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レミゼ。

2013 - 01/06 [Sun] - 02:47

今年の新年初映画は「レ・ミゼラブル」でしたー。
有名なミュージカルですが、実はまだ観たことはありません。有名すぎると逆になかなか手が出ないこの不思議。原作は、子供の頃に通っていたピアノ教室で、待ち時間に子供向けダイジェストを読んだなーというくらい。世界的名作なのに駄目じゃん私!!
というわけで、感想です。例によってネタバレしますよー。

レ・ミゼラブル。私が読んだ子供向けダイジェストのタイトルだと「ああ無情」。お話は、まあほとんどの皆様が漠然とご存じなのではないでしょうか。パンを一つ盗んだばっかりに19年も投獄されたジャン・バルジャンの物語。やっと仮釈放されたものの、彼の罪は「一生もの」。まめに出頭しなくちゃいけないわ、どこ行っても仕事もらえないわで可哀想なバルジャン。すっかり荒みきった彼は、泊めてもらった修道院の銀器をごっそり盗んでしまいます。当然ながら逮捕された彼に、しかし司教様は言います。「それは彼にあげたんですよ。ああ君、この燭台も持っていきなさい」と。司教様の優しさに、一気に改心するジャン・バルジャン。釈放状を引きちぎり、身も心も別人に生まれ変わる決意を固め…そして、何をどうしたのかは全くわかりませんが、8年後の彼はマドレーヌと名前を変え、事業家として大成功を収めています。金だけではなく市長という地位まで手に入れて、清く正しく優しい男として生きている。そこへ現れたのが、かつて牢獄で監督官としてバルジャンをいじめまくっていたジャベール警部。彼の前でうっかり怪力を披露してしまったのが運の尽き、「マドレーヌ=ジャン・バルジャン」であることをジャベールに勘付かれてしまいます。折しもその頃、バルジャンの工場で働いていた女工のファンテーヌは、同僚の嫌がらせにより工場を追い出され、娼婦に身を落とす羽目に。バルジャンが助けたときにはもう遅く、病で命を落とすファンテーヌ。彼女から愛娘コゼットのことを頼まれたバルジャンは、悪どいにも程があるだろうというテナルディエ夫婦に預けられていたコゼットを引き取り、ジャベール警部の追跡をかわしながら、大事に大事にコゼットを育てます。けれど時代は混乱を極め、やがて革命へと向かっていく。その最中、革命に加わる若い学生マリウスとコゼットは恋に落ち、バルジャンはコゼットのためにマリウスを守ろうと、自らも革命へと参加するのです――。

パンひとつ盗んだだけで19年の投獄。いくらなんでも長いだろと子供心にも思ったものです。窃盗罪分が5年で、残りは脱獄しようとしたかららしいですが、それにしても長いってば。
ジャン・バルジャンを演じたのは、ヒュー・ジャックマン。私、この人のファンなのです。「X-MEN」シリーズも勿論好きですが、「ニューヨークの恋人」は私の中の恋愛映画部門ランキングで常にトップ3に入ります。「プレステージ」も好き映画の上位に必ずいる。彼はもともと舞台の人だそうで、歌う姿には全く違和感はなく、囚人時代から仮釈放時はもうどこから見ても犯罪者な風情で、生まれ変わってからはどこまでも紳士で、全身でジャン・バルジャンを演じ切っていました。それにしてもジャン・バルジャン、幼いコゼットを抱えてジャベール警部から逃げるシーンで、逃げ方がものすごい…コゼットを抱えて走る走る。それどころかロープ使って高ーい壁の上にするする上る。怪人二十面相かと思いましたよ! 怪我したマリウス担いで下水道を行くシーンでは、泥だるまと化していましたが…ええと、マリウス破傷風とかならなかったのかな…パリに行ったときに下水道見学したけど、かなり本気で汚かったですよ。
バルジャンの宿敵ジャベール警部を演じたのは、ラッセル・クロウ。歌う人というイメージはなかったんですが、意外なほどに歌が上手い。バルジャンをどこまでもどこまでも追い、最後はバルジャンに命を救われ、負傷したマリウスを病院へ運ぼうとするバルジャンを見逃したことにより、アイデンティティが崩壊して身投げしてしまうジャベール。ええとジャベールくん、他にも追うべき罪人はたくさんいるんじゃないかな! 他にやることあったんじゃないかな、何も死ななくてもいいんじゃないかな! 橋の上から川に身を投げたジャベールが落下した際、「ばしゃん」でも「どぼん」でもなく「ぐちゃっ」というか「ばきっ」というかものすごく痛そうな音がしたのが、妙に怖かったですよ…確かに、水の浅そうなところを狙ったかのような落ち方でしたけど。
コゼットの母ファンテーヌ役は、アン・ハサウェイ。「ダークナイト ライジング」のキャットウーマンのイメージがまだ新しかったんですが、娘への送金のために長い髪を売り、奥歯も売り、娼婦に身を落としたその姿がかなり壮絶で痛々しかったです。素晴らしい熱演でした。泣きながら歌う「夢やぶれて」がまた切ない。
でも、今回の映画で一番切なかったのは、やっぱりエポニーヌかなあ…コゼットが預けられてた宿屋の娘。マリウスに恋をしていたけれど、マリウスは彼女の恋心に気づいておらず、一目惚れしたコゼットの家探しを頼んできたりする。恋に破れたエポニーヌは、それでもマリウスの傍にいたくて革命に参加し、命を落としてしまう。サマンサ・バークスという女優さんが演じていたんですが、顔は割と地味で、腕も太いんですが、ウエストがびっくりするほど細い! そして歌が上手い! 彼女が死ぬシーンは泣けたなあ…もう本当に可哀想で可哀想で。
あ、あと、エポニーヌのご両親であるテナルディエ夫妻もやたら印象に残りましたね。演じていたのはサシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム・カーターという映画版「スウィーニー・トッド」に出ていた二人なんですが、この人たちだけスウィーニー・トッドの世界観を引きずってる(笑)。もうとにかく悪い! でも、その悪さが「この極悪人!」て感じじゃなくて「この小悪党め!」な感じで(笑)。愛すべきしぶとい悪党を演じてました。

役者さんは皆様歌が上手く、細部まで作り込まれた画面は見応えがあって、実に出来の良い映画でした。ラストシーンでは劇場内のあちこちでぐすぐすと鼻をすする音が。私も三回ほど泣いた覚えが。エポニーヌが死ぬシーンと、革命に参加して死んだまだ幼いガヴローシュ(これがまたとんでもなく可愛い)の遺体の上にジャベール警部が自分の勲章を置くシーン、あとはラスト。バルジャンが死ぬところまでは割と普通に見てたんですが、バルジャンの魂が修道院の奥へと進んでいくとどこからか「民衆の歌」が聞こえ始めて、ふと気づくとバルジャンは革命に参加した若者達やファンテーヌと一緒にいるっていう、あのシーン。皆で大声で「民衆の歌」を歌いだすあそこで、もうぐわあっと涙が。一人で観に行ったんじゃないのに涙が。泣ける映画はなるべく一人で観るべきなのに! もー本当に、ぐわあっと。いい映画でしたー。

映画を観終わった後は、友人と一緒に横浜ベイクォーターの中にあるジャパニーズフレンチのお店「サンス コロニアルビーチ」でランチを食べたんですが、ここのランチコースはなかなかリーズナブルな上に美味しかった! こちらのわがままも聞いてくださって、ニンニクの苦手な私が「すみません、パスタからニンニク抜いてもらってもいいですか」とお願いしたら笑顔でOKでした。アーリオ・オーリオってメニュー名に入ってるのに!いいんだニンニク抜いても!
映画も満足、ごはんも満足と、素敵な一日でしたー。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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