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清須会議。

2013 - 12/02 [Mon] - 01:17

やっと観に行けました。三谷監督の映画「清須会議」。
小説が出た時点で買って読んで、これがまたものすごく面白くて、映画もずっと楽しみにしていたのです。
というわけで、感想です。ネタバレしますよー。

清須会議とは、織田信長の死後、その家臣達が織田家の跡目を決めるために行った会議のこと。跡継ぎ候補は2人、次男の信雄と三男の信孝。柴田勝家はしっかり者の三男信孝を推しますが、いずれは己が天下を獲ろうと野心に燃える羽柴秀吉は、うつけ者の次男信雄を推します。これはただの会議ではありません、この会議の流れ次第でその後の各人の力関係がばっちり決まってしまう、いわば一種の戦なのです。そこにからむのが、信長の妹のお市様。勝家からも秀吉からも惚れられているお市様ですが、かつて秀吉に夫と息子を殺されたお市様は、秀吉のことが憎くてたまらない。あの猿の思う通りにはさせるものかと、お市様は勝家の側につきます。臭いし教養もないし贈り物も気が利かない勝家のことなんて全然全くこれっぽっちも好きじゃないけど、いざとなれば色仕掛けまで使うくらいの心意気で勝家をあおるお市様。女って恐ろしい! でもそんなお市様にべた惚れの勝家はもうメロメロです。それに苦い顔をしているのが、勝家の盟友丹羽長秀。長秀だって、猿に織田家を乗っ取られたくはないのです。筆頭家老である勝家を全力でサポートし、秀吉の野望をくじきたい。なのに勝家ときたら、ことあるごとにお市様に会いに行ってしまう。違うだろう、そうじゃないだろう! お前がそんなことじゃ秀吉に負けてしまうぞ!! 着々と表情が渋くなっていく長秀。それに気づかず、宴会そっちのけでお市様のためにサザエを焼く勝家。苛々MAXな長秀。そしてそんな長秀に、ついに秀吉が接触をはかるのでした…。

小説版の、キャラの一人称によって細かく細かく語られる心情が大好きだったので、映画を観ながら頭の中で勝手に色々と補完してしまいました。小説版とは若干ストーリーも違うのですね。表現手法の違いもあるとは思うのですが、小説の方がキャラは立ってた気がします。でも、映画ならではの表現もあれこれ面白く、とても楽しめました。
特に面白かったのが、日本家屋ならではの部屋の配置を使った撮り方。中庭をはさんで向かい合わせの部屋や廊下が、こっちの部屋から丸見えという(笑)。お市様の部屋を出た勝家がどすどすと廊下を歩いていき、向こう側まで来たときにお市様の視線に気づいて手を振るとか。向こうの部屋で宴会してるのが、こっちの部屋に丸聞こえだったりとか。一つの庭挟んであんたら集まりすぎだろうという気もしないではないですが、やっぱりこういう見せ方は映画だからできることですね。

秀吉役は、大泉洋さん。お芝居上手くて面白くて、私この人大好きなのです。舞台「ベッジ・パードン」で初めて生で観たときには、大泉さんの意外なほどの格好良さに惚れ惚れした覚えがあります。テレビや映画で観るとどうしても「面白い人」なイメージが強いのであまり格好良さを意識することはないんですが、生で観ると「あれ、この人、背も高いし華もあるし、実はとってもかっこいい…?」となってしまいまして(笑)。
とはいえ今回のビジュアルは、何しろ秀吉役なので猿っぽい。大きな耳つけてて、あと、髷がなぜかすごく細い。衣装合わせのときに三谷監督から「(秀吉は小柄だったので)大泉さんは小さくなれますか?」と言われたそうで、なるべく猫背になって小さくなる努力をしたとか(笑)。実際、映画の中では、撮り方もあるのでしょうけど、あまり長身には見えませんでした。尾張弁も面白かったです。そして、「想像を超える馬鹿」だった信雄に振り回される様も面白い。大泉さん演じる秀吉はとにかく人たらしで、陽気でお調子者で、でも馬鹿騒ぎの陰で様々に知恵をめぐらせ、ついさっきまで笑顔で語り合っていたはずの相手を「いつか滅ぼす」と同じ口であっさり言うような人。ある種極端なキャラなのにどこまでも人間臭い人を描く三谷監督ならではの秀吉だったと思います。

勝家役は、役所広司さん。実に暑苦しい勝家でした!(笑) 汗っかきな設定なので、なんかもう常にギトギトしてる。廊下を歩くと、足の裏の汗で足跡がくっきりついてしまうという…そしてそれを一生懸命拭く下男(笑)。体臭もきついらしい…ああ、お近づきになりたくないタイプ(笑)。性格は素朴で不器用で真面目で一生懸命な人なんですが。お市様の掌の上で見事転がされまくってましたねー。ラスト、お市様との結婚が決まり、お市様のお部屋に来てた秀吉に向かって「(俺達が祝言あげること)聞いた?」とものすごい軽い口調で訊くのが可愛い(笑)。あんた、ついさっきまで会議という名の戦場で戦ってた相手に向かってそんな口調か! しかも、お市様の手を取って、「向こうで話そう♡」とこれまた少年のような口調で言って出て行ってしまうという…何だろうこの可愛いおじさん! お近づきにはなりたくないけど、この人を放っておけないと思う長秀のような人がいるのもなんだか納得できてしまいます。

小日向文世さん演じる長秀の苦労キャラ、妻夫木聡くん演じる信雄の想像を超えた馬鹿ぶり、寺島進さん演じる官兵衛のできる男ぶり(でも、泣きわめく幼児相手に「さあ坊や…おじさんといいことしよう…」と言いながら近づいていく様はどう見ても変態さんでした)、佐藤浩市さん演じる恒興のどっちつかずさ加減、浅野忠信さん演じる利家の男前ぶり(でも彼が走るシーンはかなりの笑い所)、鈴木京香さん演じるお市様の怖さと面白さ、中谷美紀さん演じる寧のキュートさと、各キャラ本当に魅力的なんですが、最後の最後で色々持って行ってしまったのが剛力彩芽ちゃん演じる松姫様…小説を先に読んでいたのでオチはわかっていたんですが、それでも彼女が最後に見せたあの表情にはどきりとしました。眉を剃ってお歯黒つけてというメイクの力もあるのでしょうが、怖かった!

今週末は、三谷さん演出の「ロスト・イン・ヨンカーズ」を観劇予定です。はからずも三谷幸喜強化週間的な流れになってますが、やっぱり私、三谷さんの作品大好きです。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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