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ヒーローというよりは犯罪者のような御顔。

2012 - 12/16 [Sun] - 17:59

そんなダニエル・クレイグさんが、私は大好きです(笑)。
いきなり何事かという感じですが、土曜日に007シリーズの最新作「スカイフォール」を観てきたのです。公開からちょっと時間が経ってしまったせいか、小さめのスクリーンでの上映ばかりになっていたんですが、どうせならIMAXで観たくって。探してみたら、朝イチの回ならまだやってた! よかった!
というわけで、感想です。例によってネタバレしますよー。そして長いですよ。

NATOの諜報部員の情報を盗んだ犯人を追跡中、仲間の誤射で滝つぼに転落したジェームズ・ボンド。上司であるMでさえ彼が死んだと思い、追悼文を発表。けれど「趣味は生き返ること」なボンドくんはばっちり生きていて、酒と女に溺れつつも「諜報員じゃない人生」をどことも知れぬ海辺の町で堪能していました。今日もボンドくんは他に客のいないバーで酒瓶を抱えていたのですが、背後のテレビに映し出されたニュースに「諜報員である自分」がついつい反応。というのも、そのニュースとは、MI6本部が何者かに爆破されたというものだったのです。イギリスに舞い戻るボンド。MI6本部を訪ねるのではなくMのご自宅に不法侵入するところが、さすが普通の人とは違います。
しかし、敵に撃ち込まれた劣化ウラン弾の後遺症と不摂生が祟って、復帰試験に見事不合格するボンドくん。それでもMは、その事実を隠して彼を復帰させます。MI6爆破の犯人は、Mの昔の部下だったシルヴァ。Mに対し「過去の罪を思い出せ」と執拗にメッセージを送ってくるシルヴァは、かつてボンド以上にMから信頼されつつも見捨てられた諜報員だったのです。これは、そんな「かつての部下」と「今の部下」が上司Mへの愛を争うお話…ではないです、たぶん。

007シリーズ。実はシリーズ全部を観ているわけではなかったりいたします。ショーン・コネリーのは割と観た覚えがありますが、今思うと結構トンデモネタがあったなあ…日本人に変装して忍者修行したりとか。魚雷的に発射されたりしてたのもあったような(笑)。
劇場で007を観たのは、ダニエル・クレイグ版になってから。最初の「カジノ・ロワイヤル」が面白くて、それ以来、007は劇場で観るようになりました。スパイ映画としてではなく、アクション映画としてとてもよく出来ていると思います。劇場であのテーマ曲聴くと、テンションが上がります。
ボンド役のダニエル・クレイグは、本当に犯罪者面な御方で(笑)。MI6から死亡扱いにされて酒と女に溺れて日々を過ごすボンドのシーンが、もう無茶苦茶似合ってて。でもこの方、すごい筋肉ですよね。「ロード・トゥ・パーディション」のあの駄目なおじさん役と同一人物とはとても思えない。スーツでアクションするというのがまたかっこよくて好きです。あと、この方のニヤリ笑いは大変いやらしくて良いですね(笑)。今回も、マカオのホテルでお部屋にナオミ・ハリス演じるイヴがやってきたときの彼のニヤリ笑いはそりゃもういやらしかったですよ。
イヴは、最初にボンドをライフルで誤射してしまう諜報部員。ボンド復活後は、彼のサポートについてお髭を剃ってくれたり、セクシードレスでカジノに一緒に来てくれたり、ヒールのかかとで敵を踏んづけてくれたりします。ナオミ・ハリスは「28日後…」のときはひたすらにたくましく血走った眼差しの女性という印象でしたが、今回のイヴ役はとても可愛らしい感じでした。そして最後に明かされるイヴの本名。世代交代ですねえ。
世代交代といえば、Q役も。ボンドが扱う素敵武器を開発するおじいちゃん、Q。最近出てこないなと思ってたら、今回はいきなりキャスティングが若返って、「パフューム~ある人殺しの物語~」のベン・ウィショーがQに! 素敵なおじいちゃんから素敵なもっさり眼鏡の若者に! これは次回以降も楽しみな感じですよ!!
敵役シルヴァは、「ノー・カントリー」で不気味すぎる殺人鬼を演じたハビエル・バルデム。この人の存在感はすごいです。喋り方といい、目の動きといい、表情といい、一見愉快な感じのくせに底知れぬ不気味さを持ってて。Mを信じ、Mに見捨てられたことを悟った瞬間に死を選んだのに死にきれなかったシルヴァ。製作陣は「ダークナイト」のジョーカーを目指してシルヴァを作ったらしいですが、バックグラウンドがはっきりしていない分余計に不気味だったジョーカーに比べて、シルヴァはより悲しい男になっていました。復讐の鬼と化してよみがえり、最後はMと共に死ぬことを望んだ彼。うん、好きだこの人。
しかし、この映画での一番のキモは、やはりジュディ・デンチ演じるM! 素晴らしい女優さんです。「カジノ~」以降のMは、パートナーらしき男性とベッドで一緒に寝てたりと女っぽさが出てきてたように思いますが、今回はお話自体がMを中心に回るので、これまでで一番人間臭いMが見られました。シルヴァのことなんて忘れたと言いつつ、逮捕したシルヴァを尋問した後にボンドに向かって、シルヴァの本名と彼を見捨てた理由を話すシーンは、Mらしくない感傷のようにも思えましたが、それだけMがシルヴァのことを大事に思ってたということだったのかもしれません。
Mとボンドの関係が良いです。はっきり言って、クレイグ版ボンドはMの手に余る破天荒ぶり。で、Mもがんがんにそんなボンドくんをけなしまくる。でも、Mが現在一番信頼してるのはボンドだし、ボンドも何を犠牲にしてもMを守ろうとする。だけどお互い、とにかく口が悪い(笑)。ボンドがMの自宅に押しかけて復帰報告をしたときの会話のやり取りが好きです。「ジェームズ・ボンド、職務に復帰することをご報告いたします」「酒と女に溺れてたくせに」見抜かれてるよボンド!「じゃあ僕、アパートに帰ります」「もう売ったわ」「……」「私物は倉庫に。独身の諜報員が死んだときはそうするの」「…じゃあ、ホテルを探します」「ええ。ここには泊めないわよ」うーん、冷たい。シルヴァからMを守るために、Mを連れたボンドが公用車から私有車に乗り換えたときのMもいい。満を持して登場だったボンドカー(アストンマーチンDB5!)に対し、「まあ、なんて目立たない車かしら。…乗り心地悪いわね」と呟くM。これぞボンドくんの上司にふさわしい。愛してますM!

しかしこの映画で一番私が愛してるシーンは、Mを連れてボンドくんが懐かしの実家に戻った後。何がすごいって、大量の部下を引き連れてやってくるシルヴァを迎え撃つのがボンドくん+おじいちゃん(ボンドくんの子供の頃からの知り合いの猟師)+おばあちゃん(M)というところ。ボンドくんはいいですよ、そりゃボンドくんは。でも、残り二人が何しろ「あ、足元気を付けて!」と思わず手を貸したくなるようなお年寄り二名! よく考えなくても、ものすごい構図(笑)。この三人で、ボンドくんの実家であるお屋敷に様々な罠を仕掛け、古典的な鏡によるトリックなんかも使って敵を翻弄する! ある意味ホーム・アローンみたいなノリ(仕掛けてある罠は凶悪すぎるけど)!

あっちもこっちも世代交代なお話ではありましたが、私今回の007かなり好きです。そして次回作も楽しみです。特にQが!

そして、映画を観終わった後は、友人とマンダリン・オリエンタル・ホテルでアフタヌーンティーを食べてきました。ここのアフタヌーンティーはコース形式で、大変ゴージャスで美味しい。
サンドイッチ
これがサンドイッチ。キノコのムースにフォアグラを載せて云々(よく覚えてない)な9時の位置にあるやつが特に美味しかったー。
スコーン
スコーンは3種類。なんだか前に来た時より小さくなった気もしますが、でも美味しい!
口直し
で、口直しのゼリー。イチゴのやつで、すごく色が綺麗でした。
最後にやってくるのがこのプチスイーツが満載なスイーツタワー。クリスマス仕様で可愛かった!
スイーツタワー2
タワーの一番上にこんな飾りがついてるのです。クリスマス時期はいいなあ本当に。
スイーツタワー
窓際の席だったので眺めも良かったのですが、ちょっと天気が悪くて残念。「まあでもちょっとスチームパンクな感じでいいよねこのガスってる感じが」「ああうん、絶対下に切り裂きジャックいるね。もしくはゾンビね」などと、優雅な午後のお茶にふさわしくない会話をしてきましたよ(笑)。
世界は大丈夫なんだろうか?的な。
…なんか私、最近携帯で写真撮ると妙に不吉な感じになるんですよねー…世界は大丈夫なんだろうか的な不吉さをまとう。なぜだ。
ここはルピシアと提携してるので、紅茶は基本ルピシアの茶葉。一杯ずつオーダーして、何杯でも好きなのをおかわりできるのがうれしい。美味しかったですー。

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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