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映画。

2013 - 11/04 [Mon] - 00:51

ちょっと前に観たのですが、そういえば感想を書きそびれていました。
「そして父になる」。
福山雅治ファンとして観ないわけにはいかないこの映画! あちこちで幾つも賞をとって、公開前からずっと話題になっていましたね。情報番組で取り上げられるたびにちまちま録画して、事前情報だけで結構お腹いっぱいになってたんですが。はい、とてもいい映画でした。あれこれ感想を書き連ねるというよりは、ちょっとしたシーンや台詞をふっと思い出しては考え込みたくなる感じの映画なんですけどね。

「6年間育てた息子は、他人の子でした」というところから始まるこの映画。福山雅治さん演じる野々宮良太と、尾野真千子さん演じるみどりには、慶多という名前のそれはそれは可愛い子供がいて。リリー・フランキーさん演じる斎木雄大と、真木よう子さん演じるゆかりには、琉晴という名の元気でやんちゃな子供がいて。どちらの家族もそれなりに幸せに暮らしていたというのに、ある日病院からかかってきた電話で全てが崩れてしまう。正反対といってもいいくらい違う二つの家庭は、戸惑いながらも交流を始め、そしてついにはお互いの子供を交換しようとするのですが…というお話です。

一流大学を卒業し、大手建設会社で働き、都心の高級マンションに住む、エリートを絵に描いて額縁つけたような良太。「ああこういう人いるいる」という程度に高慢なちょっと嫌な人なんですが、この役がまた福山さんによく似合っている…いや、勿論演技もよかったんですけど、ただでさえ背は高いわ顔はいいわスタイルはいいわ声もいいわと、普段から「あの人は何でも持ってる」と世間に思われてるような福山さんだからこそという感じもちょっとあって。最初に「是枝監督と映画やります、僕のやる役はちょっと嫌な奴です」とラジオで福山さんが言ってるのを聞いたときには「え、嫌な人の役ならあんまり観たくないかも…」なんて思ったりもしたんですが、実際に観てみるといいキャスティングだったんだなと思いました。そして、そんな良太が育った家庭の事情なんかが出始めると、良太というキャラにさらに深みが出てきたりして。風吹ジュンさん演じる血のつながらないお母さんに電話を掛けるシーン、すごく良かったなあ…。で、ちょっとずつ父親らしくなる努力を始めるところとかも。とりあえずキャンプに行く暇はないからお家のリビングにテントを張って、ベランダでエア釣りを行うという(笑)。アウトドアなお洋服もちゃんと買いそろえるところが、さすが形から入るエリート人間な感じです。デジカメに残ってた写真に気づいて泣くシーンも、その後の慶多に向かって「パパだったんだよ」というシーンも、本当に良かったです。泣けました。
でも、福山さんがこんな風にパパ役をやってる姿はとっても新鮮。「コレステロール高いんだから、夜は卵食べちゃ駄目!」と妻に言われて、子供にも駄目って言われてばたっと倒れて拗ねるところとか、普通に可愛かった(笑)。琉晴くんが最初に家に泊まりに来たときに、真っ先に箸の持ち方を直すところとかは、本当に福山さんやりそうだなと思ったり。あと、どう見ても良太はギターとか弾きそうにないのに、良太のお部屋にギターが置いてあるのは何故…琉晴くんが部屋に乱入してきそうな気配を察して武器になりそうなものを探し始める姿に吹き出し、最終的にギターをかっこよく構えて「ばん!」と言ったときには反則だーと思いましたよ(笑)。

みどりを演じた尾野さん。ちょっと前にやってたテレビドラマの「最高の離婚」が大好きだったので、元気でずぼらなイメージがついてしまってたんですが、みどりはそれとは正反対の人でしたね。なんかもうとにかくみどりが可哀想で可哀想で。どっちかというと私は良太の方にものの考え方が近いタイプなんですが、慶多のピアノ教室が終わるのを待ちながら泣き出しちゃうシーンとか、慶多を向こうの家に渡すことになって写真の類を全部片づけるシーンとか、私もつられて何度か泣いてしまいました。いい女優さんだなあ…大好きです。
リリーさんは、色んな意味ですごかったです。何なのでしょうこの何もかもが自然な感じは!! あまりに佇まいが自然すぎて、この人普通に電気屋営んでて子だくさんなんじゃないかと思ってしまいそうですよそんなこと全然ないって知ってるのに!! 芝居してる感じがほとんどしないんですよね、本当にすごい。またこのリリーさんが演じてる雄大が、「ああこんな人いるいる」という感じに品がなくて金に汚くて、でも「こんなパパいるいる」という感じにいい父親で。子供と一緒にひっくり返って遊べる雄大と、そんなことしたくない良太。新しいおもちゃをいくらでも買ってあげられる良太と、壊れたおもちゃを直せる雄大。この差のつけ方が絶妙でした。子供にとってどっちがいいパパなのかというと、ちょっと正反対すぎるので何とも言えないんですけどね。
ゆかり役の真木さんも、「最高の離婚」に出てましたね。「龍馬伝」では福山龍馬の妻でした。ゆかりは、ぱっと見ぶっきらぼうでちょっと怖い感じなんですけど、実はすごくキュートな女性。子供たちに向かってウインクする様が可愛い。ゆかりとみどりもまた、対照的な役。でもどっちも、本当に子供のことを愛してる。こちらはどっちもいいママですよね。

是枝監督の作品は、実はあんまり観たことがなかったりします。「誰も知らない」はいつか観よう観ようと思いつつ、観たら落ち込みそうなのでまだ観てない…いつか観ます、はい。ちょっと前にテレビでやってた「ゴーイングマイホーム」は観てました。あのドラマはとにかく映像が綺麗で、テレビでこれやるのかというくらい贅沢な感じで、大好きでした。今回の映画も、すごく映像素敵でしたね。美しい映像、というより、空気感がいい。でも色々容赦がない。これをハリウッドでリメイクしたらどうなっちゃうんだろう…少なくともこの空気感は出ない気がします。うん、「誰も知らない」も近いうちに観よう。
映画を観ている最中ずっと思っていたのが、血のつながりってそんなに大切なのかな、ということでした。私が同じ状況だったら確実に血よりも一緒にいた時間の方をとってしまう気がして。でも、「この先、この子はどんどん向こうの両親に似てくるんだ」ということを考えると、心のどこかが軋む気がするのも確かで。たとえば子育ての最中に何か問題にぶち当たる度に、「この子は私と血がつながってないから」と思わずにいられるかというと、そんな自信は全くないわけで。うーん、これは本当に難しい…などと、子供もいないのに真剣に考えてしまうような、そんな映画でございました。私この映画かなり好きです。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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