瀬を渡り水の向こうへのナビゲーター   topページ > 2012年10月05日  

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きゅーんきゅーん。

2012 - 10/05 [Fri] - 23:22

そろそろ本気で小話なんぞ書きたくなってきましたよ。
でもこの連休中の私の最大のイベントは、ないしきょーけんさ…いやーん。まあ、もう何回も受けてるもんなのですが…とはいえ、慣れてたまるかあんなもの!! 
数年前に消化器系を壊したもので、その経過観察なのです。ここのところだいぶ落ち着いているので、普通に色々食べてますが、壊した直後は食事制限厳しくて本当に辛かった!! 乳製品一切駄目でパスタ駄目で油もの駄目で牛肉駄目で加工肉駄目で繊維質駄目で蕎麦駄目で。あの頃は食べてOKなスイーツが和物だけだったので、和カフェに詳しくなりました(笑)。

それはともかく、映画『鍵泥棒のメソッド』を観てきました。内田けんじ監督作品。私、この人の『アフタースクール』って映画が大好きでして。その上、堺雅人さんと香川照之さんが出るとなったら、観に行かないわけにはいきません。そして期待通り、とっても面白かったです!
というわけで、例によってネタバレしますよー。

貧乏役者の桜井は、人生に絶望して自殺を図ります。が、首吊りの紐が切れて失敗。泣きそうになりながら財布をひっくり返せば、わずかな所持金とともに銭湯のチケットが。汗かいちゃったし、風呂くらい入っとこう。桜井は銭湯に向かいました。
一方、「誰も顔を見たことのない伝説の殺し屋」であるコンドウは、桜井とは大違い。昨夜も手際よく一人「始末」して、報酬がっぽり。高級スーツを身にまとい、高級車を乗り回す。でも、ふと手首を見ると、腕時計に昨夜の仕事の名残の赤いものがべっとり。車の外に目をやれば、そこには銭湯が。道混んでるし、ひとっ風呂浴びてくか。コンドウもまた、銭湯に向かいました。
ロッカーが隣り合った桜井とコンドウ。桜井はコンドウの分厚いお財布に目が釘付けです。桜井は、風呂場で転倒して気絶したコンドウのロッカーキーを、ついつい自分のものとすり替えてしまいます。ほんの出来心です。でも、だってあいつ金持ってるもん。ちょっとそのお金使わせてもらって、友人連中に借金返して、その後財布その他返しに行けばいいじゃない。死んでお詫びするからいいじゃない!
ところが、コンドウは頭を打ったショックで記憶喪失になってしまったのです。所持品から自分を桜井と思い込み、貧乏役者として頑張って生きていこうとするコンドウ。しかも病院からの帰り道、たまたま出会った雑誌の編集長香苗といい感じになったりして。一方桜井のところへは、コンドウ宛ての殺しの依頼が舞い込んできてしまい…というお話。

何を言ってもネタバレになってしまうのであらすじすら説明できない(そして絶対にネタバレなしで観てほしい)『アフタースクール』。それに比べて今回は、随分とストレートな入れ替わりサスペンス+ラブ。でも、よく作り込まれた話と素晴らしい役者さんの演技で、実に面白い作品になっていました。大満足ですよ本当に!
広末涼子さん演じる香苗が、特に良かったなあ…普段の彼女のイメージとは違って、表情が薄くて、とことん真面目で、変わり者で。冒頭、彼女が仕事場にいるシーンからして良い。びっしりスケジュールの書き込まれた手帳に大真面目な顔で「たいへんよくできました」のハンコを押すのを見ただけで、すごく彼女のことが愛おしくなりました。職場のバイトの募集も結婚相手も「健康で、努力家の方であれば」という彼女。香苗にはどうしても近いうちに結婚したい理由があって、大真面目な彼女は手帳に仕事と同じ感覚で結婚までのスケジュールを書き込んでて、大真面目に合コンに出たりする。そんな彼女が、健康で努力家で記憶喪失のコンドウと出会って、「この人こそ最適の相手」と思う。でもこの時点で、彼女はまだたぶん恋には落ちてないんです。
香苗が完全に恋に落ちた瞬間、彼女の胸の高鳴りを代弁するかのように鳴り響く「きゅーんきゅーん」という車の警報音(笑)。たまりませんよあの演出。ラストシーンの、大きく腕を広げてゆっくりと抱き合う二人を離れた位置から映してるあのカットもたまらない。すごく笑えて、すごく心が温まる。そして「どかっ」。うん、私も綾子の立場であの場にいたら、同じことしてる(笑)。

堺さん演じる桜井は、本当に駄目な男で(笑)。そもそも人のお金で借金返すってあなた…ものすごい神経だな。部屋は汚いし、字も汚いし、計画性もないし、役者のくせに演技も下手。でもそんな駄目男も、堺さんが演じるとなんだか愛しく見えてくるこの不思議(笑)。人のお金を好き勝手に使っちゃう困った奴なんですが、基本的にはいい人なんですよね。ヤクザに狙われてる綾子をなんとか助けようとして、綾子に「何であなたがそんなことしてくれるんです?」と訊かれて大真面目に「だって俺しかいないじゃないか」と答える。綾子なんて見捨てて、金持ってどこかに一人で逃げるというアタマはあなたにはないのね。生きるのが不器用で、だらしなくて、でも憎めないキャラでした。
香川さん演じるコンドウも、すごく良かったです。記憶のあるときは怖いくらいの顔つきで、記憶喪失になってからはとにかく真面目で努力家で、そして素直。なまじ真面目に努力するタイプなもんだから、このまま役者やってたら桜井より成功しそう(笑)。記憶を取り戻すために、少ない所持金からまず買った品はノートとペン。そのノートに、細かい気づき事項やら何やらを几帳面に記録していく。名前、職業、周りから聞いた「桜井」の情報、部屋の様子から想像される内容、好きなもの…この人も本当に愛おしい。どうしてもシャツの裾をズボンにインしてしまうダサダサな着方含め、愛おしい(笑)。香川さんは本当にいい役者さんですね。大好きです。

ヤクザ役の荒川良々さん、綾子役の森口瑤子さんと、脇を固めてるのもいい役者さんばかりでした。コンドウが桜井の代わりにエキストラで出る映画の監督役は池田成志さんだったなあ。

そういえばこの前、知人から「邦画を映画館で観る意味がわからない」というようなことを言われました。DVDで十分でしょ、ということだったようなんですが。んー、確かに、いわゆるハリウッド大作みたいにどっかんどっかん爆発したりはしないので、大画面じゃなくてもいいのかもしれませんけど。でも私は、映画館という場所が結構好きなのです。マナーの悪い方が近くにいると気分が盛り下がることもありますが、やっぱり大勢の人と一緒に同じものを見て笑ったり泣いたりするのって楽しいですよ。まあ、DVDになるまで待てないというのもありますが(笑)。面白い作品は早く観たいもの! それに、大画面で観る全裸香川さんの見事な宙返り転倒シーンは、かなりの圧巻ですよ(笑)。まだ見てないというあなた、ぜひ劇場へどうぞ!

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プロフィール

水瀬桂子

Author:水瀬桂子
水瀬桂子。
1月21日生まれ。水瓶座のO型。
趣味は観劇、映画鑑賞、読書。旅に出るのも好きです。
おいしいものを食べて、素敵な物語に接していられれば、この上なく幸せです。
三笠書房f-Clan文庫さんより、『妓楼には鍵の姫が住まう-死人視の男-』『妓楼には鍵の姫が住まう-黄泉がえりの人形-』が発売中です。

なお、「水瀬桂子」は「渡瀬桂子」と同一人物です。渡瀬桂子名義の近刊に『少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法』『ある日、月の夜に。-わがままな魔女と人狼の騎士-』(ともに一迅社文庫アイリスさんより)があります。水瀬名義は、f-Clan文庫さんが初めてです。こちらは、より趣味っぽい感じのもの用になりそうな予感…。

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