の手紙を受け取ってきてしまいます。政治のことにはさらさら興味のないエドモンくん。頭の中にあるのは、愛しい婚約者メルセデスのことだけです。けれど、そんなエドモンくんを面白く思わない男が2人。1人は同じ船会社のダングラール、エドモンくんが出世して次の船長になるのが気に入りません。もう1人はメルセデスの従兄のモンデゴ、彼はメルセデスに横恋慕中。そんな2人が手を組んだものだからさあ大変、ナポレオンからの手紙を持っていることを密告されたエドモンくんは逮捕されてしまいます。
エドモンくんを取り調べたのは、検事のヴィルフォール。あっさり釈放してくれるのかと思いきや、エドモンくんが手紙の届け先を言った途端に彼の顔色が変わりました。なんとそれはヴィルフォールの父親だったのです。父がナポレオン支持者として捕まった日には、己自身の地位も危うくなる。ならばこの男ごとこの話をもみ消してしまえと、ヴィルフォールはエドモンくんを投獄してしまうのでした。
無実の罪で投獄されたエドモンくん。髪も髭も伸び放題で見る影もありません。けれどある日、彼の独房の床に穴が開き、一人の男が姿を現しました。彼こそファリア神父、頭も良ければ腕も立つ万能の男。脱獄しようと穴を掘ってるうちに方向を間違えてエドモンくんの独房に来てしまったのです。エドモンくんは彼から様々な知識を伝授されます。が、ある日神父はお亡くなりに。神父は最期に、エドモンくんが脱獄するための唯一の方法と、巨万の富が隠された場所を教えます。神父の言った通りの方法で脱獄したエドモンくんは、途中で海賊に拾われ、神父が告げた財宝の隠し場所であるモンテ・クリスト島へ向かいます。見つけた財宝を前に、エドモンくんにどこまでもついていくよと誓った海賊の友達(という名の従者)ジャコポくんが尋ねました。「お前はこのお宝で、何を買うんだ?」エドモンくんは答えます。「俺はこの金で正義を買う。俺を陥れた3人に復讐を果たすのだ!」そうです、エドモン・ダンテスくんはもういません。モンテ・クリスト伯、それこそ彼の新しい名前。手に入れた財宝で地位を買い、社交界に潜り込み、今こそ復讐を果たすのです…!

…いやあの。そんな感じでじゃじゃーんと1幕が終わって、きっと2幕は血も凍るような陰惨な復讐劇がどばーんと展開されるんだと思ってたらば、復讐シーンは割と一瞬で終わってしまいましたよ。そして、メルセデスとの愛と許しの物語として美しく幕を閉じました。…いや、うん、そうですね、その方が万人受けしますよね…ミュージカルですもの、美男美女の愛の歌で幕を閉じたいですよね…「復讐相手が三人もいるからきっと三倍返し!」なんて期待した私の心が汚れてるんですよねははははーん…。
いえ、面白くなかったと言ってるんじゃないんですよ! ちょっと予想と違ってただけで、歌も演技も堪能してきましたですよ。

エドモン・ダンテスことモンテ・クリスト伯は、石丸幹二さん! やっぱりハンサムですよねー、この方! 2幕の、モンテ・クリスト伯のお屋敷に招待された客たちが口々に彼の噂(少年を愛でてるだの、愛人に会うためにアルプス山脈を貫いて鉄道を通しただの無茶苦茶なものばかりでしたが)を話してるところへ、満を持して登場するときの格好良さときたらもう! 赤い壁をバックに、黒いマントでばーんと登場!! きゃー素敵かっこいいー!! すごく声量のある方なので歌唱シーンでは圧倒されました。「エリザベート」のトート役や「ジキル&ハイド」のときも思いましたが、エネルギッシュで素晴らしい存在感。それにしてもいい声だなあ本当に…ノーブルなお顔立ちなので、伯爵衣裳がとってもお似合いで。でも、投獄前のシーンでの、無邪気とも言えるくらいきらきらした表情も可愛かったです。この人、こんな純真な表情もできるんだ…なんて思ってしまったのは内緒です(笑)。
メルセデス役の花總まりさんは本当に美しい方で! エドモンくんとの婚約披露宴の、まだ若い娘さんな頃の可愛らしさも素敵だったんですが、モンデゴの奥さんになって子供もできた後の、大人の女性になってからの美しさがすごい。ドレスが似合う! ちょっと不幸な、でも芯の強そうな感じの表情も素敵でした。
そして悪役3人衆のダングラール坂元健児さん、ヴィルフォール石川禅さん、モンデゴ岡本健一さん。この3人が歌う「罪を着せろ」がすごく好きです。この3人がまたそれぞれ個性が違ってていいんですよね。ひたすらお金に執着する、コミカルな表情のダングラール。権力を求める、冷たくて人を見下したような表情のヴィルフォール。己の欲望に忠実な、嫌らしいにやり笑いが似合うモンデゴ。1幕ラストで、モンテ・クリスト伯の復讐相手としてばばーんと3人並ぶシーンでは、それぞれの表情のらしさ加減にちょっと笑いそうになってしまいました(笑)。うーん、やっぱりもっとこの3人にねちねち復讐してもらいたかったかもしれません…短いよ復讐シーン!
エドモンくんを助ける女海賊ルイザはWキャストでしたが、私が観た回は濱田めぐみさん。ああ、「二都物語」のマダムの記憶がよみがえる…濱田さんの声が私はとても好きです。一度聴いたら忘れられなくなる張りと広がり。女海賊の衣装も素敵でした。まさかの太腿丸出し、膝上ブーツにロングジャケット!! 羽のついたお帽子もかっこいい! ルイザはそんなに出番はないんですが、ルイザ主役で一本お芝居作っていただきたいくらいですよ! 昔は普通の主婦だったってどんなドラマティックな人生!? 旦那の喉にぐっさりナイフ突き立ててその後は海賊暮らしって! モンテ・クリスト伯に「もう会うこともないだろう」と言われて別れるシーンで、ルイザもちょっとエドモンくんのこと好きだったのかなと思わせるような視線を残して退場するところがすごく印象に残りました。
大川勇くんが演じてたアルベールは、メルセデスとモンデゴの間にできた息子。ぼんぼんな感じの衣装がとてもお似合いでした。彼はなんかこう、可愛らしくもお馬鹿さんな感じでしたね(笑)。海賊に捕まってわーきゃー悲鳴あげながら頭抱えて蹲るシーンが情けない(笑)。あまりの情けなさに、モンテ・クリスト伯も海賊たちも「え? マジ?」「なにこれ、マジで?」と言わんばかりに顔を見合わせたり2度見したり。ラストの伯爵との決闘では結局婚約者にかばわれるというのがまた情けない(笑)。
そしてそして、モンテ・クリスト伯の友達(という名の従者)のジャコボくん!! 岸祐二さん演じてたこの彼が、私大好きで!! もともとはルイザの船に乗ってた海賊で、エドモンくんと決闘して命を救われたところから「お前には一生の借りができた!」「俺はお前の友達になりたい!」とエドモンくんにずっとついていくよ宣言をする彼。エドモンくんがお宝を半分やろうと言っても、「俺は要らない」ときっぱり断る彼。そして、モンテ・クリスト伯になったエドモンくんの傍にずっといて、彼の復讐を手助けする彼。情報収集から実行部隊まで何でもござれな有能すぎる彼!! ジャコボくん、それもう友達じゃなくて忠実なる僕!! 従者だよどう見ても!! ついには伯爵に襲いかかるモンデゴと戦って傷を負いつつもとどめを刺すという…伯爵をかばって殺されちゃったらどうしようかとはらはらしちゃいましたよ! 本当に、友情じゃなくて忠誠を誓ったとしか思えない。なんていい人なんだ…そしてラスト、一体どこへ行ってしまったんですかあなた…モンデゴが死んだのを確かめて、刺されたお腹を手で押さえつつも伯爵に向かってうなずき、そのまま退場してしまったジャコボくん。うん、わかるよ、この後は伯爵とメルセデスが愛の歌を歌って終わらなくちゃいけないから、あなたいつまでも舞台上にいたら邪魔だものね。でもジャコボくん怪我してるのにどこ行っちゃったのー!? 正直、ハッピーエンドを歌う伯爵とメルセデスよりもジャコボくんの安否の方が気にかかってしまったくらい、私が彼がお気に入りです(笑)。だっていい人なんだものー!

ところで劇場でもらったチラシに、ミュージカル「デスノート」が2015年に上演決定とありまして…ワイルドホーンさんの音楽で、栗山民也さんの演出ということは、相当しっかり作るわけですよね…ど、どんな感じになっちゃうのそれ! キャストが無茶苦茶気になりますよ。誰が月で誰がLなの、そしてリュークはー!? 

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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