瀬を渡り水の向こうへのナビゲーター   topページ > 2013年02月24日  

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遠い夏の。

2013 - 02/24 [Sun] - 17:14

昨日の深夜、ひさしぶりに中島みゆきさんの声をラジオで聴いてしまいました…オールナイトニッポン45周年スペシャル企画番組。私はあの方が昔やっていた「お時間拝借」というラジオ番組を毎週聴いてたんですが、その頃と何も変わらない素っ頓狂で可愛いお声(笑)。愛してますみゆきさん! 私、あの番組でラジオの面白さに目覚めた気がします。4月からは月イチでオールナイトニッポンで番組を持つそうで、もー今から楽しみ楽しみ。
ちなみにその後は谷山浩子さんの番組だったりして、さすがにそちらは録音しました。だってみゆきさんが深夜3時から、谷山さんが4時からなんだもの…さすがにちょっと体力が…でも谷山さんも大好きなのです…。

さて、シンガポール旅行から帰ってきて、旅行の思い出なんぞ書こうかと思いつつ写真を整理してたら、あまりの量に眩暈がして写真整理が滞ってます。デジカメだからってばしばし撮りすぎ! 主に食べ物とベイサンズと動物!! …いや、うん、このブログ書いてからぼちぼち整理再開します…だってマリーナ・ベイ・サンズ、非常識な造りすぎて大好きなんです…シンガポール、ごはんおいしかったんです…そして私はシンガポール動物園を心から愛してるのです…。

というわけで、旅行の話はともかく昨日観た「遠い夏のゴッホ」というお芝居の感想を先に。その前に映画「ライフ・オブ・パイ」も観たんですが、そちらはそちらで奇跡のような映画で素晴らしかったです。

「遠い夏のゴッホ」。松山ケンイチくんの初舞台作品でございます。赤坂ACTシアターにて、なんと前から4列目での観劇。全ての役者さんの表情がばっちり見えましたとも! ゴッホはゴッホでも画家のゴッホではなく、セミのゴッホです。これは虫たちが繰り広げるミクロでマクロな愛と命の物語。
というわけで感想です。例によってネタバレしますので、大阪公演で観るという方はスルーでお願いいたします―。

ゴッホはユウダチゼミの幼虫。土の下で、大好きな幼馴染のベアトリーチェと一緒に大人になるのを待っています。今年も夏が巡ってきて、先輩達は羽化の準備で地上近くへ移動中。早くセミになりたいゴッホは、先輩達の羽化の準備を見学しに行きます。次々と羽化の兆しを体に感じていく先輩ゼミ。けれどそのとき、ゴッホの体にも異変が。背中が燃えるように熱い。全身が痒い。上に行きたくてたまらない。それは間違いなく羽化の兆し。そう、ゴッホは自分の年を一年勘違いしていたのです。だけど、今羽化してしまったら、ベアトリーチェと恋人同士になれない。それどころか、もう二度とベアトリーチェには会えない。大人になったセミの寿命は短いのです。「嫌だ、羽化なんかしたくない!」そう叫んだところで、ゴッホの体は羽化を止められはせず、大人ゼミになってしまいます。ゴッホは決意します。生き延びよう。夏が終わっても、秋が来ても。冬を乗り越え、春を生き、もう一度ベアトリーチェに会おう。だって約束したのです。自分の一番の歌を聴いてもらう約束を。けれど森には危険がいっぱい、その上、冬の寒さは情け容赦もなく虫たちの命を奪っていくのです…。

虫のお話です。チケット確保した段階ではストーリーについての情報がなかったので画家のゴッホの話だと思っていた馬鹿は私です(笑)。小さい頃は毎日虫採りして遊んでたなあ…「ただいまー」と帰ってきたらすぐに虫採り網と虫かごで武装して「いってきまーす」と出ていく子供でしたよ。
舞台が始まると、ずらり並んだ役者さん達が全身で季節の移り変わりを表現。コンテンポラリーダンス的な動きと言葉で、風が吹く様や子犬が走る様を描写してました。松山くん、自分の周りを子犬が駆けてくときに一度コケさせてましたね(笑)。「タタタタタタ…バタン、タタタタ…」って。そうして舞台に夏がやってくると、役者さんたちは一度みんな袖にはける。それから順番に戻ってくる役者さん達は、どうやらアリさんらしく。「アリです!」「アリであります!」とひと言ずつ言いながら、獲物をかついでやってくる。と、なぜだか松山くんもやってきて、「アリです」。え、あなたセミの役じゃなかったんですか?「アリもやります!(←なんだか嬉しそう)」あ、そうだったんですか…こんな感じに、役者さんは場面ごとにアリになったりセミになったりトカゲになったりハチになったりします。場合によっては「ベアトリーチェの唇をやらせていただきます!」「自分、ゴッホの唇をやらせていただきます!」なんて名乗りを上げて、ラブシーンを盛り上げたりも(笑)。
松山くんは、冒頭と途中で一度アリになるだけで、基本はセミのゴッホです。舞台上の松山くんは、すごく楽しそうでした。役者さんが楽しそうなのは、観てる側も気持ちいいです。

松山ケンイチくんを最初に認識したのは「デスノート」、ドラマの「セクシーボイスアンドロボ」とか「銭ゲバ」も好きでした。彼を初めて生で見たのは、映画「カムイ外伝」の舞台挨拶。…本当に失礼な話だとは思うのですが、実は私、それまで一度も彼をかっこいいとは思っていなくて。でも生で見た松山くんはなんというかやっぱり華があって、大変かっこよかったのです…おお、確かにスター(笑)。ていうか背は高いわ鼻は高いわ、普通にかっこいい人ですよね…すみません。視聴率悪い悪いと言われていた「平清盛」も、大好きでした。
この人は本当に役によって雰囲気が変わりますが、今回のゴッホは純朴な青年。松山くんがこの手の青年をやると、とことん純朴な感じになりますよね。目がきらきらしてるんですよ。背も高くて体つきもいいのに、子供みたいで。ベアトリーチェとらぶらぶきゃっきゃしてる冒頭の幼虫時代がとっても可愛い。羽化してしまった後の途方に暮れた顔はさすが。迷子の子供みたいな顔が、だんだん絶望に染まり、悲壮な覚悟に変わっていく。なんとか時間を止めようと、極力飛ばないように、歌わないようにするゴッホ。セミのくせに空を飛ぼうとせず地面を歩き回るゴッホのことは、虫たちの間でも噂になっていく。でも、敵から逃れるために、友のために、飛ばざるをえないときもある。何かする度に、ちょっとずつ年を取っていくゴッホ。だんだん記憶も意識も曖昧になっていって、自分やベアトリーチェの名前を思い出すのも辛くなってくるゴッホの姿が本当に悲しい。

悲しいんですが、でもあちこちギャグが入るのもこの芝居の特徴。ちょこちょこ出てきては主にギャグパートを担当する吉沢悠さんが大変面白い(笑)。この方も大好きな役者さん。吉沢さんが演じていたのはミミズのホセ。最初、役者さんがずらり並んだ時に吉沢さんの姿を探したんですが、見当たらなくて。あれー? と思ってたら、吉沢さんの形してなかった今回(笑)。長めのマッシュルームカットみたいな金髪のかつらに、大きなメガネ。ライアーゲームの人かと思った! ホセはミミズなので土を食べてるんですが、「もぐもぐ」「もぐもぐ」と言いながら土を掘り進む動作をする様がなんかもーとことんマイペースで。しかも、土を食べた後、いちいち腰にくくりつけた金属のお椀で指先を洗ってる。細かい! 細かいよ! ホセはほややんとした感じの、いまいち空気の読めないキャラで、羽化してしまったゴッホが「ベアトリーチェに伝えて!」と叫んだときも「えー、だって君、何を伝えてほしいのか言わなかったじゃん」と実に適当な話をベアトリーチェに伝える(笑)。ゴッホが「どうしよう、僕、約束守れない」と悲愴感を漂わせて呟いたときも「えっ、ミミズの物まねマスターしてぼくとコンビ組む約束!?」とおかしなことを叫ぶ(笑)。「違うよ、ベアトリーチェとの約束! 僕は次の夏まで生きられない」「えーっ、じゃあ君今すぐミミズの物まね覚えなくちゃ!」…いやあの、ホセ。空気読んで。ゴッホの話よく聞いて。ベアトリーチェへの思いを叫ぶゴッホの後ろで、ミミズの動きはこうだとばかりに奇妙な動作を繰り返すホセ。無言で激しく訴え続けるホセに負け、ベアトリーチェとの究極の遠距離恋愛を意識しつつもとりあえずミミズダンスをマスターするゴッホ。いい奴だなゴッホ!

ベアトリーチェ役の美波さんも、セミのブリギッタ役の彩乃かなみさんもとっても可愛かったです。アリの女王エレオノーラ役の安蘭けいさんは大変美しかった! そして素晴らしい歌声。そして意外なほど面白い(笑)。アリのゼノン役手塚とおるさんも大好きな役者さん。去年観た舞台「悼む人」で彼が号泣するシーンは本当に泣けました。
冬を越す生き物として登場するゴイシクワガタのイルクーツク役は石川禅さん。ダンディ! なのに蜜を飲む度に「ぺろぺろ」って言うの(笑)。禅さんも歌ってくれてもよかったんですよー、とミュージカルファンとしてはこっそり思ったり。ラスト近くで、田口トモロヲさん演じるカエルのブックハウスが舞台セットの台に上るときに手を貸す禅さんがかっこよかった! すうっと手を差し伸べる様が大変ジェントルマンでした。
サーベルカマキリのセルバンテス役の細貝圭くんも、かっこいい人ですね。冒頭で赤い髪に赤い着物のかぶいた格好の人がいるなと思ってたら、カマキリ役で。子供時代は小刀、大人になったらうしとらの獣の槍みたいなのを両手に一本ずつ持ってぶんぶん振り回す! 最終的には腕を両方失い、ゴッホを助けてカエルに食べられてしまうんですが、その後カエルの体に同化してるということでしれっと出てくる(笑)。ダンスシーンの動きは、この人が一番きれいでしたね。
個人的に非常にツボだったのが、小松利昌さん演じるダンガンバチのジンパチ。ハチなのでファミリーを背負ってる感じで、そのファミリーが「あ、ええと、ヤがつくあれ」の方のアレで。ヤまたはマですね。アニキ! と慕いたい感じ。ナツリンゴの蜜の泉でクワガタやらカブトムシやらクモやらハチやらが憩ってるんですが、泉に挿したストローを持つ手つきが完璧に煙草を持つ手でした。虫達が和やかに過ごしてるメルヘンな泉のイメージではなく、完全ににバーか何かのお店でしたよあそこ。そんなにかっこいいのに、オスじゃなくてメスとはびっくりですよ! 姐さん!!

とにかく演じてる役者さん達が皆さん生き生きとしてて楽しそうで、良いお芝居でした。こういうたくさん笑えて泣けるお芝居大好きです。ラスト、ついに再会を果たしたゴッホとベアトリーチェが「嬉しいねえ…」「嬉しいね…」と繰り返すシーンが本当に好き。純粋でとてもいい。
松山くんはもっともっと舞台で観てみたい役者さん。また次の舞台も、必ず行きます。チケット取れればですが!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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