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100万回。

2013 - 01/14 [Mon] - 15:50

お外が大変なことになってます。
2013初雪
横浜初雪…いやあの、初雪ってのはもうちょっと慎ましやかでもいいんじゃないかなーと…すっかり雪国の眺めです。この写真の後もどんどん積もって、もー本当に大変な感じ。近所の子供がうちの前で雪合戦してますよ。若いっていいな!

それはともかく、先日ミュージカル「100万回生きたねこ」を観てきました。東京芸術劇場にて。たぶん泣くだろうなーと思ったので一人で観に行ったんですが、泣いた! レミゼより泣いてしまいましたよ!
というわけで、感想です。ネタバレしますので、これから観るという方はスルーしてくださいませー。

「100万回生きたねこ」。佐野洋子さんの世界的な名作絵本が原作です。実は私、最初にこの絵本を舞台化すると聞いたときには、絶対観に行くもんかと思っていたのです。なぜって、原作の絵本が好きすぎるから。いまだに手元に持ってて、いまだに読むと泣ける絵本です。舞台化なんて絶対無理、原作の世界観を壊さないでほしい、そのくらいに思っていたんですが…去年「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を観に行って、森山未來くんにすこーんとはまってしまいまして。「髑髏城の七人」のときにもかなり魅かれましたが、もうあのヘドウィグがすごすぎて。で、「100万回~」に未來くんが出るというので、ついつい…。
で、結果どうだったのかというと、原作のストーリーを上手いことふくらませて、舞台は舞台でまた別の雰囲気になってたなと。

お話は、たぶん知ってる方も多いはず。100万回も死んで、100万回も生きたねこのお話。100万人の人がそのねこを可愛がり、100万人の人がねこが死んだときには泣き――でも、ねこ自身は、飼い主のことなんていつだって大嫌いで。そんなねこが、あるとき誰のねこでもない野良猫に生まれつきます。何しろ100万回も死んだねこです。そりゃもう立派なとらねこです。周りの雌猫にももてまくりです。でもねこは、自分のことが一番好きだったので、誰にも見向きもしないのです。
けれど1匹だけ、ねこに見向きもしない白いねこがいたのです。ねこが何度「俺は100万回も死んだんだぜ!」と自慢しても、「そう」と言うだけ。やがてねこは言います。「そばにいても、いいかい?」…ねこは初めて、自分以外に大好きな相手に出会ったのです。

というわけで、自分大好きなねこを落としたのは、ツンデレであったと。
いや、これはそういうまとめをしていい芝居じゃなくて!!

とにかくこのお芝居、主役の100万回生きたねこを演じる未來くんの動きがすごかったです。やっぱ身体能力無茶苦茶高いなこの人。一体どんな関節してるんですかっていうくらい体が柔らかいし、筋力もすごい。結構高い棚に平気で飛び乗ったりするし、足だけ棚に引っかけてだらーんと後ろにひっくり返ってぶら下がったりする。二足歩行もするので完全に猫というわけではないですが、確実に人間以外の何かでした。
二幕構成のうち、一幕めは、ねこが野良猫になる前の部分。飼い主の女の子(満島ひかりちゃん。とんでもなく可愛かった!)が、遊んでいるうちにうっかり毛糸を猫の首にからめてしまい、ねこが死んでしまうところから始まります。自分がとんでもないことをしでかしたことに気づき、泣く女の子。もう、ここですでに泣ける私(笑)。猫が死ぬシーンっていうのはどうもね…ずっと猫飼ってる人間にはきつい。
が、ふと気づくと女の子の部屋だったはずの場所は、まるで夢と溶け合うかのように、別の場所へと変化していく。ドールハウスから引っ張り出した兵士の人形のらっぱを吹き鳴らすと、部屋の中には兵士と女王様、そして王様が現れる。王様が連れているねこは、さっき死んだはずの女の子のねこ。「とらねこちゃん!? 死んだんじゃなかったの!?」「ああ、死んだよ。毛糸が首にからまって、ぐえっと。でも今は、この王様に食べ物をもらってる」驚く女の子に、平然とねこは答えます。そして女の子は、何度も死んではまた別の飼い主のもとで生きるねこを追いかけて、様々な場所を移動していくのです。どろぼうが忍び込んだ家、海の上の小舟、サーカス、おばあさんの住む小さな小さな家…どこへ行ってもそのうちねこは死に、その度に飼い主の人間は泣く。ねこは泣かない。だってねこにとって、死ぬことはなんでもないことだから。
猫が死ぬシーンになる度に泣くことになったらどーしようと思っていたんですが、最初に女の子が泣くシーン以外は、ちょっと面白い演出がされていたのでそんな心配は無用でした(笑)。飼い主が泣くシーンになると、どこからともなく、魚頭のスタッフが黒子的にやってくるのですよ。これが本当に魚の頭で。黒のジャケットの首からぬらんと魚の頭が出てて、下は普通にズボンはいてて二足歩行で、ちょうど不思議の国のアリスの公爵夫人の家の使用人みたいな。で、こいつらが、様々な涙の演出を行うんです。たとえば王様が泣くシーンだと、何本ものワインボトルを王様の両脇で振って涙のように見せる。泥棒が泣くシーンだと、バケツもってやってきて、泥棒が泣き声をあげながらその中に入ってる雑巾をじゃばーっと絞る。そんでもって、こぼれた水はいちいち魚頭達が丁寧に拭いて去っていく(笑)。サーカスの手品師が泣くシーンは魚頭ではなく、手品師の助手が涙の演出をしていたのですが、これがまたすごかった。手品師が「うえええええ…」と泣くと、助手Aが左に向かってすぱーんと銀糸を飛ばす!また「うえええええ…」と泣くと、今度は助手Bが右に向かってすぱーん。「うええええ…」助手A、クラッカーをぱーんと鳴らす。「うええええ…」助手B、細かく切った銀紙をぱあっと辺りにふりまく。うん、泣けない(笑)。ここまでしてくれたら、さすがに猫好きな私でももらい泣きはない!(笑)

で、第二幕は、野良猫になったねこの物語。ねこと白いねこの出会いと、その終焉。白いねこを演じるのは、またしても満島ひかりちゃん。本当に可愛いなこの人。ねこと白いねこの愛の語らいのシーンが好きです。このお芝居、台詞に言葉遊び的な要素が非常に強いんですが、この愛の語らいが、全部しりとりになってて。「好き」「気障「残酷」とか。「タンゴ!」「ごめんなさい」「一緒に」「苦手」「手を」「――おまかせします」とか。
二匹が年をとり、白いねこが死ぬシーンも、やっぱり最初はしりとりで。「眠い?」「いいや」「休む?」「…むかしばなし」「してあげるよ」「…よぼよぼ」「僕も」「…もう、時間」こうして、しりとりが終わってしまって。白いねこに膝枕してあげながら、ねこが空を眺めるシーンが本当に悲しい。白いねこが死んだことに気づき、号泣するねこを見ながら私も号泣。今こうして感想書きながら思い出して泣けるくらいですよ。ああもう。だって今まで一回も泣いたことないねこが初めて泣いてるんですよ。夜になって朝になってまた夜になって朝になって、100万回も泣いて、そしてある日泣き止んで、白いねこの隣で静かに動かなくなるねこ。うう、やっぱり泣ける。原作の絵本のここの挿絵がまたいいんだ…。

今回のミュージカルは、演出をイスラエルの演出家の方がやっていたそうです。普段はダンス作品の演出をしているのだそうで、劇中に何度も挿入されたダンスシーンはちょっと不思議な雰囲気。楽団の使い方や歌の入り方もよくあるミュージカルとはちょっと違っていて、面白かったです。役者さんも、未來くんやひかりちゃんは勿論、田口浩正さん、今井朋彦さん、石井正則さん、銀粉蝶さん、藤木孝さんと素晴らしい方々がそろってて。彼らが全員第二幕では雌猫を演じてるんですが、これがまた楽しかったです。石井さんのノリノリ具合が素敵(笑)。
ただ、台詞の言葉遊び加減や独特過ぎる雰囲気など、多少好き嫌いのわかれるお芝居かなーと。ミュージカルを観たというよりは、ダンス+お芝居を観たという感じに近い。私は結構好きですが。

そういえばこのお芝居、劇場で、劇中で使われたのと同じデザインの服が買えます。海のシーンで、難破船の歌手が歌うときに(原作にはないんですが)、周りでくるくる踊ってるダンサーが着てる衣装の…レギンス? タイツ? 綺麗だったので、つい買ってしまいました。
P1120001 (263x350)
綺麗だけど、相当派手ですな…さて、どこで着よう(笑)。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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